筆記試験対策

 主に、エントリーシートの提出の次に行われる採用試験が「筆記試験」です。筆記と言っても、ペーパーテストとは限らず、パソコンを使ったテストもあります。ここでは、筆記試験の狙いや対策について触れていきます。

筆記試験の基礎知識

就職筆記試験の実施目的

 採用選考試験で各種の筆記試験が行われるには、主に三つの目的があります。

① 面接に進める学生の数を絞り込む

 多数の応募者がいて、物理的に全員に面接試験を行うことができない企業は、筆記試験の点数をもって面接に進める人を絞り込むということを行います。(主に能力検査)

② 業務遂行に必要とされる最低限の基礎能力が備わっているかを確認する

 いわゆる「読み書きそろばん能力」と言われるものです。文書作成や数字資料の作成など、企業での業務遂行にあたっては最低限求められる基礎能力があります。それが大学生なりにきちんと備わっているかを確認するために筆記試験を実施します。(主に能力検査)

③ 面接の参考資料とする

 面接は人間が行うものですので、人物評価においてどうしても面接官の個人的な印象や評価が反映されてしまうことは避けられません。全員同じ内容の課題を課し、同じ評価基準で判定した資料を用いて、人物評価にできるだけ客観性を持たせようという意図でも実施されます。(主に性格・職務適性検査)

就職筆記試験の種類

 就職筆記試験にはいくつかの種類があります。テスト専門の業者が作成したものを使用しているケースと、企業が独自に自社内で作成しているもの二つに大別されます。その中でも、下記のようなテストを企業がそれぞれ使用目的に合わせて使い分けています。

1.適性検査

 企業が社員を採用する際の筆記試験を専門に開発している会社のテストを各企業が使用しています。

SPI 3( 能力検査+適性検査 ) 能力検査では国語のような言語的能力と、数学・理科のような非言語力の問題が出る。中学レベルの国語、算数の力があれば十分解けるが、応用力が求められるので、限られた時間で点数を獲るには、より早い解答方法を知っておく必要がある。
CAB・GAB・IMAGES CABはコンピューター職の採用試験で主に利用され、暗号読解や法則性などIQテストのような問題。GABは総合職用の試験で、長文読解・表の読み取りなどからなっている。IMAGESはGABの簡易版となるテスト。SPI3に次ぐシェアを持っている適性検査。

2.企業独自テスト

 各企業が独自に社内で問題を作成し筆記試験として使用します。例えば、論作文試験は新聞社をはじめとしたマスコミ関連企業で独自に設定して実施される筆記試験です。

一般常識 「社会人として知っていて当然のこと」が出題される。新聞掲載のニュースが出題されることもある。英数国社理の基本5教科の簡単な復習と日ごろからニュースに触れておくことが対策となる。
論作文 一次の筆記試験を論作文にしている業界・企業も見受けられる。その対策は、一般的な論作文試験への対応と同様となる。

筆記試験の対策

1.忘れてしまっている“解き方”を思い出しておこう

 就職筆記試験は、中学3年生まで(義務教育)で、大学生全員が一度習ったことのある範囲から出題されるのが基本です。改めて勉強が必要となる問題が出ることはまずありません。しかし、どの筆記試験も、出題数に対して解答時間が短く設定されている傾向があり、いかにスピィーディーかつミスをせずに多くの問題を解ききるかが得点に大きくかかわってきます。
 時間をかければ解けるが、早く解くためのセオリーを忘れてしまっていることがほとんどです。まずは自分にあった攻略本を一冊選び、解き方を思い出しておくことが一番の対策になります。

2.100点満点よりも合格のボーダーライン突破を目指す

 100点満点を取るにこしたことはありませんが、就職筆記試験では解答時間内にすべての問題を正確に解ききるのには相当な努力が必要となります。就職筆記試験は、まずは面接試験に進めるボーダーラインの突破が目標となりますので、あえて全問解ききる必要はあまりないでしょう。そのかわり、あたった問題は間違えずに解く必要があります。企業独自の一般常識を除けば、出題範囲が明らかになっているものがほとんどで、過去問題の攻略本も多く発売されています。「この種の問題が出たら確実に得点できる」という出題領域を本番前にどれだけ作っておけるかが筆記試験対策では重要です。

3.WEB形式のテストに対応しよう

 近年は、テストセンター方式をはじめとした、コンピューターを用いたWEBテストを実施する企業が多くなってきました。出題範囲や難易度がペーパーテストと大きく変わることはありませんが、テストの開発業者によって解答方式とその感覚が変わってきます。
 例えば、問題の後戻りができず順次解いて行き、わからない問題はパスして先に進むものや、点数を使いまわしできるもの、自宅で受検(攻略本を見ながら解答できる)が可能なものなど、非常に多岐にわたる受検形式があります。
 いずれにしろ、受検する形態が紙からWEBに置き換わっただけで、問題の出題範囲や難易度が変更されたわけではありません。きちんと問題を解ける力を身に付けておけば、あとはWEBでの受検形式を事前に体験しておくだけで十分対応できます。

自宅受検型
パソコンを介してWEB 上から自宅で受験する試験のこと。WEB玉手箱などのテストが有名。複数人数で準備して受検している学生も見受けられる。
テストセンター型
パソコンでの受検専用に設けられた施設に出向いて受検する形式。SPI3はこのテストセンター型で受検するケースが最も多い。
企業内受検型
企業内でペーパーではなくパソコンを使って受検する形式。ペーパーでの実施よりもテスト実施に関する利便性が高いため採用している企業が多い。

筆記試験の対策

 筆記試験は、専門の業者試験から企業の独自の一般常識など種類が多岐にわたるため、すべてについての対策をとるのは難しいことです。各種筆記試験への準備を進めるにあたり、共通して意識した方が良いポイントは以下のような点になります。

Point1 誤謬率についての考え方

 誤謬率とは、答えた問題数に対して不正解がどの程度あったかその割合のことを言います。わからない問題を適当に答えていると、解答した問題に対する不正解率(誤謬率)が上がっていってしまうため「勘で解答していくのは良くない」という判断に繋がります。
 しかし、この誤謬率を判定していないテストがあります。一般的に、大卒の採用向けに使われる適性検査では誤謬率を取っていないものが多く、ある程度解答に近づいているが時間が足りないといった場合に、勘であっても解答してしまった方が点数が伸びることがあります。(適性検査は問題数が少ないため、一問の正解、不正解で大幅に順位が変わることがあります)全てを勘で解答するなどは論外ですが、あと一問…という時にはあえて解答してしまうのも一つの対策となります。
 ただし、事務処理適性を見るために使用される筆記試験は、作業の正確性を判定する都合上、この誤謬率を取っているものもありますので注意が必要です。

Point2 攻略本を一冊解いてみるのが最も有効な対策

 就職筆記試験の問題難易度は、大学生であるみなさんにとっては難なく解ける程度のものです。しかし、特に非言語問題(数字を扱う問題)の文章問題などは、意外に解答に時間がかかってしまい思うように点数が伸びなかったということが多いようです。中学校の時に取り組んだ教科書の文章問題や国語の長文読解などを思い出しておくことから対策を始めてみましょう。
 就職活動の準備において、筆記試験対策にあまり時間をかけてしまうことは考え物です。ボーダーラインとなる点数がとれそうだと見込みがついた時点で、業界・企業研究や書類選考対策などの時間を割くようにしてください。

Point3 過去のテスト使用実績が役立つ

 どの企業がどの筆記試験を使用しているのかは、先輩からの情報や攻略本から得ることができます。問題にクセがある適性検査もありますので、事前に使用される筆記試験の種類を知っておくことは大いに対策に役立ちます。
 WEBテストの使用実績がある企業については、近年は無料でWEBテストの模擬試験を行っているサイトもありますので、一度、体験受検をしておきましょう。