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南極点でニュートリノ観測を開始 国際共同研究プロジェクト IceCube本格稼働

ニュートリノ天文学の新たな幕開け

平成18年2月15日  千葉大学理学部

国立大学法人 千葉大学(学長:古在豊樹、所在地:千葉市稲毛区)は、この都度、日米欧国際共同研究プロジェクト IceCube (アイスキューブ) の本格稼動開始について発表いたします。

「ニュートリノ」と呼ばれる不思議な粒子を観測する新たな天文学「ニュートリノ天文学」は小柴先生(東京大学名誉教授)のノーベル物理学賞により最初の一歩を開きました。この業績は神岡鉱山の地下に設置した水タンクを用いた検出器(カミオカンデ)により超新星爆発からのニュートリノを世界で初めて検出したことによるものです。一方で世界の宇宙物理学者は、カミオカンデで検出されたものよりも、何桁も上のエネルギーを持つニュートリノが、銀河系外に存在するブラックホールや電波銀河といった巨大天体で、あるいはビッグバン直後の素粒子生成過程により生成され得るという可能性を予言しています。こうしたニュートリノを検出することが可能になれば、従来の天文学では観測が困難であった、遠方宇宙における高エネルギー現象を探る優れた科学的手段を手に入れることになります。また他の様々な観測から、宇宙は我々がイメージするような静的なものではなく、極めて動的でエネルギーに溢れている空間であることが分かってきました。天体深部における動的現象を観測する手段としても高エネルギーニュートリノは大きな期待を集めてきました。

こうした高エネルギーニュートリノは、予測される存在量が極めて微小であるため、カミオカンデ実験よりも大幅に大規模な観測装置が必要です。そこで費用のかかる水タンクではなく、天然に存在する南極大陸の水-南極氷河-を利用することで、高エネルギーニュートリノを検出しようというアイデアが生まれ、IceCube国際共同実験として結実しました。実験グループはアメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデン、ベルギー、オランダ、ニュージーランド、及び日本から構成され、2002年に正式発足いたしました。千葉大学は、日本からの研究グループとして唯一参画し、検出装置の中核である光電子増倍管を担当、(株)浜松ホトニクスと共に検出装置開発に大きな役割を果たしています。スーパーカミオカンデ実験(神岡鉱山で現在稼動中)の実に2万倍という大きさを持つ検出装置は2004年の試験を経て2005-2006年のシーズンより5年間の予定で建設が開始されました。南極点にある米国アムンゼン-スコット基地において本年一月に最初の建設が終了し、全体の約1割が稼動を始めました。この時点で既に世界最大のニュートリノ検出装置であり、観測データは最も感度のよい宇宙ニュートリノ探索結果を生み出す予定です。

2月15日(水)に行われた会見の様子
写真1写真2

本件問い合わせ先

千葉大学理学部 助教授 吉田 滋
粒子線物理学研究室
Tel.043-290-3683
Fax.043-290-3683
E-mail:syoshida@hepburn.s.chiba-u.ac.jp(@は半角でご入力ください)