ニュース・イベント情報
Topics

平成29年度 千葉市・千葉大学公開市民講座「千葉氏と日本中世のはじまり ―千葉常胤生誕900年に寄せて―」を開催しました

掲載日:2018/02/26

 高等教育研究機構高大連携地域貢献部門の地域貢献専門部会では,千葉市及び千葉市市教育委員会との共同開催により,源頼朝による鎌倉政権樹立に多大な功績を残した千葉常胤をテーマとして掲げ,本年度2回目となる公開市民講座を以下のとおり開催しました。

「千葉氏と日本中世のはじまり ―千葉常胤生誕900年に寄せて―」
 講演1:鎌倉幕府と千葉氏/本郷 恵子(東京大学史料編纂所教授)
 講演2:千葉常胤の語られ方 ― 軍記物語の世界から/久保 勇(千葉大学大学院人文科学研究院 准教授)
 クロストーク・質疑応答
日 時:平成30年2月3日(土)13:00~16:15
会 場:教育学部大講義室

概 要:
 講演1では,まず千葉常胤が将軍との人格的紐帯を証す「袖判下文」を求めた事実から東国御家人の重鎮としての位置にあったことを紹介されました。源氏将軍以降,北条氏の権力が幕府内で強大化する過程において有力御家人が政権中枢から退けられた史的展開があったこと,そうした中でも千葉氏が全国各地の所領を管理・経営しつつ,幕府からの経済負担を賄ってきた実態について富木常忍が遺した文書から解説されました。
 講演2では,『平家物語』のさまざまな異本についての概説と頼朝挙兵記事(東国記事)に関する問題点について説明がありました。読み本系諸本に描かれる千葉常胤について比較対照しながら,その差異と本文の成立過程について解説されました。また,頼朝が千葉常胤を「父」と思う,といった『吾妻鏡』の一節が,読み本系『平家物語』では広常を父・常胤を母と頼った、となっている伝承についても問題化されました。
 講師両名によるクロストークでは,久保講師が指摘した「みなし子頼朝」というモチーフに関して,頼朝と御家人との人格的な関係においても興味深いという本郷講師からの意見がありました。共有されるテーマとして「中世」という時代について,歴史学・文学の立場からそれぞれ見解が述べられました。質疑応答では,常胤と並び立つ存在であった上総介広常に関して,活発な質問が出されました。
 当初150名の募集でしたが,結果的に700名以上の受講希望があって,急遽会場を変更させていただくほど盛況な公開講座となりました。
 千葉大学では地域の皆さまとともに,魅力ある「公開市民講座」を今後も企画・開催してまいります。

大盛況の大講義室

本郷講師

久保講師

講師両名によるクロストーク