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入学式 学長告辞

掲載日:2017/04/06

  新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、ご臨席いただきました新入生のご家族や関係者の皆様に、心よりお慶びを申し上げます。この春は、新入生の皆さんにとって、人生の大きな節目となることと思います。千葉大学が、皆さんの抱いている志しや夢の広がりに向けた「学びの場」となることを強く願っています。

  千葉大学は、昭和24年に学芸学部、医学部、薬学部、工芸学部、園芸学部の5学部からなる国立の新制大学として発足し、今年で創立68年を迎えています。この間に、千葉大学は我が国の発展とともに、その組織を拡充し、現在は10の学部と13の大学院を有する大規模総合大学となっています。千葉県下にある4か所のキャンパスでは、約1,400名の海外留学生を含む14,000名を超える学生が学んでいます。そして、これまでの卒業生・修了生数は15万人を超えており、その多くが日本のみならず世界各国で活躍しています。新入生の皆さんが、このような歴史と伝統ある千葉大学で学ぶことにより、本学の基本理念とする「つねにより高きものをめざして」、明日の世界をリードする人材へと大きく成長されることを心から期待しています。

  世界に目を向けますと、航空機や情報通信技術の発達により地球規模のグローバル化が急速に進展するとともに、新興国の経済的発展が加速し、あらゆる分野で国際競争が激化しています。我が国では、これまで人類が経験したことの無い超高齢化社会を迎えており、社会保障や経済・外交のあり方、さらに6年前には東日本大震災を経験し、エネルギー政策、災害への備えなど喫緊の課題が山積しています。我が国が、これらの課題を乗り越え、世界の国々とともに持続的に発展するためには、創造的で活力のある若手人材の育成が急務となっています。特に、グローバル化が加速する世界にあっては、異文化体験とともに豊かな語学力・コミュニケーション能力を身に付けて、国際的に活躍できる若手人材の育成が強く望まれています。

  千葉大学では、このようなグローバル化に対応した人材の育成に向けて、英語によるコミュニケーション能力向上のための教育カリキュラムを充実させるとともに、皆さんが幅広い視野で学べるように、総合大学としての特色を生かした数多くの授業科目を整えています。そして昨年度には、グローバル人材育成に向けたリーディング学部として「国際教養学部」を開設致しました。さらに、全国に先駆けてアカデミック・リンク・センターを設置して、皆さんがアクティブに学ぶ環境を整備しています。新入生の皆さんは、国際的に活躍できる人材の育成に向けた教育環境が整備されている千葉大学を「学びの場」として、自主的に学修し、グローバル化した社会で活躍するために必要な能力を高めるとともに、自己の存在を世界の中で捉えることができるようになってほしいと願っています。

  そして私は、この「学びの場」での活動を通して、皆さんに生涯にわたる夢を描いて欲しいと思っています。今皆さんは、何らかの夢を抱いていると思います。しかし、自分の能力への自覚を伴わない夢は、単なる「憧れ」でしかありません。夢は、その実現の可能性を信じることが出来、かつ、その実現に向けて努力しようとして、初めて夢と言えるのではないでしょうか。そのような生涯にわたる夢を描くために一番重要な点は、皆さん自身に内在する「才能」に基づいて夢を描くことだと思います。その理由は、「才能」が皆さんの夢の実現に向けた最大の原動力になるからです。

  皆さんは、ヒトとしての高い知能とともに、物事を巧みに成し得るための生まれつきの能力である「才能」を持って生まれてきました。フランスの哲学者であるモンテスキューが、「才能とは、神からひそかに与えられ、しかも、我々がそれとは知らずに明るみに出す、授かり物である。」と述べているように、才能は個人個人で異なっており、ほとんどの人は自分の才能に気付かず、またその才能を発揮する機会のないまま過ごしています。そこで、生涯にわたる夢を描くためにも、千葉大学を「学びの場」としてだけでなく、皆さんの中に備わっている「才能」を見つけだすための「探求の場」としていただきたいと思います。皆さん自身の持つ才能を、千葉大学における活動の中から見つけ出し、その才能を基に確固たる人生を送ることができるような独自の夢を描くようにしてください。

  皆さんの才能は、皆さんが面白そうだと感じたことに積極的に取り組む過程で、仲間から指摘されたり、自ら気付いたりするようになります。ですから、まずは興味をもったことに、失敗を恐れず積極的に「チャレンジ」するようにしてください。その結果、途中で興味を失って、そのチャレンジを止めてもかまいません。このような経験は、皆さんが自分自身の才能を見極める意味で、決して無駄にはならないからです。またチャレンジの過程で進路に迷ったら、「自分にとってより困難だと思われる道」を選択してください。そうすればチャレンジの結果がどのようなものであれ、新たな自己の才能に気付く機会が増えるとともに、その経験のひとつひとつが、将来皆さんの価値判断の基準となるでしょう。このように大学時代に行う様々なチャレンジは、失敗さえも自己探求のための学びとなります。ただし、チャレンジをするときには、道徳や社会規範の遵守とともに、学生としての本分を逸脱するような行動は決して行わないようにしていただきたい。

  また将来、世界をリードするようになる皆さんには、千葉大学を「自己探求の場」にするとともに、「自分磨きの場」ともしていただきたいと思います。皆さんには、リーダーに求められる普遍的な価値観を創造し、自己の人格を陶冶し続けてほしいと思います。この人格の陶冶には、創造的に考える能力である「知性」を磨くことに加えて、「論理性、自立性、社会規範意識と倫理性」などの言葉で表現される「教養」を高めることが必須です。この「教養」を高めるということは、単に知識を豊かにすることだけでなく、知識によって心を豊かにするとともに、状況に合わせて柔軟な思考や多様性に富む発想が出来るようになるということです。そのためには、千葉大学でのアクティブな活動ばかりでなく、海外で生活する中から現地の文化・芸術を体験することを勧めます。千葉大学では多彩な留学プログラムを準備して、皆さんが自分に適したプログラムで海外留学を体験し、グローバルな視点で教養を高めることが出来るように応援しています。

  未来の明るい社会をつくり出していく皆さんが、千葉大学において「つねにより高きものをめざして」、「学びの場」で皆さんの「知性」を磨き、「自分磨きの場」で「教養」を高めるとともに、「自己探求の場」で自分自身の「才能」を見出し、その才能に基づく形で生涯にわたる夢が描けることを願っています。そして千葉大学は、皆さんの精神的成長と夢の広がりに向けて最大限の支援をすることをお約束して、告辞といたします。

平成29年4月5日
千葉大学長 徳久剛史