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平成30年度千葉大学卒業式・大学院修了式・学位記授与式 答辞

掲載日:2018/10/04

 十月が近づき、風の中にも秋の気配を感じる季節となりました。本日は、私たち卒業生、修了生のために、このような式典を挙行していただき、ありがとうございます。また、ご多用の中、ご出席くださいました、徳久学長、諸先生方に、卒業生、修了生一同より厚く御礼申し上げます。

  私は千葉大学に学部・大学院合わせて9年間在籍し、園芸学部緑地環境学科および園芸学研究科緑地環境学コースにて、造園、科学、健康の3つの観点から人に関わる緑地環境学について学ばせていただきました。学生生活を振り返ってみると、理論から実践まで様々な経験を通して、知識と知恵を身につけることができました。緑地環境学を学ぶためには、教室や研究室の中での学習にとどまらず、直接フィールドに出て自然に触れる体験をすることが求められます。私は、このような環境の中、人に関わる緑地環境学、特にランドスケープデザインについて幅広い知見を得ることができました。私が専門とするランドスケープデザインとは、人とみどりをつなぎ、より良い空間を創出する実践的な学問です。例えば、小さい庭園、街中の公園、都市の屋外空間、里山、森林までスケールの大小を問わず、ランドスケープデザインが関わっています。ランドスケープデザインは、領域横断的な学問であり、単純なデザイン能力、もしくは植物の知識だけでは不十分です。人が利用する空間を設計するにあたり、素材としての植物の特徴を理解することはもちろん、利用する人の行動に関する知識、また、その空間と連続する周辺との関係性などすべてを解いていかなければなりません。このような領域横断的知識を要するランドスケープデザインの研究、実践を通して、造園、科学、健康の3つの観点から学んだ知識は、解決困難な社会的課題に応える力になると考えています。

 また、千葉大学では研究以外にも様々な体験から、複雑化する社会で生きる知恵を身につけることができました。実習を通したインターナショナルな学生同士の交流、キャンパス内の車椅子体験実習、ご老人と子どもを交えた市民との協働による地域の花壇づくりなど、社会的にマイノリティな環境と向き合う体験をすることが多くありました。未だ社会では女性・外国人差別が根強く存在していますが、千葉大学では女性であり、外国人である私が自分らしくやりたいことを進められるような環境がありました。このような環境で養った社会を見る確かな目で、社会的に弱い立場の人々への配慮を忘れず、今後の社会へ貢献していきたいと思います。

 最後になりますが、これまで、ご指導してくださった先生方、大学生活を支援してくださった職員の方々、フィールド、製図室、研究室で一緒に楽しく大学生活を送ってくれた研究室の皆様、そして、お世話になったすべての方々に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 千葉大学の益々の発展と、皆様方の更なるご活躍を心よりお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。

平成30年9月28日
平成30年度卒業生・修了生代表
園芸学研究科 環境園芸学専攻
金 睿麟