特色ある研究活動の成果
Research

環境からみた予防医学 「ケミレスタウンプロジェクト」

環境からみた予防医学 「ケミレスタウンプロジェクト」

研究代表者:中岡 宏子
共同研究者:①氏名、②フリガナ、③ローマ字表記、④所属部局名、⑤職名、⑥専門分野
①森 千里、②モリ チサト、③MORI Chisato、④予防医学センター、⑤センター長 教授、⑥ 予防医学・環境生命医学・発生学・解剖学
①戸髙 恵美子、②トダカ エミコ、③TODAKA Emiko、④予防医学センター、⑤教授、⑥ リスクコミュニケーション・室内空気・小児環境保健
①鈴木 規道、②スズキ ノリミチ、③SUZUKI Norimichi、④予防医学センター、⑤特任准教授、⑥建築計画・社会医学・公衆衛生・室内空気
①中山 誠健、②ナカヤマ ヨシタケ、③NAKAYAMA Yoshitake、④予防医学センター、⑤特任助教、⑥建築デザイン・医療工学・室内空気
①高谷 一成、②タカヤ カズナリ、③TAKAYA Kazunari、④予防医学センター、⑤特任助教、⑥原子物理学・分析化学
①下田 美智子、②シモダ ミチコ、③SHIMODA Michiko、④予防医学センター、⑤特任研究員、⑥予防医学・室内空気

ケミレスタウン(千葉大学柏の葉キャンパス:千葉県柏市)

中岡 宏子准教授

中岡 宏子

NAKAOKA Hiroko

千葉大学予防医学センター准教授

専門分野:予防医学・室内空気

同志社大学文学部英文学科卒業、ソシエテジェネラル銀行(仏)勤務を経て千葉大学医学薬学府修士課程、博士課程(医学)修了。医学博士。 2010年千葉大学予防医学センター特任助教、2014年同助教、2017年同准教授。

どのような研究内容か?

 特定の建物の中に入ると目がチカチカしたり頭が重くなったりして、外に出るとそれらの症状が軽くなる、あるいはなくなる、などの経験をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。海外ではシックビルディング症候群、日本ではシックハウス症候群とよばれる症状で、主に室内空気中の化学物質が原因とされています。私たちの研究「ケミレスタウンプロジェクト」は、室内の空気環境を改善することでこのシックハウス症候群の発症やアレルギー様症状がひどくなるのを予防する方法を確立すること、そしてさらに健康になれる室内環境のモデルを構築することを目的としています。このプロジェクトは医学だけではなく、建築、工学、物理学など様々な分野の研究者と、あるいは企業と連携することで多くの知恵を出し合って持続可能な環境と社会を作ることを目指しています。

何の役に立つ研究なのか?

 人の健康を環境という視点から追及している研究です。環境要因から健康リスクを低減させる、つまり個人の努力だけでは難しい「環境を改善すること」で現世代だけではなく次世代の健康を守り、維持することが可能になります。

今後の計画は?

 千葉大学柏の葉キャンパス内にある化学物質を低減したモデルタウン「ケミレスタウン」に新しく実証実験棟「住居ラボ」2棟を2017年10月に建設しました。今後、5年にわたって、実際にボランティアの方にそれぞれの棟に入って、その室内空気を自覚的、他覚的に評価をしていただく体感評価試験を始めます。どのような室内環境だと何も症状が出ず、快適に過ごせるのか、リラックスできるのかを探索して、そのモデルを構築していきます。

関連ウェブサイトへのリンクURL

https://chemiless.wixsite.com/chemiless
http://cpms.chiba-u.jp/chemiless.html

成果を客観的に示す論文や新聞等での掲載の紹介

【論文・総説】
中岡宏子, 瀬戸博, 戸高恵美子, 森千里:最近問題となる室内空気汚染物質とシックハウス症候群, 日本医事新報, 4742, 23-28, 2015
Nakaoka H, Todaka E, Seto H, Saito I, Hanazato M, Watanabe M and Mori C Correlating the symptoms of sick-building syndrome to indoor VOCs concentration levels and odour.
Indoor and Built Environment, 23: 804-813, 2013.
【シンポジウム講演】
中岡宏子, 鈴木規道, 中山誠健, 高谷一成, 森千里: 環境改善型予防医学とケミレスタウンプロジェクト, 第26回日本臨床環境医学会学術集会 シンポジウム, 東海大学(東京都 港区), 2017
【メディア掲載】
日刊工業新聞 2017年10月18日(水)朝刊 "健康増進住宅" 医工連携共同研究

この研究の「強み」は?

 実際に室内環境を体験して評価できる実証実験棟が大学キャンパス内にあることです。また、空気測定のための分析室も整備されています。 加えて様々な学問分野の研究者と企業が集まって議論をしながら1つの目標、「人が健康を享受できる空気環境の創造」を目指しているところが「強み」です。

研究への意気込みは?

 現在に生きる私たちも未来世代の子供たちも豊かで健やかに暮らすことができる環境を創造することを願って研究を続けていきたいと思います。

学生や若手研究者へのメッセージ

 様々な分野の人と知恵を出し合って進めているプロジェクトです。この研究の輪が広がって、みなさんと一緒に「未来世代の健康と環境」を考えることができればうれしいです。

新実証実験棟:違う建材、構法を使用して建設予定

新実証実験棟の間取り展開図 2棟とも同じ間取り

実証実験対象と方法予定