研究
Research

未来型公正社会研究

21世紀型の福祉国家における未来に向けた新しい公正な社会を探る研究

第1回国際シンポジウム

水島治郎

Mizushima Jiro

千葉大学法政経学部教授

1967年生まれ。千葉大学法政経学部教授。専門はヨーロッパ政治史・ヨーロッパ比較政治。東京大学教養学部教養学科第三卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。ライデン大学客員研究員、甲南大学法学部助教授などを経て現職。著書に『戦後オランダの政治構造:ネオ・コーポラティズムと所得政策』(東京大学出版会、2001年)、『反転する福祉国家:オランダモデルの光と影』(岩波書店、2012年、損保ジャパン記念財団賞受賞)。共編著書に『労働:公共性と労働-福祉ネクサス』(勁草書房、2010年)、『千葉市のまちづくりを語ろう』(千葉日報社、2012年)。千葉市男女共同参画審議会会長はじめ、千葉県下の自治体における役職も多数歴任している。

直面するグローバルな「不公正」に対して「21世紀の公正」をめざす研究

20世紀後半、日本を含む欧米の先進国は、経済成長を前提に再分配国家として発達を遂げ、福祉国家体制のもとに一定の「平等」と社会的安定とを実現してきました。しかし、20世紀末以降、グローバル化と低成長時代の到来、脱工業化の進展、少子高齢化といったマクロな構造変化を経て、従来の福祉国家型の体制は再編を迫られています。現在、日本社会で見られる、格差拡大、不安定雇用、社会的排除、ジェンダーの不平等、人権侵害、環境破壊、地域共同体の崩壊などだけでなく、増加する難民や外国人労働者、深刻化する越境的環境汚染など、およそ「不公正」と思われる現象が、国境を超えたグローバルな問題として生じています。21世紀型の福祉国家は、ワーク・ライフ・バランスを重視し、ケア提供を通じて各々の能力の開花を支える「サービス支援型」国家でなくてはなりません。そこでは社会の多様性を前提にした個人間・集団間の「公正」が重要となります。

本研究育成プログラムは、以上のようなグローバルに生じている「不公正」の問題に真っ向から取り組み、「21世紀の公正」というコンセプトのもとに、未来に向けていかに新しい「公正」の在り方が可能かを模索します。

未来型公正社会研究では、海外研究者との研究ネットワーク構築に積極的に取り組んでいます。昨年度(平成27年度)は、"Chiba Studies on Global Fair Society"第1回国際シンポジウムとして、「移民、ジェンダー、労働」をテーマに平成28年2月19日(金)に開催しました。本年度も引き続き、第2、3回の国際シンポジウムを開催する予定です。

国内唯一の公共学研究拠点としてさらなる発展

千葉大学法政経学部は、従来より公共学研究に力点を置き、その研究蓄積により、国内唯一の公共学研究拠点として一定の評価を確立してきました。
本研究育成プログラムは、その既存の公共学研究の蓄積を全面的に活かしつつ、 ①一層学際的、分野横断的に研究領域を広げること 、②現実社会との相互交流をより進めて実践的学問を推進すること、③海外の関連研究機関との研究交流を推進し、「公正社会研究」の国際的研究拠点を確立する方向で、さらに発展させます。

また、メンバー間での切磋琢磨のため、月例研究会を開催しています。第1回は、平成27年12月9日、「自由・平等・公正をめぐる問題設定の一例」というテーマの下、千葉大学法政経学部准教授、本プログラム公共思想班所属の川瀬貴之氏が報告しました。
なお、月例研究会の活動内容の詳細は、公正社会研究会ブログ(http://kousei-shakai.hatenablog.com/)に記載しています。
他にも、研究成果をまとめた論集の刊行を準備しています。

学生、若手研究者の皆さんへ

公共学会、法学会、経済学会、総合政策学会などとの共催で研究会を開いていますので、それらの学会に所属している学生は、それらをのぞいてみて下さい。
また、基礎ゼミや通常の学部の講義でも、未来型公正社会研究に深く関わる講義があります。

関連ウェブサイトへのリンクURL

公正社会研究会

第1回国際シンポジウム パンフレット

国際ネットワークの構築

第1回月例研究会の様子

メンバーの参加した国際共著の論集

メンバー一覧