研究
Research

脱化石燃料を指向した高効率エネルギー変換システムの研究開発

化石燃料から脱却し太陽光・水・水素を有効利用する高効率エネルギー変換システムの研究開発

図1
研究の目標・概要

星永宏

Hoshi Nagahiro

千葉大学大学院工学研究科教授

京都大学理学部卒業,京都大学大学院理学研究科修了。1991年に千葉大学に着任,2011年より現職。2010年より電気化学会ナノ界面・表面研究懇談会主査。専門は表面電気化学。表面での反応は,原子の並び方によって反応速度や生成物分布が大きく変化する。表面構造を分子・原子レベルで精密に制御し,エネルギー変換を高効率化する研究を行っている。最近は燃料電池の空気極で起こる酸素還元反応や,太陽光発電に使われる色素分子の吸着方向を変えて,太陽光発電の効率を向上させる研究に注力している。

二酸化炭素と有害物質を一切排出しないエネルギーシステムを構築

原子・分子の配列を制御する世界トップレベルの技術を武器に,太陽光発電,光によって水を分解する水素製造,水素および光を使った燃料電池を組み合わせ,化石燃料から完全に脱却したエネルギーシステムの構築を目指します。

化石燃料を燃やして発電する火力発電は温室効果の原因となる二酸化炭素を排出します。一方,水素は燃焼しても水しか排出せずクリーンなエネルギーですが,現在の水素製造は化石燃料を改質する方法が主流で,その過程で二酸化炭素を排出します。
この研究では,自然エネルギーである太陽光と水を使って発電と水素製造を行うことにより,二酸化炭素と有害物質を一切排出しないエネルギーシステムを構築し,地球環境の悪化を防止します(図1)。豊富な太陽エネルギーを有効利用することにより,化石燃料枯渇の問題からも脱却できます。

世界で唯一の存在である千葉大学の研究者と世界の優秀な研究者が連携

星 永宏・中村将志,泉 康雄,矢貝史樹,小島 隆の4グループ5名が密接に連携して研究を進めます(図2)。
研究の進め方は次の通りです。(図3~6)
■星・中村班:全グループの統括と表面原子配列を制御して燃料電池,太陽光発電,水素製造の高効率化を行うと同時に,高効率化の原因の究明を行います。
■泉班:光と水で発電する独創的な光燃料電池の開発を行います。
■矢貝班:星・中村班と連携し,太陽光の中の可視光を効率よく捕集し,太陽光発電と水素製造を高効率化する有機色素分子を開発します。
■小島班:太陽光発電,光燃料電池,水素製造の反応場となる酸化チタンナノ微粒子の表面構造を原子レベルで制御し,他班と連携して実用化に向けた開発を行います。

星・中村班は,金属や酸化チタン表面原子配列の制御技術,矢貝班は有機物の集合体の構造制御技術,小島班は酸化チタンナノ微粒子の構造制御技術で世界のトップレベルの実力を持っています。泉班の光燃料電池の概念は極めて独創的です。光燃料電池は運搬や移動が可能であることから、携帯機器や野外での電源としての社会実装が期待できます。白金やシリコンを使用しないため安価である点で他と競り合う力を持っています。
世界で唯一の存在である千葉大学の研究者と世界の優秀な研究者が連携して研究を遂行するため,大きな成果が期待されます。千葉大学だけでなく世界の精鋭を結集して,世界最高水準の脱化石燃料エネルギーシステムを開発します。

学生、若手研究者の皆さんへ

世界のトップレベルの研究者が揃う千葉大学で,一緒に世界最高水準のエネルギー変換技術の開発を目指して研究しましょう。

関連ウェブサイトへのリンクURL

星・中村班 http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb13/index.html
泉班    http://cat.chem.chiba-u.jp/
矢貝班   http://chem.tf.chiba-u.jp/yagai/
小島班   http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb09/index.html

図2
新規性・独自性

図3
研究分野の現状分析

図4
計画を実現するための方法等(色素を使った太陽電池)

図5
計画を実現するためのonly one技術①

図6
計画を実現するためのonly one技術②