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工学部

学部の概要

工学は社会と環境のための総合科学

現代社会では、豊かな暮らしをめざして効率性や利便性を追求するだけでなく、人と環境にやさしい配慮も求められています。
工学部では、工学教育の伝統的な専門性を尊重しながらも、その枠を超えて互いの連携・融合を図ることにより、常に、広範な社会的要請に応えられる専門教育システムの確立に努めています。そして、「なぜ」「いかにして」「何をなすべきか」の3つの能力とマインドを総合的に備え、それを実践できる工学技術者・研究者の育成を目指します。

学 科 建築学科、都市環境システム学科、デザイン学科、機械工学科、メディカルシステム工学科、電気電子工学科、ナノサイエンス学科、共生応用化学科、画像科学科、情報画像学科
所 在 西千葉キャンパス 千葉市稲毛区弥生町1-33
URL http://www.eng.chiba-u.jp/

建築学科

人間の暮らしに不可欠な衣・食・住のうち、建築は、人間の住まいを創造する仕事です。豊か・美しい・快い・安心できるなど、社会に対する人々の要望は様々ですが、建築にはこれらの要望を満たす具体性が求められます。社会基盤を構成する建築分野は、いつの時代においても不可欠であり、創造と進歩が常に求められる分野です。

下に記してある建築学科のカリキュラムは、歴史・設計・環境・設備・構造・生産など、建築が総合的な学問で多岐にわたります。将来、建築家を目指す人、設備や構造の技術者を目指す人など、様々な選択ができますが、建築を多面的に捉えられるように、また自分自身の適性を探れるように、3年生までは幅広い領域を学べるよう構成されています。個性と創造力が重視される建築設計カリキュラムでは、少人数制の演習を実践し、個々にきめ細かな指導を行っています。建築設計の授業では、建築作品を各自設計し、最後にそれを教員・学生の講評会で発表します。構造の授業では講義で知識を学ぶだけでなく、実際に構造模型を製作し、その強さを予測した上で、実際に力を加え変形を調べるなど、構造の強さを体感するプログラムになっています。右上の写真は、自分の設計作品を発表し、学生と教員が講評しあう様子を示しています。右下の写真は、3年次・構造実験の様子です。4年生になると研究室に配属され、各専門領域に特化した研究を行なうことになります。本学科では、大学院をも含めた6年一貫プログラムを組み、さらに高度な勉強・研究を行なうための環境を整備しています。また、欧州4大学と交換留学を行なうなど、国際交流にも力を入れています。

建築学科は、高等教育機関の技術者教育プログラムを評価・認定する機関であるJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けています。これより、本学科の卒業生は、技術士の一次試験が免除されます。

1921 年に設立された工芸図案科・木材工芸科を前身とする建築学科には長い伝統があります。総合建設業・住宅産業・建材製造業・設計事務所・諸官庁・教育研究機関ほか、様々な分野において、数多くの卒業生が活躍しています。

都市環境システム学科

現在、環境に過度な負荷を与えることなく、豊かで快適な都市生活を実現するための技術革新の必要性が認識されています。人と環境が共存する都市をつくるには、たとえば、エネルギーリサイクル、風力・太陽光発電、廃棄物の安全な利活用のための技術が必要になります。また、災害に強い都市をつくるための防災技術、安全で使いやすい情報通信システム、人口減少型時代に対応したコミュニティ形成など、様々な技術課題を多角的・総合的にとらえる視野も大切です。都市環境システム学科は、都市環境のあり方を総合的に教育・研究する全国でも数少ないユニークなカリキュラムを用意し、21世紀の豊かな都市環境の創造に向けて、探究心と総合的視野を持ちつつ積極的に取り組む意欲のある人を求めています。

私たちは都市環境のあり方を考える上で、「場」と「流れ」という2つの概念を導入しています。「場」は「空間としての都市の性質」であり、「流れ」は「都市の成立に欠かせないすべての動的要素」ととらえ、これらが調和する都市環境こそが私たちがめざすものです。また、総合的な視野、英知と実践力を以って「人としての尊厳を最も大切に考える都市環境システムの設計」を推進することのできる人材を育むことが本学科の使命であると考えています。そのための教育カリキュラムは、環境の基盤となるハード、人と人とのコミュニティや情報の流通を司るソフトに関する工学的技術を幅広く学び、確かな専門性を身につけることができるように1)現場での体験型演習や実験、2)実社会との連携、3)少人数による実践的トレーニング、4)常に新鮮で実践に生きる知識、5)国際交流の5つを重視して構成されています。

当学科は、都市空間計画、都市基盤工学、都市環境工学、都市情報工学の4つの領域から構成され、都市計画、住環境計画、都市空間設計、都市建築計画、都市防災、都市インフラ、都市施設構造、環境マネジメント、環境エネルギー、環境リサイクル、都市情報、都市通信、都市数理解析などのテーマについて、連携しながら教育と研究を進めています。

卒業後は、都市環境の形成にかかわる、民間企業(製造、建設、情報通信など)、コンサルタント(設計、経営など)、シンクタンク、国や自治体、公共企業、教育研究機関、NPO (非営利組織)、ベンチャー企業などで活躍しています。また、専門性を究め、知識と実践力の研鑽を目指して大学院(博士前期課程、博士後期課程)への進学の道もひらかれています。

デザイン学科

私達の生活や生活環境の不具合をとり除き、これを高質で美しいものに創造していくデザインは、今、あらゆる領域で重要視されています。本学科では、生活文化と深く関わりながら、技術と科学に裏打ちされた芸術性・人間性豊かなデザインの実現を標榜した教育と研究を行っています。多様なニーズに柔軟に対応でき、デザイン界をリードして国際的に活躍できる人材の養成をめざしています。

入学された皆さんは、まず、教養教育としての普遍教育科目群、工学教育の基礎としての専門基礎科目群により一般基礎教育を学習します。また同時に、専門教育の基礎となる講義や演習によって、デザインに求められる教養としての知識や技術を身につけます。専門教育においては、2年次から3年次までの2年間にわたって用意された[工業デザイン、トランスポーテーションデザイン、コミュニケーションデザイン、環境デザイン、デザイン科学演習]という5つの演習科目を通して、基礎から応用までの一貫した教育を体系的に学ぶことができます。以上の学習を終えると、4年間の集大成ともいうべき卒業研究、あるいは、デザイン総合プロジェクトを履修します。

皆さんを指導する教員は、平成19年度に一新された大学院組織(デザイン科学専攻デザイン科学コース)における3教育研究領域[生産システム、情報コミュニケーション、環境ヒューマノミクス]に所属しています。そして、11の専門領域[製品デザイン、デザインマネージメント、材料計画、意匠形態学、コミュニケーションデザイン、人間情報科学、デザイン心理学、環境デザイン、人間生活工学、デザイン文化計画、コンテクスチュアルデザイン]を基盤としてお互いに連携を取り合っています。我が国屈指の教員から構成されるいずれの領域においても、人間とその生活行動の安全・安心、生活の質と快適性の向上を目的として、美しい製品やシステムを「探求する」「構想する」「かたちづくる」ことができる高度デザイナーの育成をめざしています。さらに、学部を卒業した半数以上の人達は大学院に進学し、博士前期課程までの6年間、さらには博士後期課程までの9年間の一貫したより高度な勉学に励んでいます。

本学科の卒業生は、自動車、精密機械、家電製品、家具などの製造業、情報産業や地域開発産業等において、企画・設計・開発などの業務を行うデザイナーとして、また、全国デザイン系大学の教員や試験研究機関におけるデザイン研究者として、第一線でめざましい活躍をしています。

機械工学科

全ての工業製品は機械工学によって製作されています。身の回りの日常製品から遠い宇宙空間の製品まで、大型機械から原子サイズの構造物まで、輸送機械、情報機器、医療機械など全てが機械工学による製品です。物理・化学・生物学的な現象を工学に応用し、新しい学問分野を開拓することも機械工学の重要な使命です。工学の最先端を担っているのは機械工学なのです。

機械工学科は大きく4つの領域に分けられます。材料・強度・変形教育研究領域、加工・要素教育研究領域、システム・制御・生体工学教育研究領域、環境・熱流体エネルギー教育研究領域です。材料・強度・変形教育研究領域では、機械に使用する新しい材料の創製・開発や材料特性を評価するための教育と研究を行っています。材料を機械に使用するためには、製品形状に加工しなければなりません。加工・要素教育研究領域では、新しい加工技術の開発研究や、機械を構成するいわゆる機械要素に関する教育と研究を行っています。システム・制御・生体工学教育研究領域では、ロボットや車両、飛行体、福祉支援機器などの機械システムの知能化・自律化を実現することや、生物の最適運動や生命・生体機能におけるメカニズムの工学的応用を目的とする教育と研究を行っています。環境・熱流体エネルギー教育研究領域では、エネルギーの供給・利用・変換に関わる熱・流体工学の教育と研究を行っています。

このように、機械工学は広い領域を網羅しています。受験生の皆さんが取り組みたい学問領域は必ず、機械工学科で取り扱う教育研究領域に含まれるはずです。

本学科はプロの技術者、研究者を育成することを目的としています。そのためには、数学、物理学などの基礎科目を十分に修得したうえで専門科目を学ぶことになります。そこで、基礎的な科目は1、2年次で集中的に学ぶように配慮し、2年次から徐々に専門科目を勉強します。4年次になると各研究室に配属されて前述のいずれかの教育研究領域において、これまでの学習の集大成として卒業研究を行います。

本学科の卒業生は、機械技術者として様々な企業や組織の第一線で活躍しています。近年、本学科卒業生の過半数は、高度な知識と自ら問題解決する能力を養うために、本学あるいは他大学の大学院(博士前期課程)に進学します。さらに最先端な研究を行う教員のもとで、より一層学究を極めるために、博士後期課程に進学する道も用意されています。

メディカルシステム工学科

過去に経験のない超高齢化社会を迎えた我が国では、医療、福祉、健康に関する広範な知識と高い実践力を有する工学技術者が社会から求められています。メディカルシステム工学科では、この社会的要請に応える人材を育成しています。

カリキュラム

工学の基礎となる数学や物理などの基礎科目を低学年で修得した後、高学年になるにつれて情報、電子、システムを柱とする医用工学分野の専門科目群を勉強していきます。また4年生では、専任または兼任教員の研究室に配属され卒業研究を行います。ここでは、研究を通して問題発見能力、問題解決能力、コミュニケーション能力などを総合的に身につけることができます。研究分野の例としては、CT やMRI、超音波、眼底カメラ、内視鏡など、各種診断装置で得られる画像や信号の処理方法や収集方法の研究開発、安全性評価、手術支援機器の開発、高齢者や障害者の生活を保護・介護する機器の研究開発などが挙げられます。

他学科、他学部との連携

医療技術には、学際性・総合性が求められています。そのため、本学科の教育プログラムは、工学部の他学科はもとより、フロンティアメディカル工学研究開発センター、医学部、看護学部、薬学部、理学部など他の教育研究組織と連携し、幅広い視野に立つ医療工学技術者の育成を目指しています。この中には、医学系教員から講義や卒業研究の指導を受ける場合もあり、医療現場を身近に感じながら教育を受けることができます。

卒業後の進路

進学:例年7割前後の4年生が大学院に進学しています。そのほとんどは本学科の上に設置された、人工システム科学専攻メディカルシステムコースに進学しており、これにより、学科から一貫したカリキュラムによる教育が可能になっています。就職:産業界では、医療・福祉系企業はもちろんのこと、電子、情報、通信、精密機械、サービス業、官公庁等の幅広い業種からも人材が求められており、順調に就職しています。

電気電子工学科

電気電子工学は20 世紀後半から急速な発展を遂げ、電気機器、情報通信、電気・ガス、精密機械、運輸、輸送機器、化学プラント、医療機器、公共システムなど、あらゆる工学分野に深く浸透した最重要基盤技術として社会を支えています。現代社会は電気・電子工学の体系に基づいた技術によって支えられていると言っても過言ではありません。本学科では、このような実社会において活躍できるための電気電子工学に関する基礎学問の素養を身につけるとともに、他の分野や工学以外の異なるバックグラウンドの人材と協調して新しい技術を創造できる学際的な素養を持った人材の養成を目指しています。

本学科では、基礎的学問である電磁気学、回路理論を出発点として、高度情報化社会の根幹を担う情報通信の分野から、文明社会を支えるエネルギー変換とその利用技術、および様々な半導体集積回路や材料、最新の電子工学の進展に裏付けられたコンピュータハードウエアやロボット制御に至る分野まで、基礎から応用までの広範な分野の教育・研究を総合的に実践してゆきます。社会の要請なども考慮して、電気電子工学の専門教育を展開して行くと共に、他分野にも向かっていける本当の学際性を涵養し、旧来の電気電子工学の枠にとらわれない視野の広い学生の育成を目標としています。また、これらを可能とするように、他学科や他学部の学生と一緒に学習したり、プロジェクト実習を行う等スケールの大きい教育を実践しています。

本学科の研究組織は、波動応用・電子回路、半導体物性・電子デバイス、電子システム・電力変換・制御、電子情報・通信分野の研究領域から構成され、世界トップレベルの研究教育拠点形成を目指して活発に活動しています。なお、4年次に進級すると研究課題を選択して研究分野に所属し、教育に加え研究の第一線で活躍する教員のもとで知的興味を喚起される卒業研究を行います。

本学科の卒業生は、現代産業に必要不可欠な基盤を担っており、あらゆる産業領域の企業や組織の第一線で活躍しています。さらに、最近では卒業生の70%近くが、高度な知識と自ら問題解決する能力を養うために、本学、あるいは他大学の大学院に進学し、修了後は産業界ばかりでなく公的研究機関などの広い分野で活躍しています。さらにはより一層学究を極めるために博士後期課程に進学する道も用意されており、多くの先輩が第一線の研究者や技術者として活躍しています。

ナノサイエンス学科

「原子を自由に操る」― 物の性質を、その根源から組み上げて意のままに創り出す。近年のナノテクの発展により、これまで不可能であったことが、今まさに実現しようとしています。原理に基づき、現実世界を構築する、大きな可能性を秘めたこの手法は、極微小素子や超高効率素子の開発にとどまらず、単一の分子で働く分子デバイスの開発や、DNAなどの生体分子機能を電子レベルで解明し、利用する研究など、新しい領域を切り拓いています。そこでは、原子・分子レベル(ナノメートルサイズ)で構造を制御し、人工的に構築するための、高度な物理的・物理化学的手法や物性科学・デバイス工学の基礎が不可欠であるばかりでなく、その枠組みを超える学問領域が必要となってきます。このような背景から、「ナノサイエンス学科」が誕生しました。

本学科では、ナノスケールでの電子機能、光機能、表面・界面機能を第一線で研究するナノ物性工学分野の教員が、教育を担当します。さらに、幅広い視野と学問領域の融合を図るために、電気電子工学系、理学(物理・化学)系と密接に連携し、ナノサイエンスに関連するエレクトロニクス、エネルギー、バイオ素子領域への展開を目指しています。

私たちは、ナノサイエンス分野に羽ばたく挑戦者を育てたいと考えています。少人数教育を基本に、教員との密接なコミュニケーションと世界レベルの研究を体験し、専門性、広い視野、柔軟な価値観、国際的活動力をもつ力強い研究者・技術者の育成を目指します。また、入試(後期日程)では、探究心や粘り強さを重視した評価を取り入れるなど、新しい取り組みも行います。

カリキュラムは、専門教育に入る前に、基礎となる教育を行います。1年次では、数学・物理・化学などの工学基礎、2年次では、統計力学、量子力学、応用物理学などの専門基礎を重点的に学び、専門教育への基礎学力と展望が得られるように配慮しています。3年次からは、工学的視点から、ナノメートルサイズで現れる様々な現象の物性物理・物性化学・デバイス物性、分子スケールでの表面・界面の電子・光物性を学び、専門学力を身につけます。4年次では、先端科学研究の体験を通して応用力を強化します。

卒業後は、さらに高度な能力を養うために、大学院へ進学できます。就職先は、ナノテク分野が関連する電機・通信・情報産業、精密機械産業、化学・印刷産業、有機・バイオ関連分野など多様な方面が可能です。

共生応用化学科

21 世紀の「化学」は単に科学技術を発達させるだけでなく、環境を保全しつつ地球資源を有効に活用して人類の真の福祉に貢献することが求められています。そのためには、環境に調和する化学プロセスの開発や、環境に適合した新物質の創製が不可欠です。これには、種々の外部刺激(情報)を捕捉・応答する機能を生体から抽出し、化学的に実用化して、これらを代替あるいは超越する物質やプロセスを開発することで、人類が環境に調和し、他の生物と共生していくことを目指していくという「新しい応用化学」が必要です。このような観点に立脚し、本学科は新しい化学及び化学プロセスの開発を担う人材の養成を目的にしています。

共生応用化学科では、1年半の共通基礎教育の後に、次の3 つのコースのうちのいずれかを選択します。生体の機能を代替あるいは模倣する人工材料の設計と構築に関する教育を行う「生体関連コース」、新しい機能や高度な性能を持つ物質や材料を多角的な視野から開発することなどを学ぶ「応用化学コース」、環境にやさしいプロセスで環境にやさしい物質を作り出す人材の養成を目指す「環境調和コース」です。いずれのコースでも多様な授業科目を履修でき、個性と自主性を重視したカリキュラムとなっています。

3年次後半から配属される研究室には「バイオ機能化学領域」にバイオプロセス化学、バイオマテリアル、生体模倣高分子、環境調和高分子材料、「環境調和分子化学領域」に有機ナノ材料、精密有機化学、環境調和有機合成、エネルギー変換材料化学、「無機・計測化学領域」にセラミックス化学、極限環境材料化学、計測化学、環境化学、「資源プロセス化学領域」に触媒化学、表面電気化学、資源反応工学の計15の研究室があり、さらに、千葉大学分析センターを配属先として選ぶこともできます。セミナーや卒業研究を通じて先端的な研究を行い、基礎と専門の学力及び広い視野を身につけます。

本学科の卒業生は、化学、材料、電子、機械、情報、医薬、エネルギーなど、幅広い産業界での活躍が期待されています。また、より高度な教育・研究を行う大学院(博士前期課程、博士後期課程)が用意されています。

画像科学科

画像科学は、化学・物理はもとより、人間の感性など広範囲にわたる基礎学問体系からなる総合学問領域です。この領域は他大学にはほとんど存在しないユニークな学際領域のため、社会的にもこの分野で広く支持を集め、先導的な役割を果たしてきました。本学科の母体は、長い伝統を誇る印刷・写真・TVですが、様々な新型ディスプレイや電子ペーパーの出現、印刷技術を利用した電子デバイスづくり、ナノメートルサイズの材料を用いた新しい画像素子の提案などにより画像のマテリアルの分野は大きな変貌を遂げようとしています。また、そうした画像マテリアルの進歩にともない、新しく形作られた画像を評価する人間の感性の分野が重要となっています。そこで私たちは、この潮流を牽引し、画像の科学を先導するために、新学科として、画像科学科を創設しました。

本学科のカリキュラムでは、上述の「画像科学」の領域が示すとおり、「化学」「物理」「数学」等の基礎から実験も含めてしっかりと学んでゆくことになります。またこれらの基盤学問領域へ、人間の領域を重ねて、画像科学とそれに立脚した画像工学の基礎教育を行います。具体的には、まず、専門教育に入る前に化学、物理、数学の実験を含む基礎科目や、もの作り・画像作りなどのユニークな実験を通して基礎学力を身につけます。そして専門教育では、段階的にかつ体系的に配列された画像マテリアルや人間の感性を修得して総合的な学力を身につけ、4年次の卒業研究に備えます。4年次には、1年間の卒業研究を行い、最先端の研究に触れることを通して多くの体験を積むことができます。研究の一例として、右図の様な電子ペーパーや新式ディスプレイ、新型レーザー等の研究が挙げられます。

我が国において、画像マテリアルとそれに立脚した工学、そしてそれを利用する人間の感性を取り扱う学科は極めて希有であり、大きな社会的ニーズが伝統的に存在します。従って、ユニークな本学科が提供する知識・技術を習得した卒業生に対しては、画像工学に関わる事務機器メーカー・総合電機メーカー・印刷会社・写真会社、半導体やエネルギー等に関わる電機メーカー・コンピュータ系企業、画像関連の公共企業、等々における専門家や、総合的な画像マテリアル及び画像デバイス設計・創製者としての活躍が期待されています。また、卒業生のうち、80%以上が大学院博士前期(修士)課程に進学し、さらに高度な教育を受け、高度な研究活動を行います。

情報画像学科

グリーンICT、クラウドコンピューティング、拡張現実感などの言葉が次々と生み出されるように、「情報」が現在の私たちの社会の基盤となっています。私たちの周りには、自然環境からの情報、人間が発信する情報、生体からの情報など、様々な情報が流れています。そこでは、情報を数理的に把握する基礎的領域のみならず、それらに整合した知的画像情報処理技術や、それを支えるハードウェア・ソフトウェア技術、通信技術、さらには現代社会で大きな課題となっているセキュリティ技術や信頼性技術はもちろんのこと、リアルタイム処理、携帯性などを実現する組込みシステム技術、電子回路技術の把握など、幅広い領域が関係しています。

情報画像学科では「情報」と「画像」を核とした幅広い領域を体系的に学びます。授業科目は大きく分けて「情報と数理」「情報と物理」「情報と人間」の3本の柱で構成されています。第1の柱「情報と数理」はコンピュータに関する数学やアルゴリズムに関する科目、ハードウェア、ソフトウェアに関する科目、通信ネットワーク、分散システム、セキュリティに関する科目から構成されています。これらの科目によりコンピュータシステムの仕組みを学びます。第2の柱「情報と物理」はアナログ/ ディジタル信号の処理に関する科目、光に関する科目、ディジタル画像処理に関する科目から構成されています。これらの科目により情報や画像の処理・伝送・出力の背景にある物理現象について学びます。第3の柱「情報と人間」は画像・色彩、音・音声に関する科目、人間の画像認識、知識情報処理、生体情報処理、ヒューマンインタフェースに関する科目から構成されています。これらの科目により、情報が人間に伝わる仕組み、情報を効果的に伝える方法について学びます。

情報と画像を融合したこれらの授業科目を受けた人は、人に優しい情報社会を構築する担い手として、産業界の多方面から期待されています。本学科の卒業生は、情報や画像に関わる総合電機メーカ、通信事業者、コンピュータ系企業、ソフトウェア開発企業、映像メディア関連企業等における研究・開発に携わっています。さらに、大学院教育も充実しており、専門的な科目を学び、深い研究活動を行います。これにより、より深い専門知識を修得し、経験を積むことができ、社会のより重要な場面にて活躍することが期待されます。