サステナビリティに関する教育・研究藤川大祐 教授増島麻里子 教授服部克巳 教授環境 ISO 学生委員会のメンバーが3名の学部長・センター長に、各部局でサステナビリティや SDGs への取り組みについてインタビューを行いました。大学院教育学研究科長・教育学部長 教育学部では未来の教育を担う人材を育てるため、実践的な学びを重視しています。教科知識や指導技術に加えて、物事の本質を深く考え、主体的に行動する力を養うことを目指しています。こうした姿勢は、SDGs の「目標4:質の高い教育をみんなに」にも通じており、誰一人取り残さない社会の実現に貢献します。そのためには学生1人ひとりが創造的に考え、主体的に行動することが欠かせません。教育学部では、「AAR サイクル(Action・Assessment・Revision)」を取り入れ、変化の激しい現代社会の中で素早く行動し、その結果を振り返りながら次の改善に生かすという柔軟な姿勢を身につけることで学生が実際の教育現場に即した力を身につけられるよう支援しています。さらに、株式会社 ZOZO との連携によって、学生が学校の枠を超えた課題に取り組む機会を得ており、社会とつながりながら多角的な視野と課題解決力を伸ばしています。教育学部は、こうした実践的な教育を通じて、持続可能な社会を支える教育者を育てています。大学院看護学研究院長・看護学部長・看護学研究科長 現代社会では、医療の進歩や価値観の多様化により、さまざまな健康ニーズが生まれています。看護学部ではこうした変化に対応し、人々の健康と Well-being に貢献できるナース・サイエンティストの育成を進めています。看護師、保健師、助産師のような看護専門職者に加え、「住み慣れた地域でその人らしく暮らす」ことに貢献する看護を科学的に検証し、看護学の発展に寄与する教育研究者としての視点も同時に涵養できることも目指しています。これは、SDGs の「目標3:すべての人に健康と福祉を」にも関連し、生まれてから成長に至る過程、子育てや働き盛りの世代や高齢者、人生の最終段階に至るまで、生老病死のすべてにわたり健やかな生活を支える看護の役割を深く追究します。さらに、災害時支援や新興感染症流行時など社会要請における支援も学びます。看護は身体だけでなく、その人の人生全体を支える点が特徴です。2025 年に創立 50 周年を迎える看護学部は、伝統を大切にしつつ、新たな知識や技術を取り入れ、教育・実践・研究を通じて地域社会への貢献を続けます。環境リモートセンシング研究センター長 環境リモートセンシング研究センターは、工学部の写真・印刷・画像工学分野を前身に発足し、30 周年を迎えました。センターでは「ひまわり」に代表される静止気象衛星や地上観測網のデータを活用し、地球環境課題の解決に取り組んでいます。文部科学省認定の全国唯一のリモートセンシング共同利用・共同拠点として、センシング技術の先端的研究や応用、社会実装等を使命に、国際的な研究を推進しています。現在、先端センシング、環境診断、環境予測、統合解析、社会実装の5つのプログラムを実施し、気候・環境変動、食料問題、災害など SDGs に関わる課題に取り組んでいます。例えば、「ひまわり」データで陸域の植生変動や線状降水帯など極端気象現象を予測し、環境変動への提言や災害軽減に役立てています。地球観測ビッグデータ・AI での予測技術や気象制御、災害情報のリアルタイム共有で被害を減らし、リモートセンシング技術の社会実装を通じてレジリエント(強靭)な世界の構築を目指しています。インタビュー・編集担当:佐藤朋(教育学部2年)、吉田優月(教育学部1年)、堀田陸生(工学部2年)、板垣聖莉(薬学部1年)、名取美歩(工学部2年)、山口結心(園芸学部2年)11学部長・センター長に聞く!
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