千葉大学サステナビリティレポート2025
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環境的側面によるサステナブルな取り組み※12024 年度に新設した工学・情報学系講義棟は、西千葉キャンパス工学系エリア再開発の第一弾として整備された新築校舎です。平行配置の既存の建物群を活かしつつ、弥生通りに沿った学生活動ゾーンに建物を配置しています。立体的な動線や屋外階段を設けることで、学生が自然とつながる居場所を随所に生み出すとともに、環境的にも将来的なグリーンインフラに寄与する「キャンパスコモン」(みんなの共有スペース)を形成しています。テラスやバルコニーなどの半屋外空間を外装に取り込み、雨どいルーバーや深いひさしで西日を遮るなど、自然光や雨水を活かしながら ZEB Ready 相当の省エネ性能を確保しています。エキシビションギャラリーやイノベーションシアターなどの開かれた学びの場が、学内外の交流を促し、活動がキャンパス全体に広がります。この講義棟は、自然と共生しながら環境負荷を抑え、新たな発見や協働を誘発する、持続可能なキャンパス空間のモデルを目指しています。 環境 ISO 学生委員会では、学内の景観美化と緑化を目的に「育てて緑化フラワープランター」企画を毎年実施しています。希望する部局に対して、プランターや苗、鉢、底石、土、栽培マニュアルを一式貸し出し、教職員が建物入口など人目につきやすい場所で花を育てます。2024 年度は学内の 12 部局にパンジー302 株を配布し、秋から春にかけて長い期間花を咲かせ、学内の景観向上に貢献しました。 亥鼻キャンパスの看護学部中庭に設置されている「看芸ガーデン」は、看護学部と園芸学部が協力して運営しています。看護学生が園芸作業を体験し植物の療法的効果を実感することを目的とした学びと癒しの場です。2024 年度後半は「パステルカラーの季節に向けて」をテーマに、冬枯れの景色に暖かさを添え、学生や教職員に癒しを届けるとともに、春には新入生を明るく迎え入れる花壇をデザインしました。このガーデンは、現在では亥鼻キャンパスの人気フォトスポットにもなっています。 環境 ISO 学生委員会では、夏季の空調使用抑制とキャンパスの緑化を目的に、学際研究棟の壁面に「緑のカーテン」を設置しています。2024 年度は4月から 11 月にかけてゴーヤを植え、学生が水やりや肥料まき、雑草除去、摘芯・誘引などの手入れを行いました。夏場の猛暑の影響で一部成長に差が出たものの、青々とした緑のカーテンが日陰をつくり、涼しげな景観を生み出しました。環境と共生する講義棟の新築 ― キャンパスコモンの新しい形「育てて緑化フラワープランター」で学内の景観向上に貢献健康と園芸のつながりを学ぶ「看芸ガーデン」緑のカーテン設置で省エネと景観美化を推進緑のカーテン南西外観:厚みのある外皮による居場所と環境の形成色とりどりの花が景観を彩るやわらかい色合いの花々編集担当:花岡希義(法政経学部3年)、蛭田愛海(法政経学部3年)※1 ZEB Ready とは、建物のエネルギー消費量を 50%以上削減できる高い省エネ性能を備え、将来的にエネルギー収支ゼロを目指せる状態のこと※1 ZEB Ready とは、建物のエネルギー消費量を 50%以上削減できる高い省エネ性能を備え、将来的にエネルギー収支ゼロを目指せる状態のこと千葉大学は豊かな緑を活かして、環境や自然と共生する持続可能なキャンパスを目指しています。21自然共生キャンパスを目指す取り組み〜ネイチャーポジティブ〜

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