千葉大学サステナビリティレポート2025
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環境的側面によるサステナブルな取り組み※2※1 ※2※2※1 ※2※4 千葉大学では、各研究室において化学物質を適正に管理・使用し、環境への影響を最小限に抑えるために「ククリス(CUCRIS:Chiba University Chemical Registration Information System)」を活用しています。2007 年度に導入され、化学物質の購入時の登録からリスクアセスメント、重量管理、廃棄までを一元管理するシステムで、現在では約 95%という高い稼働率を維持しています。また、年2回「化学物質の管理状況点検」を行い、試薬・薬品などの管理状況を確認しているほか、大学の環境マネジメントシステムの中でも、研修での周知・チェックシートによる自己点検、環境 ISO 内部監査での現場確認など、化学物質の管理徹底の確認を行っています。 千葉大学では、環境に影響を及ぼす可能性のある PRTR 法対象物質(515物質)の使用量を集計しています。大半の試薬や薬品をククリスに登録することで、効率的なデータ管理を実現しています。2024 年度の PRTR 法の対象物質のうち、使用(排出・移動)量が 100 ㎏以上のものは表の通りです。PRTR データは全国で集計され、化学物質のリスク(エコチル調査 など環境リスク評価)に関する疫学調査などにも活用されています。 千葉大学では、望まない受動喫煙を防ぐため、原則として敷地内を全面禁煙としています。健康増進法改正に伴い「特定屋外喫煙場所」を設置していますが、松戸地区と柏の葉地区に各1カ所設けているのみで、西千葉・墨田・亥鼻・附属病院地区は完全禁煙です。12 月には環境 ISO 学生委員会が、路上喫煙や隠れ喫煙がないかどうかの巡回を行いました。また、総合安全衛生管理機構では、健康診断時に喫煙者へ啓発パンフレットを配布し、「禁煙支援外来」を通じて禁煙をサポートするなど、喫煙率低下に向けた支援を続けています。 千葉大学では定期的に下水排水の自主検査を行っています。2024 年度は亥鼻地区で、医学部系統で水素イオン濃度(pH)が、看護学部系統で BOD(生物化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質量)、ノルマルヘキサン(動植物油類)、水銀、フェノール、亜鉛などが基準値を超過しましたが、総合安全衛生管理機構から是正勧告後に改善を確認済みです。松戸地区では 2023 年度末に松戸市の立ち入り検査で全りん・全窒素の基準値超過の指摘を受けており、市へ改善計画を提出するとともに対策を実施し、現在は基準値内です。柏の葉地区ではノルマルヘキサン(動植物油類)の超過がありましたが改善済みです。西千葉地区と亥鼻地区の病院系統では年間通じて基準超過はありませんでした。 環境 ISO 学生委員会では、西千葉キャンパス・松戸キャンパスを巡回し、ゴミ拾いを行うとともに、放置自転車や危険物など環境を損なう要因がないかを点検する活動を年に1回実施しています。千葉大学化学物質管理システム「ククリス」の運用PRTR 法 対象化学物質の管理と集計受動喫煙防止と禁煙支援の取り組み下水排水の自主検査の実施安全確保のため学生が環境点検実施PRTR 法対象物質使用 ( 排出・移動 ) 量管理番号対象物質名80キシレン127クロロホルム186ジクロロメタン392ヘキサン411ホルムアルデヒド674テトラヒドロフラン※1 西千葉地区における届出対象物質※2 亥鼻地区における届出対象物質内部監査の様子単位:kg入量残量使用量5497106144375533247730562814934188081821963621917721488285677478198人体や環境に悪影響を及ぼす化学物質や下水排水、受動喫煙対策に関して取り組んでいます。23※3※3 PRTR 法:特定化学物質の環境への排出量の把握および管理の改善の促進に関する法律の通称。※4 エコチル調査:環境省が 2010 年から実施している大規模な疫学調査   「子どもの健康と環境に関する全国調査」安心安全キャンパスを目指す取り組み

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