千葉大学サステナビリティレポート2025
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はじめに※3編集担当:前橋美佑(国際教養学部3年)、蛭田愛海(法政経学部3年) 千葉大学では、文理や専門分野の垣根を越えて多様な分野を学べる履修体系を整え、学際的に現代的課題に取り組む副専攻やバンチプログラムを提供しています。さらに、身につけた知識やスキルを電子的に証明する「オープンバッジ」制度も導入しています。2024 年度には新たに以下の2つの履修プログラムがスタートしました。 「環境サステナビリティ実践学」は、地球規模および地域社会が直面する多様な環境課題を、文理横断的・学際的な視点から捉え、協調・協働しながら主体的・実践的に解決に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献できる「環境課題解決人材」を育成する、学部生を対象としたプログラムです。普遍教育科目と専門教育科目を横断したカリキュラムを通じて、「課題発見力」「課題解決のための立案力」「解決策を実行するための実践力」の3つの力を体系的に養成します。地球環境や資源、エネルギーなどに関する科学的知見を深めつつ、社会制度や経済的・技術的観点からの分析力を磨き、環境法や環境経済、公共政策なども学びます。さらに、PBL(課題解決型学習)やインターンシップなどの実践活動を通じて、プロジェクトマネジメント力、発信力、リーダーシップなどの実務能力を身につけます。 「ソーシャル・イノベーション・プログラム」は、経済格差や環境問題などのグローバルな社会課題に対応し、VUCA 時代において、新たな価値を創造し課題を解決できる次世代型人材の育成を目指す、大学院生を対象としたプログラムです。Society 5.0 の実現を背景に、デジタル技術の活用と倫理感を基盤とした実践知の獲得を重視し、専門分野を超えた学びを通じて多角的視野を養います。具体的には、学際的な知識をもとに発信する「学際性」、知識を連携させて課題解決を導く「連係力」、情報技術を活用する「データ力」、学んだ知識を社会に実装する「実装力」、自ら計画を実行する「主体性」などを身につけ、変化の激しい時代において国際的に活躍できるリーダーの素養を育てます。 「環境サステナビリティ実践学」では、3つの必修科目を設けています。その一つが、2024 年度に新たに開講した「企業における環境サステナビリティ」です。この科目では、企業が取り組む環境保全や社会貢献活動(製品開発、技術革新、教育、CSR など)をテーマに、環境サステナビリティの社会的意義や経営戦略上の役割について理解を深めます。さらに、持続可能な社会の実現に向けた実務知識の習得とキャリア形成の視点を育むことを目的に、企業などで活躍する社会人による講演やディスカッションを取り入れています。2024 年度にはおよそ 600 名の学生が履修しており、学生の高い関心がうかがえる人気科目となっています。コラム 必修科目「企業における環境サステナビリティ」を約 600 名が履修全学副専攻プログラム ・バンチプログラム の新設環境サステナビリティ実践学ソーシャル・イノベーション・プログラム教室に入りきらない 100 名ほどはオンラインで受講詳細はこちらオープンバッジ詳細はこちらオ プンバ ジオープンバッジ詳細はこちら※1副専攻プログラム:主専攻とは別に、関心のある他分野の知識を体系的に学べる制度。指定科目を履修し、修了要件単位数を満たすと修了証明書とオープンバッジを取得できる。 ※2 バンチプログラム:特定のテーマに沿って複数の授業をまとめて履修できる小規模な履修パッケージ。修了要件単位数を満たすとオープンバッジを取得できる。※3 VUCAとは、変動性 (Volatility)・不確実性 (Uncertainty)・複雑性 (Complexity)・曖昧性 (Ambiguity) が高く、将来予測が困難な現代社会の状況を表す言葉。4※1※2TOPICS 環境

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