○国立大学法人千葉大学放射線障害予防規程
(平成16年4月1日)
改正
平成17年11月1日
平成19年4月1日
平成21年4月1日
平成24年12月1日
平成25年4月1日
平成25年12月1日
平成26年10月1日
平成27年4月1日
平成28年4月1日
平成29年4月1日
平成30年4月1日
令和元年8月1日
令和元年9月1日
令和2年4月1日
令和3年4月1日
令和3年8月1日
令和4年4月1日
令和5年4月1日
令和5年6月1日
令和5年10月1日
令和6年2月1日
令和6年7月1日
令和7年4月1日
目次
第1章　総則(第1条－第4条)
第2章　組織及び職務(第5条－第20条)
第3章　施設の維持及び管理(第21条－第27条)
第4章　使用(第28条－第34条)
第5章　保管，運搬及び廃棄(第35条－第43条)
第6章　測定(第44条－第47条)
第7章　教育及び訓練(第48条)
第8章　健康管理(第49条－第53条)
第9章　記録(第54条)
第10章　災害時及び危険時の措置(第55条－第57条)
第11章　情報提供(第58条)
第12章　業務の改善(第59条)
第13章　報告(第60条)
第14章　雑則(第61条－第65条)
附則

第1章　総則
(目的)
第1条　この規程は，放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「RI規制法」という。)， 電離放射線障害防止規則（昭和47年労働省令第41号）その他の法令等に定めるもの及びこれらに基づく告示，通知等（以下「関係法令」という。）に基づき，国立大学法人千葉大学(以下「本学」という。)における放射性同位元素等及び放射性汚染物の取扱い及び管理に関する事項を定め，これらによる放射線障害の発生を防止し，及び公共の安全を確保することを目的とする。
(適用範囲)
第2条　この規程は，本学における放射性同位元素等及び放射性汚染物を取り扱うすべての者に適用する。
(定義)
第3条　この規程において，次の各号に掲げる用語の定義は，それぞれ当該各号に定めるとおりとする。
一　放射性同位元素　RI規制法第2条第2項に規定する放射性同位元素をいう。
二　放射性同位元素装備機器　RI規制法第2条第4項に規定する放射性同位元素装備機器をいう。
三　表示付認証機器　放射性同位元素装備機器のうちRI規制法第12条の5第2項に規定する表示付認証機器をいう。
四　放射線発生装置　RI規制法第2条第5項に規定する放射線発生装置及び加速電圧100万電子ボルト以上の電子顕微鏡をいう。
五　小規模放射線発生装置　100万電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線又はエックス線の発生装置をいう。ただし，電子顕微鏡その他装置の外部に電子線又はエックス線を放出することを目的としない装置で，学長が別に指定するものを除く。
六　放射性同位元素等　放射性同位元素，放射性同位元素装備機器(表示付認証機器を含む。)，放射線発生装置及び小規模放射線発生装置をいう。
七　放射化物　放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物をいう。
八　放射性汚染物　放射性同位元素によって汚染された物及び放射化物をいう。
九　管理区域　外部放射線に係る線量が原子力規制委員会が定める管理区域に係る線量限度を超え，空気中の放射性同位元素の濃度が原子力規制委員会が定める空気中濃度限度の10分の1を超え，又は放射性同位元素によって汚染される物の表面の放射性同位元素の密度が原子力規制委員会が定める表面密度限度の10分の1を超えるおそれのある場所として部局長が指定する区域をいう。
一〇　使用施設等　放射性同位元素等の使用施設及び貯蔵施設並びに放射性同位元素及び放射性汚染物の廃棄施設をいう。
一一　放射線取扱等業務　放射性同位元素等及び放射性汚染物の取扱い(使用，保管，運搬及び廃棄をいう。)，管理又はこれに附随する業務をいう。
一二　従事者　放射線取扱等業務に従事するために，放射性同位元素等従事者名簿への登録を受けた者をいう。
一三　一時立入者　従事者以外の者で一時的に管理区域に立ち入る者をいう。
一四　部局　教育学部，理学研究院，工学研究院，園芸学研究院，医学研究院，薬学研究院，医学部附属病院，真菌医学研究センター，共用機器センター，ソフト分子活性化研究センター，フロンティア医工学センター，環境健康フィールド科学センター，災害治療学研究所，アイソトープ実験施設，未来粘膜ワクチン研究開発シナジー拠点及び総合安全衛生管理機構をいう。
一五　部局長　前項に掲げる部局の長をいう。
(法令等の遵守義務)
第4条　従事者及び一時立入者(以下「従事者等」という。)は，関係法令及びこの規程を遵守し，放射線取扱主任者，安全管理責任者，施設管理責任者，放射線取扱責任者，エックス線作業責任者及び表示付認証機器作業責任者の指示に従わなければならない。
第2章　組織及び職務
(学長の責務)
第5条　学長は，本学における放射線障害の防止及び安全の確保に関し最終責任者として総括する。
(部局長の責務)
第6条　部局長は，当該部局が有する使用施設等における放射線障害の防止及び安全の確保に関し総括する。
2　部局長は，当該部局が有する使用施設等を使用する全ての従事者等に対し，放射線障害の防止及び安全の確保に関する責務を負う。
3　部局長は，当該部局に所属し，他部局(他部局が有する使用施設等を含む。)において第28条第1項に規定する登録を受けた従事者について，当該従事者に係る第45条から第47条まで及び第49条から第53条までに規定する事項について，放射線障害の防止及び安全の確保に関し総括する。
4　部局長は，放射線障害の防止に関し，第9条に規定する放射線取扱主任者(以下「主任者」という。)，安全管理責任者及び放射線取扱責任者の意見具申並びに施設管理責任者の報告を尊重しなければならない。
5　部局長は，第7条に規定する放射性同位元素委員会がこの規程に基づき行う答申又は意見具申を尊重しなければならない。
6　部局長は，第8条に規定する部局委員会がこの規程に基づき行う答申又は意見具申を尊重しなければならない。
7　部局長は，主任者に対して法令で定められた次に定める期間毎に定期講習を受講させなければならない。
一　主任者として選任された日から1年以内(主任者選任日の前1年に受講したものは，その受講日の翌年度の開始から3年以内)
二　主任者選任後，定期講習を受講した者にあっては，当該受講日の翌年度の開始日から3年以内
(放射性同位元素委員会)
第7条　学術研究・イノベーション推進機構に，本学における放射性同位元素等を使用する教育研究の推進並びに放射性同位元素等及び放射性汚染物による放射線障害の防止の適切な実施をはかることを目的として，放射性同位元素委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2　委員会に関し必要な事項は，別に定める。
(部局委員会)
第8条　部局の長は，当該部局における前条第1項の目的を達するため，当該部局に放射性同位元素委員会(以下「部局委員会」という。)を設置しなければならない。
(放射線取扱主任者)
第9条　部局長は，当該部局におけるRI規制法第3条の許可を受け，又はRI規制法第3条の2の届出を行った使用施設等の放射線障害の発生の防止について必要な指導監督を行わせるため，放射性同位元素等の使用の内容に応じ，当該使用施設等における従事者の職員で，第1種又は第2種の放射線取扱主任者免状を有する者のうちから，主任者を少なくとも1名選任しなければならない。
2　主任者は，使用施設等における放射線障害の防止に関し，次の事項について指導監督を行うほか，部局長への意見の具申を行う。
一　部局ごとに定めた予防規程及び下部規程の制定及び改廃への参画
二　放射線障害防止上重要な計画作成への参画
三　教育訓練の計画等に対する指導及び指示
四　危険時の措置等に関する対策への参画
五　法令に基づく申請，届出及び報告の確認・審査
六　立入検査等の立会い
七　異常及び事故の原因調査への参画
八　施設の使用状況等及び帳簿，書類等の確認・審査
九　従事者への監督・指導
一〇　関係者への助言，勧告及び指示
一一　部局委員会の開催の要求
一二　その他放射線障害防止に関する必要事項
3　主任者及び次条に規定する安全管理責任者(以下「安全管理責任者」という。 )は，従事者が関係法令，部局ごとに定めた予防規程若しくは主任者及び安全管理責任者の指示等に違反し，又は取扱能力に欠けると認められる場合は，当該従事者の放射線取扱等業務を制限し，又は許可を取り消すことを部局長に勧告することができる。
4　部局長は，主任者が主任者たるに適しないと認めるときは，当該主任者を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(安全管理責任者)
第10条　部局長は，当該部局の職員で主任者となる資格を有する者のうちから安全管理責任者を選任し，使用施設等に置くものとする。
2　安全管理責任者は，放射性同位元素等及び放射性汚染物管理に関する業務を総括する。
3　安全管理責任者は，前項の規定により総括した結果を，部局長及び主任者に報告しなければならない。
4　部局長は，安全管理責任者が安全管理責任者たるに適しないと認めるときは，当該安全管理責任者を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(安全管理担当者)
第11条　安全管理責任者は，当該部局の職員で主任者に準ずる能力を有する者のうちから安全管理担当者を選任し，部局長に報告しなければならない。
2　安全管理担当者は，主任者及び安全管理責任者との連携を密にし，次の業務を行う。
一　管理区域に立ち入る者の入退域，放射線被曝及び放射性汚染の管理
二　管理区域内外に係る放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況の測定
三　放射線測定器の保守管理
四　放射性同位元素等の使用，受入れ，払出し，保管，運搬及び廃棄に関する管理
五　放射線作業の安全に係る技術的事項に関する業務
六　従事者に対する教育及び訓練計画の立案及びその実施
七　従事者に対する健康診断計画の立案及びその実施
八　放射性廃棄物の保管管理及びそれらの処理に関する業務
九　前8号に規定する業務に関する記帳・記録の管理
一〇　関係法令に基づく申請，届出等の事務手続き，その他関係省庁との連絡等，事務的事項に関する業務
一一　その他放射線障害防止に必要な業務
3　前項の業務及びこれらに係る改善措置は，必要に応じ，外部業者に請け負わせることができる。
4　安全管理責任者は，安全管理担当者が安全管理担当者たるに適しないと認めるときは，当該安全管理担当者を解任することができる。この場合において，安全管理責任者は，解任理由を明らかにしなければならない。
(施設管理責任者)
第12条　部局長は，当該部局の職員で主任者となる資格を有する者のうちから施設管理責任者を選任し，使用施設等に置くものとする。
2　施設管理責任者は，使用施設等の維持及び管理を総括する。
3　施設管理責任者は，前項の規定により総括した結果は，部局長及び主任者に報告しなければならない。
4　部局長は，施設管理責任者が施設管理責任者たるに適しないと認めるときは，当該施設管理責任者を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(施設管理担当者)
第13条　施設管理責任者は，当該部局の職員で主任者に準ずる能力を有する者のうちから施設管理担当者を選任し，部局長に報告しなければならない。
2　施設管理担当者は，主任者及び施設管理責任者との連携を密にし，必要に応じて次に掲げる業務を行う。
一　施設の保守管理及び設備の運転・保守管理
二　給排気設備，給排水設備の運転及び維持管理に関する業務
三　作業環境の保全
四　排水設備の運転
五　排気設備の運転
六　空調設備の運転
七　その他施設・設備の維持及び管理に必要な業務
3　施設管理責任者は，施設管理担当者が施設管理担当者たるに適しないと認めるときは，当該施設管理担当者を解任することができる。この場合において，施設管理責任者は，解任理由を明らかにしなければならない。
(放射線取扱責任者)
第14条　当該部局におけるRI規制法第3条の許可を必要とせず，RI規制法第3条の2の届出を行わない使用施設等を有する部局の部局長は，放射線障害の発生の防止について必要な指導監督を行わせるため，使用施設等ごとに，当該部局の職員で主任者に準ずる能力を有すると認められる者のうちから，放射線取扱責任者1名を選任しなければならない。
2　放射線取扱責任者は，部局長が第6条第1項から第3項までに規定する責務を果たすために，必要な監督指導及び助言を行い，必要と認めるときは，従事者等に対し必要な指示を行い，部局長に対し意見を述べることができる。
3　部局長は，放射線取扱責任者が放射線取扱責任者たるに適しないと認めるときは，当該放射線取扱責任者を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(放射線取扱副主任者及び放射線取扱副責任者)
第15条　部局長は，主任者又は放射線取扱責任者となる資格を有する者のうちから，放射線取扱副主任者(以下「副主任者」という。)又は放射線取扱副責任者を選任するものとする。
2　副主任者及び放射線取扱副責任者は，主任者又は放射線取扱責任者を補佐し，主任者又は放射線取扱責任者が旅行，疾病その他事故によりその職務を行うことができないときは，あらかじめ部局長が定める順序に従い，その期間中主任者又は放射線取扱責任者の職務のすべてを代行する。
3　部局長は，副主任者及び放射線取扱副責任者が副主任者及び放射線取扱副責任者たるに適しないと認めるときは，当該副主任者及び放射線取扱副責任者を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(エックス線作業責任者)
第16条　部局長は，小規模放射線発生装置のうち，エックス線装置(診療用エックス線装置を除く。以下この条において同じ。)の外側に管理区域を指定して使用するときは，管理区域ごとにエックス線作業主任者免許を受けた者のうちから，エックス線作業責任者1名を選任しなければならない。ただし，エックス線装置の外側に管理区域の指定を要しないエックス線装置においては，装置ごとにエックス線作業主任者に準ずる能力を有する者のうちから，エックス線作業責任者を選任することができる。
2　エックス線作業責任者は，部局長が第6条第1項から第3項までに規定する責務を果たすために，必要な監督指導及び助言を行い，必要と認めるときは，従事者等に対し必要な指示を行い，部局長に対し意見を述べることができる。
3　部局長は，エックス線作業責任者がエックス線作業責任者たるに適しないと認めるときは，当該エックス線作業責任者を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(表示付認証機器作業責任者)
第17条　部局長は，表示付認証機器を使用するときは，使用施設等ごとに，当該部局の職員で主任者に準ずる能力を有すると認められる者のうちから，表示付認証機器作業責任者1名を選任しなければならない。
2　表示付認証機器作業責任者は，部局長が第6条第1項から第3項までに規定する責務を果たすために，必要な監督指導及び助言を行い，必要と認めるときは，従事者等に対し必要な指示を行い，部局長に対し意見を述べることができる。
3　部局長は，表示付認証機器作業責任者が表示付認証機器作業責任者たるに適しないと認めるときは，当該表示付認証機器作業責任者を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(検査員)
第18条　部局長は，当該部局における放射性同位元素装備機器(表示付認証機器を含む。)，放射線発生装置及び小規模放射線発生装置のうちエックス線装置の管理を行わせるため，当該部局の職員で当該装置の検査について十分な知識及び技能を有する者(装置の外側に管理区域を指定して使用するエックス線装置の検査に対しては，エックス線作業責任者)のうちから検査員を選任しなければならない。ただし，検査員に選任すべき職員がいない場合は，専門機関に委託することができるものとする。
2　検査員は，前項に規定する機器及び装置を管理するための安全性の確認のための定期検査等を行い，その結果を部局長に報告しなければならない。
3　部局長は，検査員が検査員たるに適しないと認めるときは，当該検査員を解任することができる。この場合において，部局長は，解任理由を明らかにしなければならない。
(選任等の通知及び報告)
第19条　部局長は，前10条の規定に基づく選任又は解任は，文書で本人に通知しなければならない。
2　部局長は，主任者若しくは副主任者，安全管理責任者，施設管理責任者，放射線取扱責任者若しくは放射線取扱副責任者，エックス線作業責任者又は表示付認証機器作業責任者を選任し，又は解任したときは，遅滞なく学長に報告しなければならない。
3　学長は，主任者の選任又は解任に関する報告を受けた場合及び第15条第2項の規定に基づく代行の期間が30日間以上に及ぶ場合は，原子力規制委員会に届出を行わなければならない。
(安全管理組織)
第20条　本学における放射性同位元素等及び放射性汚染物の取扱い及び安全管理に従事する者に関する組織は，別表1のとおりとする。
第3章　施設の維持及び管理
(管理区域)
第21条　安全管理責任者は，担当する管理区域に次に定める者以外の者を立ち入らせてはならない。
一　従事者として登録された者
二　一時立入者として主任者又は安全管理責任者が認めた者
2　施設管理責任者は，管理区域の入口の目につきやすい場所に取扱いに係る注意事項を掲示し，管理区域に立ち入る者に次条に定める事項を遵守させなければならない。
(管理区域における遵守事項)
第22条　管理区域に立ち入る者は，次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一　定められた出入口から出入りすること。
二　管理区域への立入り及び退出，放射性同位元素等及び放射性汚染物の取扱い等を記録すること。
三　専用の作業衣，作業靴その他必要な保護具等を着用し，かつ，これらのものを着用してみだりに管理区域の外へ出ないこと。
四　個人線量計を指定された位置に装着すること。
五　管理区域内において飲食，喫煙，化粧等の被曝のおそれのある行為を行わないこと。
六　放射性同位元素を体内摂取したとき又はそのおそれがあるときは，直ちに安全管理担当者に連絡し，その指示に従うこと。
七　管理区域から退出するときは，身体，衣服等の汚染検査を行い，汚染が検出された場合は，安全管理担当者に連絡するとともに，直ちに除染のための措置をとり，汚染除去が困難な場合は，主任者及び安全管理責任者に連絡し，その指示に従うこと。
八　従事者は，主任者及び安全管理責任者が放射線障害を防止するために行う指示その他施設の保安を確保するための指示に従うこと。
九　一時立入者は，主任者，安全管理責任者，施設管理責任者及び従事者が放射線障害を防止するために行う指示その他施設の保安を確保するための指示に従うこと。
一〇　一時立入者は，単独では行動せず，常時従事者とともに行動すること。
2　従事者は，第1項に定める事項のほか，次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一　放射線取扱等業務経験の少ない場合は，単独で取扱作業を行わないこと。
二　使用線源に適したしゃへい体等により，しゃへいを行うこと。
三　使用線源に応じて，線源との間に適切な距離を設けること。
四　作業時間をできるだけ少なくすること。
(施設点検)
第23条　施設管理担当者は，RI規制法第3条の許可を受け，又はRI規制法第3条の2の届出を行った使用施設等にあっては各部局において定める自主点検項目について，RI規制法第3条の許可を必要とせず，RI規制法第3条の2の届出を行わない使用施設等にあっては表示付認証機器又は小規模放射線発生装置の所在及び状態並びに各部局において定める自主点検項目について，定期的に施設の巡視及び点検を行わなければならない。
2　施設管理担当者は，前項の巡視及び点検の結果を施設管理責任者に報告しなければならない。
3　施設管理担当者は，第1項の巡視及び点検の結果，異常を認めたときは，その状況及び原因を調査し，必要な応急措置を講ずるとともに，施設管理責任者に通報しなければならない。
4　前項の通報を受けた施設管理責任者は，主任者を経由して部局長に報告しなければならない。
5　部局長は，前項の報告のうち，当該部局で対処できない異常については，学長に報告しなければならない。
(安全管理点検)
第24条　部局長は，部局において定める自主点検項目について，安全管理責任者を通じて安全管理担当者に放射線測定器類や安全管理用具等の点検項目について定期的に自主点検を行わせなければならない。
2　安全管理担当者は，前項の自主点検の結果を安全管理責任者に報告しなければならない。
3　安全管理担当者は，第1項の自主点検の結果，異常を認めたときは，修理等必要な措置を講じるとともに，安全管理責任者に報告しなければならない。
4　安全管理責任者は，前項の報告を受けたときは，その報告結果を取りまとめて，主任者を経由して部局長に報告しなければならない。
5　部局長は，前項の報告のうち，当該部局で対処できない異常については，学長に報告しなければならない。
(修理，改造等)
第25条　施設管理責任者及び安全管理責任者は，それぞれ所管する設備，機器等について，修理，改造，除染，更新等を行うときは，その実施計画を作成し，部局長及び主任者の承認を受けなければならない。ただし，保安上の影響が特に軽微であると認められるものについてはこの限りではない。
2　部局長は，前項の承認を行うに当たって，必要があると認めるときは，その安全性，安全対策等について部局委員会に諮問することができる。
3　施設管理責任者及び安全管理責任者は，第1項の修理，改造，除染，更新等を終えたときは，その結果について主任者を経由して部局長に報告しなければならない。
4　部局長は，前項の報告を受けたときは，学長に報告しなければならない。ただし，保安上の影響が特に軽微であると認められるものについてはこの限りではない。
(使用施設等の新設，改廃等)
第26条　部局長は，使用施設等(小規模放射線発生装置の使用施設，貯蔵施設及び廃棄施設を除く。以下この条及び次条において同じ。)を設置しようとするとき，既設の使用施設等に係る次の事項を変更しようとするとき又は既設の使用施設等を廃止しようとするときは，その実施計画を作成し，学長に申請し，承認を得なければならない。
一　放射性同位元素の種類及び数量
二　放射性同位元素装備機器(表示付認証機器を含む。)及び放射線発生装置の種類，台数及び性能
三　使用の目的及び方法
四　使用の場所
五　使用施設等の位置，構造，設備及び貯蔵能力
2　部局長は，小規模放射線発生装置の使用施設，貯蔵施設又は廃棄施設を設置しようとするときは，あらかじめ，前項各号に掲げる事項及び使用開始予定時期を学長に届け出なければならないものとし，届け出た事項を変更しようとするとき又は廃止しようとするときも同様とする。
3　学長は，第1項の申請があった場合において，放射性同位元素等を使用する教育研究の推進並びに放射性同位元素等及び放射性汚染物による放射線障害の防止の適切な実施のために必要と認めるときは，委員会に意見を聴くことができる。
4　部局長は，第1項の申請に係る設置が完了し，又は使用施設等を廃止したときは，遅滞なく学長に報告しなければならない。
5　学長は，前項の報告があった場合において必要と認めるときは，委員会に命じ，使用施設等及び廃止後の施設の状況等について調査させることができる。
(立入調査等)
第27条　委員会は，使用施設等の維持・管理の状況及び使用施設等の廃止後の状況について，定期的に立入調査及び点検を行う。この場合において，委員会の委員長は，あらかじめ当該使用施設等を有する部局の部局長に通知しなければならない。
2　委員長は，前項の立入調査及び点検の結果，改善の必要があると認めたときは，当該部局の部局長，主任者及び安全管理責任者に対し通告するものとする。
3　部局長は，前項の通告があった場合は，直ちに必要な措置を講じなければならない。
4　部局長は，第2項の通告のうち，当該部局で対処できない異常については，学長に報告しなければならない。
第4章　使用
(従事者の登録)
第28条　放射性同位元素等及び放射性汚染物を取り扱おうとする者は，あらかじめ部局委員会委員長の同意を得て部局長に申請し，放射性同位元素等従事者名簿への登録を受けなければならない。
2　前項の登録は，RI規制法第3条の許可を受け，若しくはRI規制法第3条の2の届出を行った使用施設等又はRI規制法第3条の許可を必要とせず，RI規制法第3条の2の届出を行わない使用施設等ごとに受けなければならない。
第29条　前条第1項により登録の申請をした者は，既に他の施設について登録を受けている場合を除き，部局長の指示に従い，第49条に規定する健康診断を受けなければならない。
2　部局長は，前項の健康診断において可とされた者であって，第48条に定める必要な教育及び訓練を終了した者に限り登録するものとする。
3　前項の登録の有効期間は，登録を受けた年度内とし，更新を妨げない。更新に際しては，第1項に規定する登録のための健康診断の受診を要しない。
4　部局長は，登録した者及び登録を更新した者の氏名を登録又は登録の更新後遅滞なく主任者及び安全管理責任者に通知しなければならない。
(密封されていない放射性同位元素の使用)
第30条　従事者が密封されていない放射性同位元素(以下「非密封放射性同位元素」という。)を取り扱う場合は，安全管理責任者の管理のもとに，次の各号に掲げる事項を厳守して，人体の受ける放射線の量をできるだけ少なくするようにしなければならない。
一　非密封放射性同位元素の使用は，作業室にて行い，許可使用数量を超えないこと。
二　使用目的に応じて放射線障害の発生するおそれの最も少ない使用方法を採用し，かつ，その種類及び性状のものを選ぶこと。
三　主任者によって示された1日，3月及び年間最大使用数量を超えて放射性同位元素を使用しないこと。
四　汚染は，不可避のものと考え，汚染及び汚染の拡大を防止するため，次に掲げる事項を守ること。
イ　作業台には，ビニール，シート，広幅濾紙等適当な表面被覆を行うこと。
ロ　作業室は，つねに整理・整頓し，必要以上の測定器，器具類を持ち込まないこと。
ハ　作業室に立ち入る場合は，専用の作業衣及び履物を使用すること。
ニ　原則としてゴム手袋等を使用すること。
ホ　使用中，しばしば手，作業衣等の汚染の有無を検査し，汚染を発見したときは，直ちに除去，脱衣等の処置をとること。
ヘ　作業室等においては，飲食，喫煙，化粧等放射性同位元素を体内に取り込むおそれのある行為を行わないこと。
ト　放射性同位元素を空中に飛散させないこと。やむを得ず飛散するおそれのある作業を行う場合には，グローブ・ボックス，フードその他の局所排気装置，換気装置等を使用し，作業室内の空気中の放射性同位元素の濃度が原子力規制委員会の定める空気中濃度限度以下となるようにすること。
チ　表面の放射性同位元素の密度が原子力規制委員会の定める表面密度限度を超えているものを，みだりに作業室から持ち出さないこと。また，表面の放射性同位元素の密度が原子力規制委員会の定める表面密度限度の10分の1を超えているものを，みだりに管理区域から持ち出さないこと。
リ　作業室から退出するときは，人体及び作業衣，履物，保護具等人体に着用している物の汚染を検査し，汚染があった場合は除去すること。
ヌ　放射性同位元素の使用中にその場を離れる場合は，容器及び使用場所に所定の標識を付け，必要に応じて柵等を設け，注意事項を明示する等，事故発生の防止措置を講ずること。
五　主任者の指示に従って，適当なしゃへい物を用いてしゃへいを行うことにより，作業室内及び管理区域内における外部放射線に係る線量を，原子力規制委員会の定める線量限度に比べ十分に低い値とすること。
六　原則として単独で作業しないこと。
七　見学者等作業に関係のない一時立入者の作業室内への立入りは，できる限り制限すること。
八　主任者の指示に従い，個人線量計を装着し，作業中は継続して被曝線量を測定すること。
九　放射性同位元素を多量にこぼしたときその他放射線障害を受けるおそれのある不測の事故が発生したときは，単独で秘密に処理することなく，直ちに主任者，安全管理責任者及び同室の従事者に通知し，応急の処置を行うこと。
一〇　地震，火災等による事故の発生した場合における措置については，第56条及び第57条によること。
2　安全管理責任者は，放射性同位元素管理システムや使用予定表の作成等により，1日最大使用数量を超えて使用しないことを確認しなければならない。
(密封された放射性同位元素の使用)
第31条　従事者が密封された放射性同位元素(以下「密封放射性同位元素」という。)を取り扱う場合は，安全管理責任者の管理のもとに，次の各号に掲げる事項を守らなければならない。
一　作業室は，つねに整理・整頓し，必要以上の測定器・器具類を持ち込まないこと。
二　使用に際して，放射線測定器により密封状態が正常であることを確認すること。
三　主任者及び安全管理責任者の指示に従って，適当なしゃへい物を用いてしゃへいを行うことにより作業室内及び管理区域内における外部放射線に係る線量を，原子力規制委員会の定める線量限度に比べ十分に低い値とすること。
四　原則として単独で作業しないこと。
五　見学者等作業に関係ない者の作業室内への立入りは，できる限り制限すること。
六　遠隔操作装置，かん子等により線源との間に十分な距離を設けること。
七　放射線に被曝する時間をできるだけ少なくすること。
八　主任者の指示に従い，個人線量計を装着し，被曝線量を測定すること。
九　密封放射性同位元素により照射作業を行うときは，あらかじめ照射室(ケープ)に人がいないことを確認しておくこと。
一〇　照射中は，作業室の出入口には，人がみだりに立ち入らないようにするための施設を設け，その附近の見やすい所に，照射中であることを示す標識を掲げること。
一一　照射室に立ち入る場合は，当該装置の責任者の許可を得た上，必ず安全を確認して入室すること。
一二　操作室又は機械室に立ち入る場合は，当該装置の責任者の許可を得，その指示に従うこと。
一三　密封放射性同位元素の使用中にその場を離れる場合は，容器及び使用場所に所定の標識を付け，必要に応じて柵等を設け，注意事項を明示する等，事故発生の防止措置を講ずること。
一四　線源を移動して使用する場合は，使用後直ちにその線源の紛失，漏えい等異常の有無を放射線測定器等により点検し，異常が判明した場合は，探査その他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。
一五　機器に装備された線源を使用する場合は，線源を機器に固定したままで使用すること。
一六　インターロックを設置している場合は，使用前にインターロック等が正常に作動することを確認するとともに，立入りを禁止している区域に人がいないことを確認すること。
(表示付認証機器の使用)
第32条　従事者が表示付認証機器のうち表示付エレクトロン・キャプチャ・ディテクタ(以下「ディテクタ」という。)を取り扱う場合には，次の各号に掲げる事項を守らなければならない。
一　ディテクタから放射性同位元素を取り出さないこと。
二　ディテクタのしゃへい，その他の放射線障害防止機構を損なう改造を行わないこと。
三　表示付認証機器とみなされる表示付放射性同位元素装備機器の認証条件を定める告示(平成17年6月1日文部科学省告示第75号)に定める温度その他の条件で使用すること。
2　ディテクタ以外の表示付認証機器の取扱いについて必要な事項は，各部局において定める。
(放射線発生装置の使用)
第33条　放射線発生装置の取扱いについて必要な事項は，各部局において定める。
(小規模放射線発生装置の使用)
第34条　従事者が小規模放射線発生装置を取り扱う場合は，放射線取扱責任者の管理のもとに，次の各号に掲げる事項を守らなければならない。
一　作業室は，つねに整理・整頓し，必要以上の測定器・器具類を持ち込まないこと。
二　原則として単独で操作しないこと。
三　放射線取扱責任者及びエックス線作業責任者の指示に従って，適当なしゃへい物を用いてしゃへいを行うことにより，作業室内，管理区域内，管理区域の境界及びこれに隣接する場所で人が常時立ち入る場所における外部放射線に係る線量を，原子力規制委員会の定める線量限度に比べ十分に低い値とすること。
四　見学者等作業に関係しない者の作業室内への立入りは，できる限り制限すること。
五　第45条の規定により測定された空間線量率に基づき作業量を調節し，実効線量限度及び等価線量限度を超えて被曝することのないようにすること。
六　放射線取扱責任者及びエックス線作業責任者の指示に従い，個人線量計を装着し，作業中は継続して被曝線量を測定すること。
七　小規模放射線発生装置を運転しようとするときは，運転に先立ち出入口前面に「運転中」の標識を掲げ，運転停止後は，「運転停止中」の標識を掲げること。
八　運転中は，関係者以外の入室を禁止すること。
九　一時立入者が作業室に出入りするときは，放射線取扱責任者又はエックス線作業責任者の許可を得てその指示に従うこと。
第5章　保管，運搬及び廃棄
(放射性同位元素の受入れ及び払出し)
第35条　従事者は，本学の使用施設等において放射性同位元素を受け入れ，及び払い出す場合は，主任者及び安全管理責任者の指示に従って，次の業務を行わなければならない。
一　購入した放射性同位元素の受入れ
二　他事業所からの放射性同位元素の受入れ
三　他事業所への放射性同位元素の払出し
四　不要となった密封放射性同位元素の事業所外への払出し
2　安全管理担当者は，主任者及び安全管理責任者の指示を受けて，前項に定める放射性同位元素の受入れ及び払出しを確認し，記録しなければならない。
(放射性同位元素の持込み，持出し等)
第36条　従事者は，放射性同位元素を使用施設等内に持ち込み，又は使用施設等外に持ち出す場合には，主任者及び安全管理責任者の許可を得なければならない。
(保管)
第37条　従事者が放射性同位元素を保管する場合は，主任者及び安全管理責任者の指示に従って，所定の貯蔵室又は貯蔵箱に保管しなければならない。
2　貯蔵室の入口及び貯蔵箱のふたは主任者及び安全管理責任者の指示に従い施錠しなければならない。
3　貯蔵室又は貯蔵箱には，その貯蔵能力を超えて放射性同位元素を貯蔵してはならない。
4　非密封放射性同位元素を貯蔵室又は貯蔵箱に保管する場合は，容器の転倒，破損等を考慮し，吸収剤や受皿を使用する等，貯蔵室内又は貯蔵箱内に汚染が拡大しないような措置を講じなければならない。
5　放射性同位元素を取り扱う場合は，主任者及び安全管理責任者の指示に従い，所定の用紙に放射性同位元素の保管に関し必要な事項を記入しなければならない。
6　放射性同位元素は，作業が終了したときは，その都度必ず貯蔵室又は貯蔵箱に保管しなければならない。
7　貯蔵施設の目につきやすい場所に，放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示しなければならない。
8　密封放射性同位元素であって機器に装備されているものは，装備した状態で保管し，シャッター機構のあるものは，保管中容器のシャッターを閉止しなければならない。
(保管状況の調査)
第38条　主任者及び安全管理責任者は，所管する放射性同位元素の保管量及び保管の状況の調査を行い，核種ごとの保管量及び保管の状況を取りまとめ，その結果を部局長に報告しなければならない。
(管理区域における運搬)
第39条　従事者が管理区域において放射性同位元素又は放射性汚染物を運搬する場合は，主任者及び安全管理責任者の指示に従い，危険物との混載禁止，転倒，転落等の防止，汚染の拡大の防止，被曝の防止，その他保安上必要な措置を講じなければならない。
(事業所内における運搬)
第40条　従事者が事業所内において放射性同位元素又は放射性汚染物を運搬する場合は，主任者及び安全管理責任者の指示に従い，次の各号に掲げる事項を守らなければならない。
一　放射性同位元素又は放射性汚染物は，運搬中に予想される温度，内圧の変化，振動等により，き裂，破損等の生じるおそれのない所定の運搬容器(以下この条において「放射性運搬物」という。)に封入の上，運搬すること。
二　容器には，放射性同位元素の種類，数量を明示し，標識をつけること。
三　その他法令に定める基準を厳守して行うこと。
2　従事者が車両等で放射性運搬物を運搬する場合は，前項に定める事項のほか，次に掲げる事項を厳守しなければならない。
一　放射性運搬物の車両等への積付けは，運搬中において移動，転倒，転落等により放射性運搬物の安全性が損なわれないように行うこと。
二　放射性運搬物は，同一の車両等に危険物と混載しないこと。
三　車両により放射性運搬物を運搬する場合は，当該車両を徐行させること。
四　放射性運搬物及びこれを積載又は収納した車両等に係る1センチメートル線量当量率は，表面で1時間につき2ミリシーベルト，表面から1メートル離れた位置で1時間につき100マイクロシーベルトをそれぞれ超えないようにするとともに，容器の表面の放射性同位元素の密度がRI規制法に定める表面密度限度の10分の1を超えないようにすること。
五　放射性同位元素等車両運搬規則(昭和52年運輸省令第33号)その他法令に定める基準を厳守して行うこと。
(事業所外における運搬)
第41条　従事者が事業所外において放射性同位元素及び放射性汚染物を運搬しようとする場合には，部局長及び主任者の承認を受けるとともに，前条に定める事項を遵守するほか，関係法令に定める基準(L型輸送，A型輸送等)に適合する措置を講じなければならない。
2　前項に定める運搬を行った場合は，運搬記録簿等に必要事項を記入しなければならない。
(廃棄)
第42条　従事者が密封放射性同位元素又は放射性汚染物を廃棄する場合には，保管廃棄を原則とし，主任者及び安全管理責任者の指示する分類及び方法により行い，放射性廃棄物処理機関に引き渡すものとする。
2　非密封放射性同位元素の廃棄は，次の各号に従って行わなければならない。
一　固体状の放射性廃棄物は，不燃性，難燃性，可燃性，動物ゴミ及び非圧縮性不燃物に区分し，それぞれ専用の廃棄物容器に封入し，保管廃棄室に保管廃棄すること。
二　液体状の放射性廃棄物は，無機廃液及び有機廃液に区分し，それぞれ所定の放射能レベルに分類し，保管廃棄又は排水設備により排水口における排水中の放射性同位元素の濃度を濃度限度以下として排水すること。
三　気体状の放射性廃棄物は，排気設備により排気口における排気中の放射性同位元素の濃度を濃度限度以下として排気すること。
3　液体シンチレーター廃液を焼却炉により焼却する場合は，次の各号に従って行わなければならない。
一　焼却処理は，3H，14C，32P，33P，35S及び45Caのみを含んだ可燃性・流動性のある液体シンチレーター廃液，関係法令に基づき行われるモニタリングの際に採取した試料を含む液体シンチレーター廃液及び助燃剤に限ること。
二　液体シンチレーター廃液の放射性同位元素の濃度が次の濃度を超えないようにすること。
イ　3H，14C及び35Sは，37ベクレル/立法センチメートル
ロ　32P，33P，45Ca及び関係法令に基づき行われるモニタリングの際に採取した試料中に含まれるその他の核種は，3．7ベクレル/立法センチメートル
三　焼却炉の運転は，安全管理担当者の管理のもとに行うこと。
四　部局長は，焼却炉の安全運転，保守点検，廃棄作業，異常時並びに危険時の措置に必要な教育及び訓練を受けた者の中から，運転担当者を選任すること。
五　運転担当者が焼却炉運転を行う場合には，各部局において定める放射性有機廃液焼却炉運転管理項目に従って行い，異常が発生した場合は適切な措置を講ずること。
六　従事者は，焼却炉を，各部局において定める放射性有機廃液焼却炉運転管理項目に基づき定期的に点検するとともに，運転前においても所定の点検を行い，異常を認めた場合は適切な措置を講ずること。
4　不用な密封放射性同位元素は，RI規制法第15条第1項に規定する許可届出使用者又は販売業者に引き渡すことによって廃棄しなければならない。
5　放射性同位元素及び放射性汚染物は，放射性廃棄物処理機関に廃棄を委託することができる。
6　前項の規定にかかわらず，放射性廃棄物処理機関の許可の範囲に含まれない放射性同位元素及び放射性汚染物の廃棄を委託してはならない。
7　前6項に定めるもののほか，放射性同位元素又は放射性汚染物の廃棄については，放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号)第19条の規定並びに主任者及び安全管理責任者の指示によって行うものとする。
8　前7項の廃棄の内容については，主任者及び安全管理責任者の指示に従い，所定の用紙に記録しなければならない。
(放射線測定器の保守)
第43条　部局長は，RI規制法第3条の許可を受け，又はRI規制法第3条の2の届出を行った使用施設等においては安全管理に係る放射線測定器について測定の信頼性を確保するため，主任者及び安全管理責任者に，放射線測定器の点検及び校正の実施計画を作成させなければならない。また，その結果を所定の用紙に記録させなければならない。
2　前項の点検及び校正は，2年から5年のサイクルを定め，そのサイクル内で安全管理担当者による点検及び校正と専門機関による点検及び校正を組み合わせて行うものとする。また、点検は年1回以上の頻度で、校正はサイクル内で1回以上の頻度で行うものとする。
3　前項の専門機関による点検及び校正は，サイクル内で1回は必ず実施しなければならない。
4　点検及び校正の都度所定の用紙に記録すること。
一　点検・校正の年月日
二　点検・校正を行った者の氏名(点検・校正を行った者の氏名を記載しなくとも点検・校正の適正な実施を確保できる場合にあっては、名称)
三　点検・校正を行った放射線測定器の種類及び形式
四　点検・校正の方法
五　点検・校正の結果及びこれに伴う措置の内容
5　前項の点検及び校正の結果については，その都度所定の用紙に記録し，5年間保存するものとする。
6　安全管理担当者は，第2項の点検及び校正の結果，異常を認めたときは，修理等必要な措置を講じるとともに，安全管理責任者に報告しなければならない。
7　安全管理責任者は，前項の報告を受けたときは，その報告結果を取りまとめて，主任者を経由して部局長に報告しなければならない。
8　部局長は，前項の報告を受けたときは，その報告結果を取りまとめて，学長に報告しなければならない。ただし，必要な精度が確保できることが認められるものについてはこの限りではない。
第6章　測定
(場所に係る測定)
第44条　部局長は，主任者及び安全管理責任者又は放射線取扱責任者の助言に従い，放射線障害の防止に関し，安全管理担当者，エックス線作業責任者及び表示付認証機器作業責任者あるいは検査員に命じて，使用施設等の放射線障害の発生するおそれのある場所について，放射線の量，放射性同位元素による汚染の状況及び空気中放射性物質の濃度を測定させ，その結果を評価して所定の用紙に記録させなければならない。ただし，空気中放射性物質の濃度の測定は，第1種作業環境測定士の免許を有する者又は専門機関に委託することができるものとする。なお，本学において第1種作業環境測定士の免許を有する者が空気中放射性物質の濃度の測定を行う場合，使用する放射線測定器については第43条に定める点検及び校正を行ったものでなければならない。第44条第4項から第6項まで及び第8項，第45条第1項第6号及び第7号並びに第46条に規定する測定に使用する安全管理に係る放射線測定器についても同様とする。
2　前項の測定は，放射線測定器を用いて行うものとする。ただし，放射線の量及び放射性同位元素による汚染の状況については，放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合には，計算によってこれらの値を算出することができる。
3　放射線の量の測定は，原則として1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について行わなければならない。
4　非密封放射性同位元素取扱施設の測定は，次の各号に従い行わなければならない。
一　放射線の量の測定は使用施設，貯蔵施設，廃棄施設，管理区域境界及び事業所境界について行うこと。
二　放射性同位元素による汚染の状況の測定は作業室，廃棄作業室，汚染検査室，排気設備の排気口，排水設備の排水口及び管理区域境界について行うこと。
三　排気設備の排気口及び排水設備の排水口における放射性同位元素による汚染の状況は，排気又は排水の濃度測定の結果をもって評価すること。ただし，測定が困難な場合は，算定により評価すること。
四　取扱開始前にあっては1回，取扱開始後にあっては1月を超えない期間ごとに1回行うこと。ただし，排気口又は排水口における測定は，排気又は排水の都度行い，連続して排気又は排水を行う場合は，連続して測定すること。
5　下限数量に千を乗じて得た数量以下の数量の密封放射性同位元素に係る使用施設等の測定は，次の各号に従い行わなければならない。
一　放射線の量の測定は，使用施設，貯蔵施設，管理区域境界及び事業所境界について行うこと。
二　取扱い開始前にあっては1回，取扱い開始後にあっては6月を超えない期間ごとに1回行うこと。ただし，当該放射性同位元素の異常の有無等その状態を放射線測定器により点検するときの放射線の量の測定は，放射性同位元素を取り替える都度行うこと。
6　下限数量に千を乗じて得た数量を超える数量の密封放射性同位元素に係る使用施設等の測定は，次の各号に従い行わなければならない。
一　放射線の量の測定は，使用施設，貯蔵施設，管理区域境界及び事業所境界について行うこと。
二　取扱い開始前にあっては1回，取扱い開始後にあっては1月を超えない期間ごとに1回行うこと。ただし，固定して使用する場合であって，取扱方法及びしゃへい壁その他しゃへい物の位置が一定しているときは，6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
7　表示付認証機器及び小規模放射線発生装置のうち装置の外側に管理区域を指定しない装置に係る放射線の量の第1項に係る測定は，次の各号に従い行わなければならない。
一　放射線の量について当該機器の表面において行うこと。
二　1年を超えない期間ごとに1回行うこと。
8　放射線発生装置使用施設の測定は，次の各号に従い行わなければならない。
一　放射線の量の測定は，使用施設，管理区域境界及び事業所境界について，部局において定める作業環境測定項目に従い行うこと。
二　取扱い開始前にあっては1回，取扱い開始後にあっては6月を超えない期間ごとに1回行うこと。ただし，移動して使用する場合，あるいはしゃへい物，取扱い方法が常に一定していない場合の取扱い開始後の測定は，1月を超えない期間ごとに1回行うこと。
9　次の項目について測定の都度所定の用紙に記録すること。
一　測定日時(測定において時刻を考慮する必要がない場合にあっては，測定年月日をいう。以下同じ。)
二　測定箇所
三　測定をした者の氏名(測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては，名称。第45条第1項第8号ロ及び第54条第1項第17号を除き，以下同じ。)
四　放射線測定器の種類及び形式
五　測定方法
六　測定結果
七　測定の結果とった措置がある場合には，その内容
10　前項の測定結果については，測定の都度所定の用紙に記録し，5年間保存するものとする。
(外部放射線による個人被曝線量の測定と個人の内部被曝の測定)
第45条　部局長は，管理区域に立ち入る者に対して適切な個人線量計を装着させ，次の各号に従い個人被曝線量を測定しなければならない。ただし，個人線量計を用いて測定することが著しく困難な場合は，計算によってこれらの値を算出することができる。
一　放射線の量の測定は，外部被曝による線量について行うこと。測定に用いる放射線測定器について，ISO/ICE17025に基づく放射線個人線量測定分野の認定を取得した外部の機関に委託するなどして，測定の信頼性を確保するものとする。ただし，外部被曝の線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのある一時立入者については，第43条の規定により点検・校正を行った放射線測定器を用いて測定する場合は，この限りでない。
二　測定は，胸部(女子にあっては腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量について行うこと。
三　前号のほかに頭部及び頸部からなる部分，胸部及び上腕部からなる部分並びに腹部及び大腿部からなる部分のうち，外部被曝が最大となるおそれのある部分が，胸部及び上腕部からなる部分(女子にあっては腹部及び大腿部からなる部分)以外の部分である場合は当該部分についても行うこと。
四　人体部分のうち外部被曝が最大となるおそれのある部分が頭部，頸部，胸部，上腕部，腹部及び大腿部以外である場合は，前2号のほか当該部位についても行うこと。
五　眼の水晶体の等価線量を算定するための線量の測定は，第2号から第4号までの測定のほか，眼の近傍その他の適切な部位について3ミリメートル線量当量を測定することにより行うことができる。なお，眼の水晶体の等価線量の算定にあっては，放射線の種類及びエネルギーの種類に応じて，1センチメートル線量当量，3ミリメートル線量当量又は70マイクロメートル線量当量のうちいずれか適切なものによって行うこと。
六　放射性同位元素を誤って摂取した場合又はそのおそれのある場所に立ち入る者にあっては，内部被曝についても測定を行うこと。
七　測定は，管理区域に立ち入る者について，管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。ただし，一時立入者として主任者又は安全管理責任者が認めた者については，外部被曝の線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのあるときに行うものとする。
八　次の項目について測定の結果を記録すること。
イ　測定対象者の氏名
ロ　測定をした者の氏名(第1号の測定については，測定をした者の氏名を記録しなくても測定の適正な実施を確保できる場合にあっては，名称)
ハ　放射線測定器の種類及び形式
ニ　測定日時
ホ　測定方法
ヘ　測定部位及び測定結果
九　第7号の測定結果については，4月1日，7月1日，10月1日及び1月1日を始期とする各3月間，4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により使用者が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては，出産までの間及び1月に受ける実効線量が1.7ミリシーベルトを超えるおそれのある女子にあっては毎月1日を始期とする1月間について，当該期間ごとに集計すること。
一〇　第7号の測定の結果から実効線量及び等価線量を算定し，次の項目について記録すること。
イ　算定年月日
ロ　対象者の氏名
ハ　算定をした者の氏名(算定をした者の氏名を記録しなくても算定の適正な実施を確保できる場合にあっては，名称。以下同じ。)
ニ　算定対象期間
ホ　実効線量
ヘ　等価線量及び組織名
一一　前号の算定は4月1日，7月1日，10月1日及び1月1日を始期とする各3月間，4月1日を始期とする1年間並びに本人の申出等により使用者が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては出産までの間及び1月に受ける実効線量が1．7ミリシーベルトを超えるおそれのある女子にあっては毎月1日を始期とする1月間について，当該期間ごとに行い記録すること。ただし，毎年度の実効線量の算定については，外部被曝と内部被曝及びその合算値について行い，5年毎の累積線量の集計も行うこと。また，眼の水晶体の等価線量の5年毎の累積線量の集計も行うこと。
2　主任者及び安全管理責任者は，前項に規定する測定の結果に基づき，使用施設等における1年間の従事者数及び個人実効線量分布を作成し，部局長に報告しなければならない。
(表面汚染の測定)
第46条　従事者等が非密封放射性同位元素を取り扱う施設から退出するときには，放射性同位元素による汚染の状況の測定を，手，足その他放射性同位元素によって汚染されるおそれのある人体部位の表面及び作業衣，履物，保護具その他人体に着用している物の表面であって放射性同位元素によって汚染されるおそれのある部分について行うものとする。
2　前項の測定の結果については，手，足等の人体部位の表面が原子力規制委員会の定める表面密度限度を超えて放射性同位元素により汚染され，その汚染を容易に除去することができない場合にあっては，その部位の測定結果を所定の用紙に記録し，主任者及び安全管理責任者に報告しなければならない。
(記録の保存及び交付)
第47条　部局長は，前3条に係る測定結果の記録を永久に保存するとともに，当該測定の本人に対し，記録の写しを記録の都度交付するものとする。
第7章　教育及び訓練
(教育及び訓練)
第48条　部局長は，主任者及び安全管理責任者の助言に従い従事者に対し，この規程の周知等を図るほか，放射線障害の発生を防止し，及び公共の安全を確保するために必要な教育及び訓練を実施しなければならない。
2　前項の規定による従事者に係る教育及び訓練は，別表2に定めるところによる。
3　前項の規定にかかわらず，別表2に掲げる項目の全部又は一部に関して十分な知識及び技能を有していると認められる者に対しては，部局長は，主任者及び安全管理責任者と協議の上，教育及び訓練を省略することができる。この場合において，教育及び訓練の受講記録には，省略する理由を記載しなければならない。
4　部局長は，管理区域に一時的に立ち入る者を一時立入者として主任者又は安全管理責任者が認めた場合は，当該立入者に対して放射線障害の発生を防止するために必要な教育を口頭，掲示等により実施し，立入り並びに教育及び訓練に係る記帳を行わなければならない。
5　教育及び訓練の指導者は，放射線障害の防止又は機器・装置等の取扱いに関して十分な知識及び技能を有する者のうちから，部局長が委嘱する。
第8章　健康管理
(健康診断の受診)
第49条　部局長は，総合安全衛生管理機構の定める計画に従い，管理区域に初めて立ち入る前及び管理区域に立ち入った後6月を超えない期間ごとに定期的に，従事者に健康診断を受けさせなければならない。ただし，他事業所に所属する者が本学の使用施設等において放射性同位元素等を取り扱う場合，部局長は，当該者が他事業所において受診した健康診断の結果を総合安全衛生管理機構に提出し，当該結果に対する医師の意見を求めることにより，本文の健康診断に代えることができる。
2　前項の規定にかかわらず，部局長は，管理区域に立ち入った者が次の各号の一に該当するときは，直ちに総合安全衛生管理機構に連絡しその指示に基づき医師の診察を受けさせなければならない。
一　放射性同位元素を誤って飲み込み，又は吸い込んだとき。
二　放射性同位元素により原子力規制委員会の定める表面密度限度を超えて皮膚が汚染され，その汚染を容易に除去することができないとき。
三　放射性同位元素により皮膚の創傷面が汚染され，又は汚染されたおそれのあるとき。
四　実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被曝し，又は被曝したおそれのあるとき。
五　従事者等以外の者が放射線障害を受け，又は受けたおそれのあるとき。
3　前項各号の一に該当する者は，直ちに主任者及び安全管理責任者に連絡し，部局長の指示に従い，医師の診察を受けなければならない。
(健康診断の方法)
第50条　健康診断の方法は，問診及び検査又は検診とする。
2　管理区域に初めて立ち入る者に対する問診は，次の事項について行うものとする。
一　放射線の被曝歴の有無
二　被曝歴を有する者については，作業の場所，内容，期間，線量，放射線障害の有無その他放射線による被曝の状況
三　その他医師が必要と認めた事項
3　検査又は検診は，次の各号について行うものとする。この場合において，初めて管理区域に立ち入る前にあっては，第１号及び第２号については必ず行うものとする。
一　末しょう血液中の血色素量又はヘマトクリット値，赤血球数，白血球数及び白血球百分率
二　皮膚
三　眼
四　その他原子力規制委員会又は医師が必要と認めた部位又は項目
4　前項の規定にかかわらず，管理区域に立ち入った後に行う健康診断においては，前年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えず，かつ当該年度の4月1日を始期とする1年間の実効線量が5ミリシーベルトを超えるおそれのない場合は，本項に規定する検査又は検診は省略できるものとし，医師が必要でないと認めた場合のみ本項に規定する検査又は検診の全部又は一部を省略できる。
5　健康診断の結果については，健康診断の都度，次の事項について記録するものとする。
一　実施年月日
二　対象者の氏名
三　健康診断を行った医師名
四　健康診断の結果
五　健康診断の結果に基づいて講じた措置
(結果の通知)
第51条　前条の記録結果は，総合安全衛生管理機構が永久に保存するとともに，実施の都度記録の写しを本人に交付しなければならない。
(保健指導)
第52条　部局長は，次に掲げる者に対しては，その者の健康状態に応じ，管理区域への立入時間の短縮，立入りの禁止，被曝するおそれの少ない業務への配置換等の措置を講じるとともに，医師の助言により，必要な保健指導を行わなければならない。
一　線量限度を超えて放射線を被曝した者
二　線量限度を超えて放射性同位元素を体内に取り込み，又は取り込んだおそれのある者
三　第49条の健康診断において放射線障害を受け，又は受けたおそれがあると診断された者
四　その他健康上の理由により医師が必要と認めた者
(健康管理の事務)
第53条　前4条の健康管理に関する事務は，部局長の指示に従い，総合安全衛生管理機構の協力を得て，当該部局の事務を担当する課が行う。
第9章　記録
(記録)
第54条　部局長は，部局又は使用施設等ごとに次の事項を記録する帳簿を備え，関係法令に規定する使用，受入れ，払出し，保管，運搬，廃棄，施設の点検，放射線測定器の点検及び校正，教育及び訓練その他放射線障害の防止に係る事項を確実に記録させ，及び管理させなければならない。
一　放射性同位元素の使用記録(使用年月日，従事者の氏名，種類及び数量，目的，方法及び場所)
二　放射性同位元素の受入れ及び払出しの記録(年月日，従事者の氏名，種類，数量及び相手方の氏名又は名称)
三　放射性同位元素の保管記録(従事者の氏名，種類及び数量，保管の期間，方法及び場所)
四　放射性同位元素及び放射性汚染物の廃棄記録(年月日，従事者の氏名，種類及び数量，方法及び場所)
五　放射性同位元素及び放射性汚染物の運搬記録(年月日，方法，荷受人又は荷送人の氏名又は名称及び運搬に従事する者の氏名又は運搬の委託先の氏名若しくは名称)
六　表示付認証機器の保管及び廃棄記録(年月日，従事者の氏名，保管の期間，方法及び場所，機器の名称及び認証番号)
七　放射線発生装置の使用及び検査記録(年月日，装置の種類，従事者の氏名，検査員の氏名及び検査結果，目的，方法及び場所)
八　小規模放射線発生装置の使用及び検査記録(年月日，装置の種類，従事者の氏名，検査員の氏名及び検査結果，目的，方法及び場所)
九　排水設備の管理記録(測定日時，測定をした者の氏名，測定器の種類及び型式，放射能濃度，採水箇所，排水量，排出した者の氏名)
一〇　排気設備の管理記録(測定日時，測定をした者の氏名，測定方法，測定結果)
一一　有機廃液焼却炉の使用記録(年月日，運転担当者の氏名，種類及び場所)
一二　放射線測定器についての点検及び校正記録(年月日，点検・校正を行った者の氏名，測定器の種類及び形式，点検・校正の方法，結果及びこれに伴う措置)
一三　管理区域に立ち入った者の外部被曝線量の測定に係る放射線測定器の信頼性を確保するための措置の内容
一四　該当施設の作業環境の放射線の量及び空気中放射性物質の濃度の測定記録(測定日時，測定をした者の氏名，測定器の種類及び型式，測定箇所，測定方法，測定結果)
一五　汚染検査の測定記録(測定日時，測定をした者の氏名，測定器の種類及び型式，測定箇所，測定方法，測定結果)
一六　外部放射線による個人被曝線量の測定記録(期間，測定対象者の氏名，測定をした者の氏名，測定方法，測定部位，測定器，測定結果)
一七　内部被曝による線量の測定記録(測定日時，測定対象者の氏名，測定をした者の氏名，測定方法，測定部位，測定器，測定結果)
一八　容易に除去し難い人体の汚染状況の測定記録(測定日時，測定対象者の氏名，測定をした者の氏名，測定器の種類及び型式，汚染の状況，測定方法，測定部位，測定結果)
一九　実効線量及び等価線量の算定記録(算定年月日，対象者の氏名，算定をした者の氏名，算定対象期間，実効線量，等価線量及び組織名)
二〇　自主点検記録(年月日，点検者の氏名，部局ごとに定めた自主点検項目に基づく点検の結果及びその結果に伴う措置の内容)
二一　災害時における点検記録(年月日，点検者の氏名，第56条及び第57条に示す事項について行った点検の結果に伴う措置の内容)
二二　教育訓練の記録(実施年月日，項目及び各項目の時間数，受けた者の氏名)
二三　健康管理の記録(実施年月日，対象者の氏名，健康診断を行った医師名，健康診断の結果，健康診断の結果に基づいて講じた措置)
2　前項の帳簿は，毎年3月31日又は使用施設等の廃止等を行う場合は廃止日等に閉鎖し保存するものとする。
3　帳簿の保存期間は，閉鎖後5年間とする。ただし，第1項第16号から第19号まで及び第23号の帳簿は，永久に保存しなければならない。
第10章　災害時及び危険時の措置
(事故等による原子力規制委員会への報告)
第55条　次の各号に掲げる事態の発生を発見した者は，国立大学法人千葉大学危機管理規程及び別に定める緊急事態対応措置方法に従い主任者又は安全管理責任者に通報しなければならない。
一　使用施設等が所在する市区町村において震度5強以上の地震又は住家流出又は1階天井までの浸水並びに台風及び竜巻による家屋全壊(以下「大規模自然災害」という。)が発生し，又は使用施設等において火災等の災害が起こったことにより，放射線障害が発生し，又は発生するおそれのある事態が生じたとき。
二　放射性同位元素及び放射性汚染物の盗取又は所在不明が発生したとき。
三　気体状の放射性同位元素を廃棄設備において浄化し，又は排気することによって廃棄した場合において，濃度限度又は線量限度を超えたとき。
四　液体状の放射性同位元素を排水設備において浄化し，又は排水することによって廃棄した場合において，濃度限度又は線量限度を超えたとき。
五　放射性同位元素が管理区域外で漏えいしたとき。
六　放射性同位元素が管理区域内で漏えいしたとき(次のいずれかに該当し，又は漏えいしたものが管理区域外に広がったときは除く。)。
イ　漏えいした液体状の放射性同位元素が当該漏えいに係る設備の周辺部に設置された漏えいの拡大を防止するための堰の外に拡大しなかったとき。
ロ　気体状の放射性同位元素が漏えいした場合において，漏えいした場所に係る排気設備の機能が適性に維持されているとき。
ハ　漏えいした放射性同位元素の放射能量が微量のときその他漏えいの程度が軽微なとき(表面密度限を越えないとき。)。
七　次の線量が線量限度を超え，又は超えるおそれがあるとき。
イ　使用施設内の人が常時立ち入る場所において人が被曝するおそれのある線量
ロ　事業所の境界における線量
八　使用その他の取扱いにおける計画外の被曝があったときであって，その線量が，従事者にあっては5ミリシーベルトを，従事者以外の者にあっては0．5ミリシーベルトを超え，又は超えるおそれがあるとき。
九　従事者について実効線量限度及び等価線量限度を超え，又は超えるおそれがある被曝があったとき。
一〇　その他放射線障害が発生し，又は発生するおそれのあるとき。
2　主任者及び安全管理責任者は，前項の報告を受けたときは，遅滞なくその旨を部局長及び担当課長に報告しなければならない。
3　部局長は，第1項の報告を受けたときは，事故の内容及び応急に講じた措置の内容を，学長を経由して原子力規制委員会に遅滞なく報告するとともに，部局委員会の招集を命じ，事後措置について検討させなければならない。
4　部局長は，第1項第2号から第9号までに掲げる事態の発生に係る通報を受けたときは，その旨を直ちに，その状況及びそれに対する措置を10日以内に，学長を経由して，原子力規制委員会に報告しなければならない。
5　学長は，前2項の規定による報告を受けたときは，必要に応じて委員会を招集し，事故の事後措置について諮問するものとする。
(災害時の措置)
第56条　使用施設等が所在する市区町村内で大規模自然災害が発生し，又は使用施設等において火災等の災害が起こった場合には，緊急事態対応措置要領等に定めた災害時の連絡通報体制に従い，安全管理担当者又は施設管理担当者が部局ごとに定めた自主点検項目について点検を行い，その結果を部局長，主任者，安全管理責任者及び施設管理責任者に報告しなければならない。
2　部局長は，前項の報告を受けた場合は，主任者，安全管理責任者及び施設管理責任者と協議の上，次の各号に掲げる措置その他の必要な応急措置を講じなければならない。
一　使用施設等に火災が起こり，又はこれらの施設に延焼するおそれのある場合には，消火又は延焼の防止に努めるとともに，直ちにその旨を消防署に通報すること。
二　使用施設等の内部にいる者及び附近にいる者に避難するよう警告すること。
三　放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者がいる場合には，速やかに救出し，避難させる等緊急の措置を講ずること。
四　放射性同位元素による汚染が生じた場合には，速やかにその拡大の防止及び除去を行うこと。
五　放射性同位元素を他の場所に移す余裕がある場合には，必要に応じてこれを安全な場所に移し，その場所には縄を張り，標識等を設け，かつ，見張人をつけることにより，関係者以外の者が立ち入るのを禁止すること。
3　現場附近にいる本学の職員及び学生は，主任者及び安全管理責任者の指示に従わなければならない。
4　部局長は，第1項の点検の結果及び前項において講じた応急措置について学長に報告しなければならない。
5　学長は，部局長の応急措置では対応しきれない事態に対して，管理区域等の安全管理上必要な予算措置を講ずるものとする。
(緊急時の措置)
第57条　前条で定めるもののほか，放射線障害が発生し，又はそのおそれがあることを発見した者は，国立大学法人千葉大学危機管理規程及び別に定める緊急事態対応措置方法に従い，直ちに災害の拡大防止，通報，避難警告等応急の措置を講ずるとともに，主任者，安全管理責任者その他関係者に通報しなければならない。
2　前項の通報を受けた主任者及び安全管理責任者は，直ちに部局長，関係者及び関係機関に連絡しなければならない。
3　前項の連絡を受けた部局長は，必要な応急措置を講じなければならない。
4　部局長は，前項の連絡及び講じた応急措置について学長に報告しなければならない。
5　第3項の応急措置に係る作業に従事する者は，原則として安全管理責任者，安全管理担当者及び部局の職員とする。
6　部局長は，応急措置に係る作業に従事する者に対して主任者又は安全管理責任者による緊急時の対応に関する教育及び訓練を受けさせなければならない。
7　部局長は，災害時に緊急作業に従事した者に対して，第44条の測定と同様の措置を受けさせなければならない。
第11章　情報提供
(情報提供)
第58条　事故等の報告を要する放射線障害のおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合には，主任者，安全管理責任者又は施設管理責任者は，部局長を通じて学長に報告するものとする。
2　学長は，前項の報告を受けたときは，総務部総務課，企画部渉外企画課及び研究推進部研究安全管理課を通じて本学ホームページに事故の状況，被害の程度等を掲載することにより公衆及び報道機関へ情報提供するとともに，外部からの問合せに対応するため，企画部渉外企画課に問合せ窓口を設置するものとする。
3　部局長は，公衆及び報道機関へ情報提供する内容(以下「情報提供内容」という。)について，部局委員会の協議を経て決定し，学長に報告するものとする。
4　情報提供内容は，次の各号に掲げる事項とする。
一　事故の発生日時及び発生場所
二　汚染状況等による事業所外への影響
三　事故の発生した場所において取り扱っている放射性同位元素等の種類，性状及び数量
四　応急措置の内容
五　放射線測定器による放射線量の測定結果
六　事故の原因及び再発防止策
第12章　業務の改善
(業務の改善)
第59条　部局長は，使用施設等(小規模放射線発生装置の使用施設，貯蔵施設及び廃棄施設を除く。)における放射性同位元素等及び放射性汚染物の取扱い，管理等に係る安全性を向上させるため，部局委員会に放射線障害の防止に関する業務評価を実施させるものとする。
2　部局委員会は，使用施設等に対し，部局委員会が指名する者による書類審査又は施設検査を年1回以上行い，その結果を当該使用施設等に通知するとともに，部局長を通じて学長に報告しなければならない。
3　前項の結果の通知を受けた部局長は，主任者及び安全管理責任者と協議し，必要な改善策を実施するとともに改善報告書を作成し，部局委員会に報告しなければならない。
4　部局委員会は，前項の改善報告書を学長に報告しなければならない。
第13章　報告
(定期報告)
第60条　主任者及び安全管理責任者は，毎年4月1日から翌年3月31日までの期間についてRI規制法に定められた放射線管理状況報告書を作成し，部局長に報告しなければならない。
2　部局長は，当該期間の経過後3月以内に学長を経由して，原子力規制委員会に届け出なければならない。
第14章　雑則
(適用除外)
第61条　次の各号の一に該当する者については，第45条及び第46条並びに第49条及び第50条の規定にかかわらず，被曝線量の測定及び定期健康診断の実施を要しない。
一　表示付認証機器のみを使用する者
二　小規模放射線発生装置のうち装置の外側に管理区域を指定しない装置のみを使用する者
三　表示付認証機器及び小規模放射線発生装置のうち装置の外側に管理区域を指定しない装置のみを使用する者
(違反者の措置)
第62条　従事者等が関係法令又はこの規程に著しく違反したときは，部局長は，その者の名簿登録を取り消し，又は管理区域への立入りを禁止することができる。
2　前項の処分を受けた者は，当該年度中は第28条第1項の申請をすることができない。
3　第1項の処分に不服のある者は，処分の通知を受けた日から，30日以内に，学長に不服申立をすることができる。
4　前項の申立があったときは，学長は，委員会に諮り，申立に対する決定を行う。
(立入防止措置等)
第63条　部局長は，管理区域にみだりに人が立ち入らないようにするための措置を講じるとともに，必要な標識を付さなければならない。
(注意事項の掲示)
第64条　部局長は，使用施設等の見易い所に，放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示しなければならない。
(部局規程)
第65条　この規程の実施にあたり各部局において必要な事項は，学長の承認を得て各部局長が定める。
2　前項の場合において，医学部附属病院にあっては，この規程によりがたい特別の事情があるときは，この規程と異なる定めをすることができる。
3　前項の承認にあたっては，学長は委員会に諮るものとする。
附　則
この規程は，平成16年4月1日から施行する。
別表2
実施時期第1欄第2欄第3欄
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イ　初めて使用施設等に立ち入る前
ロ　使用施設等に立ち入った後にあっては1年を超えない期間ごと

　
ハ　使用施設等に立ち入らない者で初めて放射線取扱等業務を開始する前
ニ　放射線取扱等業務の開始後にあっては1年を超えない期間ごと

　
ホ　第61条各号に掲げる者が初めて取扱等業務を開始する前

　
項目
(1)　放射線の人体に与える影響30分以上30分10分
(2)　放射性同位元素等の安全取扱い1時間以上1時間以上20分
(3)　放射性同位元素等の規制に関する法令30分以上30分以上20分
(4)　国立大学法人千葉大学放射線障害予防規程30分30分10分