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海堂 尊さん

大学時代は意識的にだらだら過ごす。それが後々自分の財産になります。
「ちばだいプレス第30号」OBOGインタビュー(2014月12月)

独立行政法人放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター
Ai情報研究推進室室長 作家

海堂 尊さん

医師として作家として精力的に活躍する海堂尊先生。学内で行われたトークイベント&サイン会では学生たちと機知に富んだ質疑応答を展開。鋭いメッセージを軽妙洒脱に語る海堂先生にお話を伺いました。

海堂 尊
かいどう たける

1961年生まれ。千葉大学医学部卒。
医学博士。外科医、病理医を経て現在は独立行政法人放射線医学総合研究所・重粒子医科学センターAi情報研究推進室室長。
第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)で2006年作家デビュー。『ジェネラル・ルージュの凱旋』など数々のヒット作を生み出す。

海堂先生の新刊『アクアマリンの神殿』は、『モルフェウスの領域』と対をなす青春学園物語

角川書店刊

トークイベント&サイン会
アンケート結果

最も好きな作品は?

『チーム・バチスタの栄光』
(14人)

『ジェネラル・ルージュの凱旋』
(9人)

『医学のたまご』
(8人)

千葉大学内で行われたトークイベント&サイン会。在学生からのたくさんの質問に的確に答えていく。

いきあたりばったりが作家・海堂尊を生んだ!?

初めに、なぜ医師を目指したのか教えてください。

すべていきあたりばったりの結果です。高校のときに医学部を目指したのも軽い興味からです。大学に入ってからも医師を目指すというよりも剣道に熱中していましたね(笑)。
そんな学生時代でしたが剣道部の先輩たちから「お前は外科医になるしかない」と言われ、他人からみた自分の適性を信じ外科医になりました。外科医は面白かったのですが、少し疲れてしまって大学院に入って博士号を取る道を選びました。2年ほど病理を勉強しているうちに、病理が面白くなってしまい、そのまま病理医に転向しました。

医師として活躍していながら、小説を書こうと思ったのはなぜですか?

『ファーブル昆虫記』や『シャーロック・ホームズ』などが好きで、小学校6年生のときに「自分でも物語が書ければいいな」と思ったのがきっかけです。それから、執筆に挑戦してはやめてを繰り返してきました。
目標は作家になることではなく1冊の物語を書くことだったので、そのときは書けなくても挫折とは思わず「今はまだ書けないだけ」という感覚でしたね。その後44歳のときにばっと物語が書きあがりました。それがデビュー作となった『チーム・バチスタの栄光』です。

医師と作家、現在の仕事のスタイルは?

医療は仕事だと思っています。作家のほうは正直遊びだと思って今までやってきていたのですが、今は比重が変わって作家が仕事になっています。Ai情報研究推進室では、医療というよりもAiの普及活動、社会導入のための講演会や広報活動をしています。

千葉大学は、もっと我を強く様々な功績をアピールすべき

千葉大学の良い点は何だと思いますか?

独創力があることです。自分がやりたいことを突き詰めて新しいものをつくることが、ほわんとできてしまうゆるやかな大学です。弱点は、我が弱いところ。たとえば医学部では世界的にも素晴らしい発見をいくつもしていますが、千葉大学はアピールしようとしない内弁慶なところがあります。これは非常に残念なことです。
ですが広い敷地と充実した施設、東京の中心からちょっと離れている環境、自由な発想を伸ばすこの地の利を生かして、自分の分野で、優れたもの、美しいものをつくってみてください。それはきっと必ず千葉大学オリジナルとして世の中に広がっていく可能性があります。

一番駄目なのは無意識にぼんやり過ごすこと

最後に、学生へのメッセージをお願いします。

大学生の皆さんは今、実は一番いい季節を過ごしています。恵まれた状況の中で自由な時間を自由に過ごせる。よく「だらだら過ごしちゃいけない」と言われますが、私は無駄なことに費やしてもいいと思います。ただし、意図的にだらだら過ごしているんだと意識してください。一番駄目なのは無意識にぼんやり過ごすことです。
私は無意識に学生時代をだらだらと過ごしてしまいました。それを後悔したことはありませんが、振り返ると、その時間は最高に幸せな時間だったと気づきました。だからこそ、意識して時間を使ってほしい。
だらだら過ごすことができるのは大学生くらいです。その豊かな時間を意識しないのはもったいないことです。明確に意識して無駄な時間を過ごしてください。それが後々の自分の財産になります。
試験や就職対策などで、自由な時間はどんどん削られていきます。だからこそ自分の好きなことを自由にやれる時間を楽しんでできるだけ潤沢に味わってもらいたいなと思います。