薬用植物ホソバオケラに未知の機能を持つB染色体を発見

2024年09月13日

研究・産学連携

 千葉大学大学院園芸学研究院の菊池真司准教授、同大園芸学研究科博士前期課程の原一矢氏、株式会社ツムラの津坂宜宏研究員、総合研究大学院大学 統合進化科学研究センターの田辺秀之准教授、かずさDNA研究所 先端研究開発部の磯部祥子博士、白澤健太博士らの共同研究チームは、漢方の原料生薬である蒼朮(ソウジュツ)の基原植物ホソバオケラの品種改良に使われる系統が、生存には必須ではないB染色体を保有することを発見しました。さらに、ホソバオケラのB染色体は、オスとメスの両方から優先的に後代に伝達されることが明らかになりました。生存に必須ではないB染色体が生き残るための戦略(分子機構)が存在していると考えられます。
 ホソバオケラのB染色体が持つ後代への優先的な伝達の仕組みの解明は、生物進化における染色体の数や形(核型)の「ゆらぎ」の理解につながります。また、B染色体のDNA配列を解読することで、品種改良への利用や、蒼朮の安定供給にもつながることが期待されます。

本研究成果は、2024年9月12日(日本時間)に、学術誌PLOS ONEで公開されました。

  • ホソバオケラの花

    ホソバオケラの花