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保坂高殿(たかや) 准教授(文学部)が日本学士院賞を受賞しました

掲載日:2008/03/12

日本学士院の第1017回総会(3月12日開催)において、本学の保坂高殿准教授(文学部)が、平成20年度日本学士院賞の授賞者に決定されました。 日本学士院賞は、学術上特にすぐれた論文、著書その他の研究業績に対する授賞事業であり、日本の学術賞としては最も権威ある賞とされています。

受賞の対象となった業績『ローマ帝政初期のユダヤ・キリスト教迫害』(教文館 2003年608頁)は、帝国と教会が衝突する局面に焦点を当てながら、その法的根拠を巡る諸問題を帝国側史料に基づき精緻に分析し、教会側史料を偏重してきた従来のキリスト教中心史観に基づく考察手法に対して根本的再検討を迫る画期的な労作です。

本書が描出するローマ帝政期の歴史像は、帝政後期の対教会政策をも諸皇帝の改宗といった宗教的動機からではなく純粋に政策的観点から考察することで、迫害史を、迫害される側の心理から捉えられた"迫害"史ではなく、帝国統治者側の論理から見た純社会政策史として描き出す道を切り開くものとして高く評価されます。また分析法に関しては、本書は歴史学的方法に限定せずに、古典文献学、キリスト教史学、そして聖書学の方法を領域横断的に駆使し、歴史研究における文献学的方法の有用性と重要性をあらためて提示するものでもあります。

「日本学士院賞授賞の決定について」 日本学士院のホームページへ
保坂高殿准教授(千葉大学文学部教員要覧)のページへ