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齋藤学長の年頭の挨拶を掲載しました。

掲載日:2010/01/04

年頭の挨拶 あけましておめでとうございます。よいお年を迎えられたことと思います。 昨年中は大学の発展のために大きなご支援を賜りましたことを感謝申し上げます。私自身のいろいろな至らないこともあり、大学の運営にご心配やらご不安を抱かせるときも多々あったかと存じます。それにつけても多大なご支援を戴き、本学はいろいろな面で高い評価を得るに至っておりますことに感謝申し上げます。今年も本学が"つねに、より高きものをめざして"発展できるように全力で日々がんばってまいりたいと存じますのでよろしくご指導、ご支援をお願いいたします。 昨年は本学の60周年という節目の年で、全学、各部局、いろいろな専門領域等でイベントが行われました。中でも、天皇皇后両陛下がご来学されましたことは、まことに記念すべきことであり、本学にとりまして大きな誇りとするところであります。これにつきましては、特に菊池研究科長、伊東同窓会長はじめ、園芸学部の多くのかたがたに多大なご尽力を賜りましたことに感謝申し上げます。 昨年はじめには、西千葉にある東京大学生産技術研究所の移転に伴う跡地の購入という課題がありました。ご存知のように購入はできませんでしたが、あくまでその可能性について、特に園芸学部の方々には専門家の立場から、園芸学部の発展を考慮した具体的な手法について検討していただくということで、大変なご努力をいただきました。その過程で、本学の将来を考え、専門的な視点、地域との連携などについて開かれた討論、検討が行われましたことは、これからの本学のあり方を考える上でも一つの足跡を残すことができたと思っております。

国の大きな動きとして、政権交代という社会の変動がありました。これに影響を受けざるをえません。その評価にはいろいろなお考えがおありと存じますが、政権交代自体は国家が成熟していくひとつの過程と考えることもできると思います。仕分け作業ということひとつをあげても、この手法自体は、私どもに開かれた政治を示してくれたとも解釈ができますし、われわれの政治への関与、使命というのが明確になったという点では評価できると思います。今後も交代した政治に積極的にわれわれの考えを提示していきたいと思います。

学内の事情としては、いろいろなことがあり枚挙にいとまがありませんが、いくつか述べたいと思います。 亥鼻地区に「融合型ライフサイエンス研究棟」(仮称)という名称で、薬学研究院が中心となって活動する、いわゆる薬学部第2棟ができることになりましたことは、長い間、西千葉と亥鼻に教育・研究のすべてが別れて活動されていた不便が解消できることになり大変うれしいことであります。
薬学棟の西千葉からの移転に伴って、その跡地そして残される薬学研究棟の利用についてはこれからの検討でありますが、大きなビジョンに向かって検討してまいりたいと思います。

大学のミッションのひとつに地域連携があります。地域とともに生きるということで、教員も学生も地域と多くのかかわりを持って活動されていることは、すばらしいことであると思います。これらに加えて、昨年度は大学が持つ知的財産を地域に貢献するということで画期的な動きが生まれました。
ひとつは、地域産学官共同研究拠点整備事業という科学技術振興機構からの研究に採択され、本学および県内のいくつかの大学の知的財産の地域への貢献という視点で連携が生まれます。6億円余予定で施設の整備と先端の機械設備を備え、薬学研究棟の一部を使用して設置され、いろいろな分野で地域企業の指導という立場、共同研究という立場で実質的な連携を進める所存です。さらに、地域連携では医学研究院、附属病院が県とともに厚生労働省の地域医療再生臨時特例交付金が措置され、いわゆる地域医療の円滑な運営のために本学が指導的立場を発揮していくことが、一層明確に示されたと思います。さらに、教育に関するコンソーシアムの形成、カレッジリンク教育などが進められており、このような本学の知的財産が主体的に地域に役立つことにより、地域貢献が生まれることは喜ばしいことです。これらの地域との連携を円滑に進めるため、県との包括協定はすでに締結していますが、今後は千葉市とも進めるべく準備しています。

教育という視点で考えますと、多くの卓越した手法が本学では展開されています。"飛び入学"をはじめ多くの挑戦が行われてきました。学部の超えた教育という点ではいろいろ取り組まれていますが、看護学部、薬学部、医学部で取り組まれているIPEも全国的に高い評価を受けています。しかし、教育という大きな機能を考えるにつけても、本学の課題としてもいくつか見えてまいります。普遍教育は本学の特徴の一つと考えられ、多くの方々のご努力で展開されています。基本的にはどのような専門課程であっても、その基礎に教養というべき、基礎となる学識、考え方というのは必須のことであると思います。このことは、ある調査において企業が最も求める人物としての項目に"国際的豊かな教養を持つ人材"が謳われています。このことは、普遍教育が重要な教育課題であることを如実に示していることであるといえます。このことを考えるにつけても、全学の教員は普遍教育を担当することは教師として誇りに思えるような本学の文化をもちたいと思います。当然、基本にはそのような考えを大部分の先生はお持ちであると思いますが、その考えと実際に授業を担当するという現実との間には、日常の多忙なことなどから必ずしも実行できないという現実のあることも理解します。しかし、それはそれとして、普遍教育がきわめて重要な領域であること、専門性が増せば増すほどその必要性は増していくということなど、その重要性について全学的に共有したいと思います。幸いに、本学は普遍教育を行うセンターがあり、その教員の方々のコーディネイトにより最大限の機能が発揮されています。普遍教育の成果は大学の品格のひとつであるともいえると思います。そして高い専門性という山を作るためには教養という広い裾野を必要とするということを共有したいと思います。全学的支援をくれぐれもよろしくお願いいたします。
さらに教育では、インターンシップシステムを組み入れたマルチキャリアー教育の取り組みが始められましたが、中央教育審議会でも"キャリア教育プログラム"として、いわゆる職業教育に力をいれることを大学に求めています。本学の先駆的な取り組みは評価されているところです。博士課程の充実などもこのような手法の成果を示すことが重要であると考えます。

研究では、科学研究費の取得という取り組みでは、いろいろな手法で応募の促進、申請書の作成の仕方などについて取り組んできましたが、その成果は取得率の上昇という喜ばしい成果を得ました。さらに進展していくことを願っています。このことは、単に申請数が増加したという数値の問題ではなく、科学研究費とは国が幅広い領域で大学教員に与えている研究をする機会である思います。教員にこのような研究の機会をあたえられているということは、その対象として大学が重要な位置を占めているということを、ぜひ全ての人に認識していただきたいと思います。
それぞれの分野で世界的な研究成果を生み出していることを拝見しています。さらに多くの次世代の研究を生み出すことに心がけていただきたいと思います。そのために、テニュア・トラック制度、千葉大学COEスタートアッププログラムなど、若い世代が分野を越えて交流していくという新しいシステムもはじめられました。その成果を期待したいと思います。
これら一連のシステム改革の原点には、大学における研究の重要性と、具体的に実践していくことの大切さをすべての人々に共有していける大学になることを念願していることがあります。

次に国際化について述べます。すでに本学では、1000名を超える留学生を抱えるということを考えるまでもなく国際化も大きなテーマのひとつです。各部局ではそれぞれの得意な分野で、それぞれの活動の場を選定して国際連携がすすんでいることは、きわめてすばらしいことであると思います。そのような取り組みがさらに進展するためにも、留学生を受け入れる環境として、いろいろな機能の組織化をはじめ、宿舎の問題、外国語をもっと身近に使える環境をつくることなどに積極的に取り組んでいかなければならないと思います。

いろいろ羅列して述べました。 今月25日には"大学改革シンポジウム"を文部科学省、企業の方々をお迎えして開催します。国の情勢、施策の将来を考えるにつけても、今後大学は、本学はどのように歩んでいくべきかを常に考えていくことを求められていると思います。今回は、学術総合推進室が取り組んできました人材育成というテーマを中心に、本学のこれからの進む方向について語り合いたいという趣旨で行います。広く全学の将来を考え、熱い思いで夢やビジョンを語っていただきます。それらをベースに個々人が、各研究科が、センターがそれぞれの専門性を生かして、今後どのように具体的に取り組むべきかへの一つの指針になることを願っています。ぜひ、各部局の方々、そして学生にも討論に加わっていただきたいと思います。

最後に、昨年は本学にとりまして若い命が無惨にも奪われるという悲しいこともありました。こころからご冥福をお祈りいたします。また、多くの方々のご努力により、楽しいこと、うれしいことも沢山ありました。今年はさらなる発展のために惜しみないご努力を期待し、その思いを自らに課してまいりたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。

まとまりませんが新年のご挨拶とさせていただきます。


平成22年1月4日
千葉大学長 齋藤 康