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修了生の皆さんへ

掲載日:2015/03/25

年頭の挨拶

  本日ここに、博士、修士、専門職の学位を授与された皆さん、おめでとうございます。素晴らしい研究の成果を収め、学位を取得されましたことに心からお祝い申し上げます。またご臨席賜りましたご来賓の皆様にお礼申し上げますとともに、ご列席のご家族そして関係される皆様に心からお慶び申し上げます。


  大学院での研究活動では、新たな発見の喜びや驚きが多々あったことと思います。また、新たな研究成果を求めて苦悶の日々を過ごされた方も多いのではないでしょうか。楽しいと思って始めた研究も、結果を出すまでには、いろいろなプロセスがあったことを思い出してください。初めに、ご自身の研究テーマに関して、すでに明らかにされてきた事実を勉強したことでしょう。次に、研究テーマにおける問題点を解明するための手技や手法を指導教員やメンターに教えてもらい、その手技や手法を用いて問題点の解明に向かって、研究活動に明け暮れたことでしょう。そして、論文に結びつくデータが得られた時の喜びは、研究に携わった本人にしか味わえないものとなったことでしょう。


  また、面白そうな別の問題の解明につながるようなデータが得られたこともあったと思います。そのようなときに、指導教員やメンターから脇道にそれないようにと指導を受け、なぜ、その研究を続けてはいけないのかと悔しい思いをされたことでしょう。そのような過程を経て学位論文をまとめ、今日に至ったと思います。そして、その過程の中で、皆さんの価値観や人間性が形成されていったのです。若いころの苦労は、お金を払ってでも経験しろと言われます。まさに皆さんは、大学院で授業料を払って、学位論文をまとめるために苦労をしてきました。その結果として得られたものは、学位記という1枚の証書でしかありませんが、その過程から得られたものは、何ものにも代えがたい皆さんの宝物となることでしょう。


  皆さんがこれから活躍する社会は、21世紀に入って大きく変貌してきています。特に、交通手段や情報通信技術の発達は、世界の色々な分野や地域にグローバル化をもたらし、何事も地球規模で考えなければならない時代を迎えています。それに伴い人々の価値観も大きく多様化しています。そのため、皆さんがこれから創り上げていく社会は、予想のつかない新しい形になっていくことでしょう。そのような社会の中で、生きがいを持って何かを創り上げていく過程は、まさに大学院で行ってきた研究の過程と似ています。大学院で学んだことや、一つの論文をまとめ上げるまでの苦労の一つ一つが、皆さんのこれからの生活に生きてくることでしょう。


  今日の修了式を迎えられた皆さんは、人生の新たなスタートラインに立っています。そして皆さんは、将来、社会をリードする立場に就くようになります。現代のように、グローバル化の進んだ社会で求められるリーダーは、他国の文化、社会システム、生活習慣や歴史を理解し、真に広い視野をもって思いやりに富んだリーダーシップのある方ではないでしょうか。そして、いつの時代もリーダーには、深い知性とその知性に裏打ちされた豊かな教養を身に付けていることが求められます。皆さんは、大学院での研究活動を通して、知性を磨いてきました。そして、この「知性を磨く」という行為は、大学院を修了しても終わりではありません。新しい環境の中で、これまでの研究活動で培った知恵と経験を駆使して、新しい課題を研究することにより、皆さん自身の知性を磨き続けてください。

  特に、これからの日本社会は、急速なクローバル化とともに人類がこれまで経験したことのない少子高齢化に突入します。そのため、労働人口の減少や高齢化への対応などが強く求められるでしょう。皆さんは、このような日本の状況を変革し、世界の中における日本の役割をしっかりと自覚して、リーダーとして、その中心的役割を果すことが求められています。皆さんが大学院での研究活動を介して身に付けた、自由なものの考え方、高いレベルでの科学的・文化的思考や技量、創造力あふれる人間力などを発揮し、絶えずご自身の知性を磨き続けるとともに、リーダーシップを発揮して、新しい日本を、そして、新しい世界を創り上げていただくことを切望いたします。

  今日まで指導してくれた教職員、共に学んだ先輩・後輩など、多くの方々が、皆さんの活躍を応援していることを忘れないでほしいと思います。そして千葉大学は、これからも皆さんの将来を見守り続けます。

  皆さんには是非、千葉大学の同窓生として、千葉大学を、そして後に続く後輩たちを、応援していただきますようお願いします。

  最後に、千葉大学での学びによって得た深い専門性と豊かな教養に自信と誇りを持って、大きく飛躍し、多方面で活躍されることを心より祈念し、私の告辞といたします

平成27年3月25日
千葉大学長 徳久剛史