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平成27年度千葉大学公開市民講座「安房を彫る―木を生かす人びとの営み―」を開催しました

掲載日:2015/12/18

 高等教育研究機構高大連携地域貢献部門の地域貢献専門部会では、南房総・安房に栄えた豊かな木彫文化について、さまざまな角度から掘り下げることをテーマとして掲げ、本年度は以下の公開市民講座を開催しました。

「安房を彫る―木を生かす人びとの営み―」
講演1:南総で活躍した二人の彫工・伊八と義光/石川 丈夫 氏(鴨川市郷土資料館 文化振興室長)
講演2:安房の木彫仏とその造形/池田 英真 氏(館山市商工観光課 主任学芸員)
講演3:安房の木彫の造形を3D形状測定によって分析する/久保 光徳(千葉大学大学院工学研究科 教授)
パネルディスカッション:
パネラー 稲垣 祥三 氏(寺社彫刻研究家・彫刻家)、石川 丈夫 氏、池田 英真 氏、久保 光徳 氏
司会   植田 憲(千葉大学大学院工学研究科 教授)
日 時:平成27年12月6日(日)13:00~16:40
会 場:工学系総合研究棟2 2階 コンファレンスルーム

 安房の地に栄える、仏像をはじめとする当地の人々の信仰に根ざした豊かな木彫文化をテーマに、前半では石川氏と池田氏にご講演をいただきました。石川氏には安房の地に生まれ育った武志伊八郎信由(初代伊八)と後藤利兵衛橘義光(初代義光)の造形にみられる主な共通点と相異点を語っていただきました。池田氏はこれらの彫刻を可能とした、平安時代の木彫仏にはじまる安房の木の造形の歴史をあとづけ、小松寺薬師寺如来立像の一見特異と見える造形の特質などをご紹介いただきました。休憩時間では千葉大学大学院工学研究科の学生たちの協力も得て、近年取り組んでいる3Dカメラによる木彫の測定などの実演がおこなわれ、あわせてパネラーのおひとり稲垣氏がご持参され会場に展示した欄間など後藤派の作品や下絵、そしてご愛用の道具をご説明いただきました。

 後半では、久保氏から3D形状測定によって得られる伊八および義光の造形の特質が提示され「文化」を分析し表現する、大学発の新たなアプローチが試みられました。つづくパネルディスカッションで稲垣氏を含め講演者一同から、伊八と義光の違いについて、あるいは3Dカメラなど科学の目がどれほど造形の秘密あるいは作者の内面に迫れるかという点などを論題に意見交換をおこないました。最後に参加者との質疑応答をおこない閉会の時間をむかえました。募集期間中に満員になるなど盛況で、定員150名全員が真摯に熱心に学ぶ大切な機会をもつことができました。

地域貢献専門部会では地域の皆さまの貴重なご意見をもとに、今後も公開市民講座を企画・開催してまいります。

当日の様子

パネルディスカッションの様子

3D展示

会場風景