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卒業生の皆さんへ

掲載日:2016/03/24

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。これまで千葉大学で学び、努力と研鑽を積んで来られた皆さんに対して、千葉大学の教職員を代表し、心 からお祝い申し上げます。また、これまで長きにわたり皆さんを支えて来られたご家族や関係される皆様に対しまして、心よりお慶びを申し上げますとともに、 深く敬意を表します。本日は誠におめでとうございます。

  千葉大学は、「つねに、より高きものをめざして」、広い視野をもって何事にも誠実に取り組む人材の育成を目指しています。そして卒業生の皆さんは、この千 葉大学の教育目標にそって勉学に励まれ、ご自身の専門性を磨かれ、精神的にも大きく成長されたことと思います。また、クラブ活動や社会活動などを通じ様々 な経験をする中から、たくさんの友人や楽しい思い出を作られたことと思います。大学時代の友人や思い出は、皆さんの生涯の大切な宝物となることでしょう。 教職員一同も、皆さんとともに過ごすことができた日々を誇りに思っています。そして、皆さんは本日晴れて学士の学位を取得され、これから進むべき道に、夢 と希望を膨らませていることと思います。

  私は、これまで皆さんに、楽しいと感じたり好きだと感じる分野で夢を描くようにと、お願いしてきました。その理由は、皆さんが夢を描き、その実現に向かっ て努力するなかから、皆さんの持つ才能に気付いてほしかったからです。夢は、実現させるためにあります。実現の可能性が全く無かったら、その夢は単なる 「あこがれ」でしかなく、その夢の実現に向かって努力しようとは思いません。皆さんが育んだ夢の実現に向かって努力し、その努力を諦めずに続けることがで きたら、そこに皆さんの才能が潜んでいるのです。

  私たち現生人類であるホモ・サピエンス種が約20万年前にアフリカで誕生したときに、現生人類は他の生物とは比較にならないほど高い知能を持つことになり ました。現生人類は、この先天的に備わった高度な「物事を理解したり、判断したりする能力」である「知能」を活用することにより、経験から得られた知識を 蓄積し、日常生活に応用し、教育により次代へ継承することにより、今日の繁栄を築いてきました。

  同時に20万年に及ぶ進化の過程で、染色体遺伝子に突然変異が導入されてホモ・サピエンス種の中に多様性が生まれてきました。その結果、私たちはホモ・サ ピエンス種としての高い知能とともに、それぞれの個人が異なる才能を持つことになりました。この才能のレベルが、普通の人がどんなに努力しても到達出来な い高いレベルである場合、そのような優れた才能を持つ人は天才と呼ばれます。私たちは、天才レベルとはいかないまでも、一人一人が何らかの優れた才能を 持っているのです。しかし、ほとんどの人は、自分の才能に気づかず、またその才能を発揮する機会のないまま過ごしています。

  昨年末に全日本囲碁選手権の小学生部門で名人になった本学の教育学部附属小学校6年生の男子生徒に会って、お祝いの言葉を伝えました。ご家族は3人兄弟 で、皆同じように父親から囲碁を習ったそうです。その中で、その小学生名人になった子だけが、めきめきと上達していったそうです。本人も、勝てるので楽し くて夢中になってしまったと話していました。諺(ことわざ)にいうところの「好きこそものの上手なれ」です。そして、名人になるという夢を描き、囲碁道場 に通って才能を伸ばして、ついに小学生名人として夢の一つを叶えました。

  このように、皆さんが楽しいと感じる分野に、皆さんの才能が潜んでいます。その才能は、個人にとって特別なもので、他人とは比較できません。皆さんは、こ れから社会へ出られてからも、与えられた環境の中で、皆さんが楽しいと感じる分野で夢を探してください。そして、描いた夢の実現に向けて努力する中で、自 分の才能がどこにあるのかを自覚し、その才能を伸ばす努力を継続させることにより、一つ一つ夢を叶えていってほしいと思います。

  今日の世界は、グローバル化の急速な進展により社会構造が著しく変化してきています。そして、新興国の経済的な発展により、あらゆる分野で国際競争が激化 しています。一方で、民族紛争に起因する難民問題ばかりでなく、地球規模での環境汚染や新興感染症の流行などの諸課題への対応が急務となっています。国内 では、少子高齢化による労働人口の減少や高齢化への対応、経済・財政状況の悪化、地方創成やエネルギー問題、自然災害への備えなど、喫緊の課題が山積して います。このような厳しい社会環境の中にあっても、皆さんは決して夢を失わずに、千葉大学で学び培ったことを最大限に活用して、皆さんの夢を実現されてい くことを願っています。

  そこで、新たな人生に向けて希望に燃えている皆さんへ、私が大切にしている言葉を贈ります。それは、千葉大学が育成を目指す人材像である「広い視野をもっ て何事にも誠実に取り組む人材」の中にある「誠実」という言葉です。社会で皆さんの夢を実現させていくには、仲間の助けが大きな力になるでしょう。そのよ うな仲間との繋がりを大切にするという思いから、何事にも「誠実」であってほしいと思います。この誠実さが、仲間の信頼を勝ち得ることにつながり、結果と して皆さんの夢が実現に近づくと確信しています。

  皆さんとともに学んだ教職員も、皆さんの活躍を期待しています。そして、千葉大学はこれからも、皆さんを応援し続けます。皆さんには是非、千葉大学の同窓生として、千葉大学を、そして後に続く後輩たちを応援していただきますようお願い致します。

  最後に、卒業生の皆さんが、千葉大学で学んだことに自信と誇りを持って、大きく飛躍し、多方面で活躍されることを心より祈念し、私の告辞といたします。本日は、ご卒業おめでとうございます。

平成28年3月23日
千葉大学長 徳久剛史