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修了生の皆さんへ

掲載日:2016/03/25

本日ここに、博士、修士、専門職の学位を授与された皆さん、おめでとうございます。素晴らしい研究の成果を収め、学位を取得されましたことに心からお祝い申し上げます。また、ご臨席賜りました齋藤前学長に御礼を申し上げますとともに、ご列席のご家族そして関係される皆様に、千葉大学の教職員を代表し、心からお慶びを申し上げます。

千葉大学は、「つねに、より高きものをめざして」、広い視野をもって何事にも誠実に取り組む人材の育成を目指しています。そして皆さんは、この千葉大学の人材育成目標にそって大学院において研究活動を行うことにより、ご自身の専門性を磨かれ、かつ様々な努力をされて、精神的にも大きく成長されたことと思います。

皆さんの大学院における研究活動は、いかがだったでしょうか。新たな研究成果を求めて苦悶の日々を過ごされた方も多いのではないでしょうか。論文に結びつくデータが得られた時の喜びは、研究に携わった本人にしか味わえないものであり、強く記憶に残ることとなったことでしょう。そのような過程を経て学位論文をまとめ、今日に至ったと思います。その過程の中で、皆さんの価値観や人間性が形成されていったのです。大学院における研究活動の成果物として皆さんが得るものは、学位記という1枚の証書でしかありません。しかし、その過程から得られた知識や経験は、皆さんのこれからの人生において、何かを創り上げるときの大きな原動力になることでしょう。

将来、皆さんは社会をリードする立場に就くようになります。そのために皆さんは、社会に出られてからもリーダーとしての素養を磨いていかなければなりません。これから皆さんが活躍する世界は、新たなグローバル化とともに、新興国の経済的な発展により、あらゆる分野で国際競争が激化しています。一方で、民族紛争に起因する難民問題ばかりでなく、地球規模での環境汚染や新興感染症の流行などの諸課題への対応が急務となっています。このような時代に求められるリーダーは、世界の歴史や文化、そして社会システムを理解し、広い視野にたってリーダーシップを発揮できなければなりません。そして、いつの時代もリーダーには、深い知性とその知性に裏打ちされた豊かな教養を身に付けていることが求められます。

皆さんは、大学院での研究活動を通して課題を解決するための方法を学ぶとともに、その過程でご自身の知性を磨いてきました。「物事の本質を知り、創造的に考える能力」である「知性」は、大学院における研究活動のなかから磨かれてきます。そして、この「知性を磨く」という行為は、大学院を修了しても終わりではありません。新しい環境の中で、これまでの研究活動で培った知恵と経験を駆使して、新しい課題を研究することにより、皆さん自身の知性を磨き続けてください。そして、そのような研究活動で培ってきた深い知性を基に、幅広い教養を身に付けるように努めてください。

我が国では、経済・財政状況の悪化、地方創成やエネルギー問題、自然災害への備えなど、喫緊の課題が山積しています。そして、少子化とともに人類がこれまで経験したことのない超高齢化の時代に突入します。そのため労働人口の減少や高齢化への対応などが強く求められるでしょう。皆さんは、このような日本の状況を変革し、世界の中における日本の役割をしっかりと自覚して、リーダーとして中心的役割を果すことが求められています。皆さんが大学院での研究活動を介して身に付けた、自由なものの考え方、高いレベルでの科学的・文化的思考や技量、創造力あふれる人間力などを発揮し、絶えずご自身の知性を磨き続けるとともに、広い視野にたってリーダーシップを発揮して、新しい日本を、そして、新しい世界を創り上げていただくことを切望いたします。

そこで、新たな人生に向けて希望に燃えている皆さんへ、私が大切にしている言葉を贈ります。それは、「誠実」と「思いやり」です。皆さんが社会でリーダーシップを発揮していくには、仲間の助けが大きな力になるでしょう。そのような仲間との繋がりを大切にするという思いから、何事にも「誠実」であってほしいと思います。この誠実さの次にくるのが、思いやりの心です。どのような相手にも思いやりの心をもって接してください。これから皆さんの社会的地位が高くなればなるほど、誠実さと相手を思いやる心の大切さが大きくなってきます。この誠実さと思いやりの心が、仲間の信頼を勝ち得ることにつながり、結果として皆さんのやりたいと思うことが実現に近づくと確信しています。

今日まで指導してくれた教職員、共に学んだ先輩・後輩など、多くの方々が、皆さんの活躍を応援していることを忘れないでほしいと思います。そして千葉大学は、これからも皆さんの将来を見守り続けます。皆さんには是非、千葉大学の同窓生として、千葉大学とともに、後に続く後輩たちを応援していただけますようお願い致します。

最後に、皆さんが、千葉大学での学びによって得た深い専門性と豊かな教養に自信と誇りを持って大きく飛躍し、未来の明るい社会をつくり出してゆくリーダーとして多方面で活躍されることを心より祈念し、私の告辞といたします。

平成28年3月25日
千葉大学長 徳久剛史