光渦を照射するだけで構造色を示すフォトニックリングを直接印刷! 次世代プリンタブルエレクトロニクス技術の確立
掲載日:2021/10/29
千葉大学分子キラリティー研究センターの尾松孝茂教授、桑折道済准教授、北海道大学大学院工学研究院の山根啓作准教授、大阪市立大学大学院理学研究科の柚山健一講師、大阪大学大学院基礎工学研究科の川野聡恭之教授らの共同研究グループは、誘電体(絶縁体)のナノ微粒子が分散して存在する液膜に光渦を照射することで、青から青緑の構造色を示すフォトニック構造のマイクロリングを印刷することに成功しました。さらに、金属のナノ微粒子が分散する液膜に光渦を照射することにより、単一の金属ナノ粒子を高精度(高解像度)で印刷できることも示しました。
これらの印刷技術は、マイクロリングレーザー、プラズモニックナノアンテナといった次世代の光通信や、バイオセンサーといったデバイス開発など、次世代プリンタブルエレクトロニクス技術の確立に繋がることが期待されます。また、光渦とナノ粒子の相互作用に基づくこれらの現象を応用することで、混合物中のナノ微粒子の種類(誘電体であるか金属であるか)に応じてナノ微粒子を空間的に分離する「光渦ナノ粒子ソーティング」という新しいナノ微粒子分離法が可能となります。
本研究成果は、2021年10月25日にドイツ学術誌「Nanophotonics」にてオンライン掲載されました。
異光渦ナノ粒子ソーティングの概念図
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