【President's Choice】新型コロナウイルス感染症における重症化予測マーカーの探索に関する研究成果を発表しました
第20号 2022年8月8日 ~学長室のいち推し"President's Choice"~
新型コロナウイルス感染症における重症化予測マーカーの探索に関する研究成果を発表しました
千葉大学医学部附属病院は8月1日に、2020年7⽉から取り組んでいる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化メカニズムを解明する臨床研究の成果が国際医学雑誌に掲載されたことを報告しました。
本臨床研究を開始した当時、私は大学院医学研究院長として、"研究力"を社会へ還元すべく、医学部附属病院と研究チームを結成しました。同大学院免疫発生学研究室での先行研究で分かったことをもとにMyl9というタンパク質に着目し、このMyl9が新型コロナウイルス感染症の病態や重症度に関与していると予測して、臨床研究を進めていきました。
そしてこのたび、新型コロナウイルスが肺の血管へ直接感染することで引き起こされる血管の傷が、血栓形成の原因となり、それに伴って放出されるMyl9が、新型コロナウイルス感染症の重症化判定および予測マーカーとなることを明らかにしました。
参考:医学部附属病院ニュースリリース(2022年8月1日)
本臨床研究を進めるにあたっては、医学部附属病院をはじめ多数の病院・研究機関、ならびに大変多くの患者さんとご家族の方にご協力いただきました。深く感謝申し上げます。
今後は、本研究で明らかになったことをもとに、重症化予測マーカーの簡易測定方法や新しい治療法の開発研究をしっかりと進めていくことで、社会への貢献を目指してまいります。