【President's Choice】「宇宙園芸研究センター」を設立 ~超高効率で資源循環型の食料生産システムを構築する国際研究拠点の形成~
第29号 2023年5月30日 ~学長室のいち推し"President's Choice"~
「宇宙園芸研究センター」を設立 ~超高効率で資源循環型の食料生産システムを構築する国際研究拠点の形成~
千葉大学は今年1月、園芸学研究院に「宇宙園芸研究センター」を設立し、5月17日に開所式と記念シンポジウムを松戸キャンパスで開催しました。
センター設置の目的は、宇宙環境・月面を想定した食料生産に関する課題解決です。
宇宙基本計画の「アルテミス計画」の推進によって、2030年代には100~1,000名程度が宇宙空間や月面に滞在・居住することが国内外で想定されています。人類の安全かつ持続的な活動を可能とする高効率な食料の生産・供給、資源循環型の食料生産システムの研究・開発が必須の課題となっており、千葉大学の園芸学研究院で培われた植物の閉鎖系栽培技術を宇宙空間における人類の生存技術に応用することが期待されています。
宇宙分野においても、最先端の農業・バイオ技術を適用した、持続可能な食料供給を実現する試みは世界的にみても新しい取り組みであり、今後、極限環境に向けて開発される技術は、月面などの宇宙居住の実用化に向けて貢献するだけではなく、地上の食料生産・リサイクル・環境保全の技術として、さらには農業・各種産業のゼロエミッション技術への展開が期待されます。
【学術的背景】
・2030年代には、100~1,000名程度が月面に居住すると想定
・宇宙基本計画の「アルテミス計画」など月面の探査・居住への検討が国内外で展開
・JAXAでは「月面農場」の実現に向け栽培技術・無人化技術・リサイクルについて検討
・食料の供給が必須の課題とされ、資源循環を取り入れた食料生産の重要性が指摘
・日本の国際宇宙探査シナリオ(案)2021(JAXA作成・2022年4月27日公開)のロードマップに、食料生産が掲載
・園芸学研究院で培われた閉鎖系栽培技術を宇宙空間における人類の生存技術に応用することが期待されている
【宇宙園芸研究センターHP】https://www.space-chiba-u.jp





