特色ある研究活動の成果
Research

アーバンデザインセンター「公民学連携」によるまちづくり

アーバンデザインセンター「公民学連携」によるまちづくり

UDCK理念図

図1:UDCK理念図

鈴木 弘樹准教授

鈴木 弘樹

Hiroki Suzuki

工学研究院 准教授

専門分野:建築設計・都市デザイン・建築計画・ランドスケープ

1991年東京電機大学大学院理工学研究科建設工学専攻修士課程修了、1991年~2006年栗生総合計画事務所勤務、2006年千葉大学工学部デザイン工学科助手、2007年東京大学 博士(工学)、2012年千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻准教授、現在に至る。
栗生総合計画事務所では、植村直己冒険館(日本建築学会賞作品賞)、平等院宝物館(日本芸術院賞)などを設計担当、平等院宝物館で日本建築学会作品選奨共同受賞。
千葉大学では、2006年から柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)開設からディレクター・空間デザインを担当、建築作品では、千葉大学ゐのはな同窓会館(日本建築学会作品選集)、千葉大学洗心倶楽部(日本造園学会作品選集)など受賞多数。世界の美しい庭園図鑑、日本の美しい庭園図鑑など著作も多数

どのような研究内容か?

 公(自治体)民(住民・民間企業)学(大学)連携で街の未来を考え、創る研究活動です。それを実現するためのプラットフォームが、アーバンデザインセンターです(図1)。

 まちは課題に満ち溢れています。日本では、少子高齢化による様々な問題、地方の荒廃、空家・シャッター商店街、社会インフラの劣化と更新、持続可能な社会の構築、CO2削減や環境問題など。まちは使い捨てるものではありません。そこに暮らし続けるため、我々は何をして、どう対策をとればいいのでしょうか?それぞれの専門家が個々に対応するだけでは、課題は解決しません。それをトータルに考え、課題解決のための関係性を構築し、マネージメントできるのは誰なのか?その一つとしてアーバンデザインセンターが国内外から、注目されています。アーバンデザインセンター(Urban Design Center)は、略称でUDCと言います。2006年11月の柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)創設時に構想された課題解決型=未来創造型まちづくりのための公・民・学連携のプラットフォームとして、現在全国に21拠点あり、様々な課題を解決するため研究活動をしています。今後も拠点が増えネットワークが強化されます。

何の役に立つ研究なのか?

 実例:アーバンデザインセンターによる柏の葉のまちづくり「スマートシティ」(図2)(図3)

 柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)は、創設以来、様々な活動をしてきました。
 今回は、現在取り組んでいるスマートシティについてお話しします。現在、国はスマートシティを推進しています。スマートシティは、都市の抱える諸課題に対して、ICT(情報通信技術)等の新技術を活用し、マネジメント(計画,整備,管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区のことです。柏の葉でも進めているスマートシティは、国内外で注目されています。様々な取り組みがありますが、今回は「健康」について紹介します。
 柏の葉では、子供からお年寄りまで、皆さんが健康で元気に暮らせる街を目指しています。人とデータが集まりやすい駅前の住民参加型の健康づくり拠点などから多様なデータを活用した健康サービス・アドバイスの提供ができるよう進めています。具体的には、データ分析から要介護者になりやすい生活習慣や病歴の特性を抽出し、健康寿命の延伸に向けた取り組みを行っています。

UDCKにご興味のある方は下記ホームページをご覧ください。
UDCK
https://www.udck.jp/
一般社団法人UDCイニシアチブ
https://udc-initiative.com/

柏の葉スマートシティの詳細は、下記のホームページをご覧ください。
https://www.kashiwanoha-smartcity.com/

今後の計画は?

 実例:アーバンデザインセンターを見据えた墨田区でのまちづくり(図4)

 23区内で唯一大学のなかった墨田区の京島地区に、千葉大学(2021年4月開設)と情報経営イノベーション専門職大学(2020年4月開学)のキャンパスが新しくできることになりました。我々は、UDCKを参考にアーバンデザインセンターを立ち上げるため、現在準備し、その一環で、鈴木研究室では、次の活動を行っています。
 アカデミックハウス(歴史的建築の保存再生)
 墨田区は、100年近く前の庶民の住宅が残された下町情緒が残る街です。大学ができることで、街には新たに学生が住むことになります。墨田区は、大学が無かったことから、学生が住む比較的安価で快適な住居が少ない地域です。キャンパス周辺には魅力的な古い木造建築がまだ多く残されています。しかし、古い木造建築は、耐火や耐震、景観として問題のあるケースが少なくありません。それらを解決するため、学生が「かんがえ」「つくり」「すむ」ことをスローガンとし、長屋や空家を改修するプロジェクトを立ち上げました。我々はそれらの建物を「アカデミックハウス」と名づけました。また、このプロジェクトは、学生が学び育つ実践教育の場としても位置づけられています。

関連ウェブサイトへのリンクURL

鈴木弘樹研究室:
https://chibau-cellbiology.jimdofree.com/

成果を客観的に示す論文や新聞等での掲載の紹介

スマートシティ国内事例10選【2020年最新版】
https://www.softbank.jp/biz/future_stride/entry/technology/smartcity_20200331_1/
街の住みここちランキング2019首都圏版 第5位 柏の葉キャンパス
https://www.kentaku.co.jp/sumicoco/2019/syutoken/
本当に住みやすい街大賞2020 第4位 柏の葉キャンパス
https://www.aruhi-corp.co.jp/cp/town_ranking/2020_kanto/senior/

研究への意気込みは?

 皆さんの暮らしのため、未来のため研究活動に邁進します。

学生や若手研究者へのメッセージ

 アーバンデザインセンターやスマートシティは、新しい分野です。それを担える人材は、高い専門性と幅広い知識・能力が必要になり、常に最新の知識を学び、クリエイティブな精神で課題に取り組む必要があります。それを担える人材は、現状多くはいません。新たな分野であるため大変なことも多いですが、日本の社会や未来のために貢献しているというやりがいを感じます。それらは、今後さらに重要性が増し、発展が期待できる分野です。皆さんと一緒に学び考えながら、明るい未来がつくれると良いと思います。

その他

 実例:千葉県富津市金谷地区(鋸山)でのまちづくり(図5)

 金谷地区は、鋸山と海が大変美しいまちです。その特性を活かした名物をつくるため、鈴木研究室では、ワインを鋸山と海で貯蔵し、熟成ワイン「山ワイン」「海ワイン」として開発中です。そのワインの一部は、東日本旅客鉄道株式会社との旅企画「清秋の金谷鋸山貯蔵ワインと絶景を楽しもう」に活用され2020年10月24日、31日に企画は実施されました。参加された方々から大変好評で、2021年も実施する予定です。

柏の葉中心地区全景

図2:柏の葉中心地区全景

柏の葉活動風景

図3:柏の葉活動風景

アカデミックハウス活動記録表紙 左:改修後 右:改修前

図4:アカデミックハウス活動記録表紙 左:改修後 右:改修前

鋸山でのワイン貯蔵風景

図5:鋸山でのワイン貯蔵風景