学科(専攻)・科目の種別等

共通専門基礎科目(物理学)
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授業コード G17323208 科目コード G173232
授業の方法 講義 単位数 2
期別 後期 曜日・時限 月4
授業科目

物理学CII 電磁気学入門2

Physics CII : Introduction to Electromagnetism 2
副題 磁気現象から物理学の本質に迫る
担当教員 松澤 孝幸
履修年次/セメスター   時間数 30時間 受入人数 最大で50人程度
受講対象 2T都A
教室等 D22
概要 ・工学において必要不可欠な(よく知られた)物理現象を理論によって再構築します。
・実験法則を原理として出発し、磁場(磁界)に関する物理現象の理論を講義します。
目的・目標 1.電磁現象を通じて、物理学の基本概念を習得し、工学で応用できるようになる素養を養います。
2.講義中に演習問題に取り組み、大学初年度で学んだ数学を使えるようになることを目標とします。
3.電磁現象にまつわる歴史的背景を紹介し、物理学が現実世界でどのように応用されているかを学び、過去から現在へと受け継がれてきた自然科学の意義についても考察します。
授業計画・授業内容 【第1章】「定常電流による静磁界」
 第1回:電流と磁界によって生じる力〜フレミングの左手の法則〜
 第2回:ローレンツ力〜運動する荷電粒子に働く力〜
 第3回:ビオ-サバールの法則(1)〜円形コイルの作る磁場〜
 第4回:ビオ-サバールの法則(2)〜直線電流の作る磁場〜
 第5回:アンペールの法則(1)〜直線電流の作る磁場〜
 第6回:アンペールの法則(2)〜ソレノイドコイルの問題〜
 第7回:中間テスト

【第2章】「時間変動する磁界」
 第8回:ローレンツ力と起電力
 第9回:ファラデー-レンツの法則
第10回:コイルの自己インダクタンス
第11回:コイルの相互インダクタンス

【第3章】「磁性体の性質」
第12回:磁気双極子モーメント
第13回:物質の磁化

【第4章】「電磁波の性質」
第14回:電磁波とマックスウェル方程式
第15回:学期末テスト

※ 受講者の人数やそのニーズによっては、計画が若干変わることがあります。
キーワード 電磁気学、磁場、磁界、磁束密度、磁性体、磁気双極子、磁化、ローレンツ力、ビオ-サバールの法則、アンペールの法則、ファラデーの法則、レンツの法則
教科書・参考書 ■ 橋元 淳一郎「単位が取れる電磁気学ノート」(講談社)
■ VD.バーガー/M.G.オルソン共著「電磁気学T」(培風館)
※ 物理に対して苦手意識がある人は、前者を購入して下さい(講義内容はこの本をベースに行われます)。大学初年度の微分積分学に苦手意識がなく、高校物理学の本質が理解できており、研究職を目指す人は後者の購入をお勧めします。
評価方法・基準 出席状況、中間試験、期末試験、レポート課題により総合的に評価します。具体的な評価方法は開講時に指示します。
関連科目 物理学CT電磁気学入門1(前期)、物理学演習CT電磁気学演習1(後期)
履修要件 前提条件として、「物理学CT電磁気学入門1」を受講済みの学生を対象とした電磁気学の講義(後半部分)です。しかしながら、やる気があれば、後期(本講義)のみの参加も可能とします。最近の2年間の現状としては、都市環境学科と画像工学科の学生が主な参加者でした。

※ 平成18年度は「物理学演習CU電磁気学演習2」とリンクした講義を行いましたが、平成19年度は独立して講義を行いました(平成20年度の連関についてはガイダンス時に明示します)。
備考 本講義では、科学における歴史的な人と人とのつながりを配慮し、実験法則をベースとして物理学の概念を構築することをテーマとしています。

ここ数年、証券偽装問題、耐震偽装問題、食品偽装問題などの不正が世間を騒がせました。このような問題の背景には、科学を道具としてしか考えない人たちにも問題があると思うのです。

例えば、建築の構造計算のメカニズムを理解せずに、マンションの耐震構造を計算している構造建築家がいたのであれば、用いた計算ソフトが不適切なものに改ざんされていたとしても、自らが不正に関与していることに気付けないでしょう。また、過去から現在へ受け継がれてきた科学の歴史に無関心な人は、目先の利益に目がくらみ、クリエーターたちの著作権を何食わぬ顔で侵害するのではないかと思うのです。

科学を学ぶときには、科学が過去の人類の努力によって成り立っていることを忘れてはならないと思うのです。同時に、科学はそのメカニズムを理解した上で使いこなさなければなりません。社会をより良いものにしたいと望むのであれば、若いときに物理学の概念を身に付ける苦労を強いられることは、とても有意義なことであると確信しています。