学科(専攻)・科目の種別等

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専門科目 生物生産科学科
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授業コード |
H11240201 |
科目コード |
H112402 |
授業の方法 |
講義 |
単位数 |
2 |
期別 |
前期 |
曜日・時限 |
火1 |
授業科目 |
応用昆虫学各論
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Insect Pest Management |
副題 |
作物や緑化樹を加害する「害虫」を紹介するとともに彼らをどう「管理」するのか |
担当教員 |
野村 昌史 |
履修年次/セメスター |
3〜4 |
時間数 |
90分 x 15回 |
受入人数 |
50人程度まで |
受講対象 |
自学部他学科(自研究科他専攻) |
可 |
他学部(他研究科) |
可 |
科目等履修生 |
可 |
応用昆虫学(概論)の履修者が望ましい。 |
教室等 |
園 310講義室 |
概要 |
昆虫の「害虫化」から、作物や栽培状況に応じた各種害虫とその防除法を紹介、IPM総合的害虫管理も解説する。この他にDNAを用いた昆虫の分子系統学的研究や環境問題との関わりなど最新の知見も概説し、より深い知識を身に付けることができる講義である。 |
目的・目標 |
本講義は2つの柱がある。一つは応用昆虫学の柱である害虫防除に関することである。受講者は作物や栽培状況によって発生する害虫やそれに対する防除法が異なることを学んでもらい、全滅させるのではなく、管理するのだという総合的害虫管理を理解することを目標とする。
もう一つの柱は分子系統学、環境昆虫学といった最新の成果などを含めた研究紹介である。様々な分野の研究紹介などを通して、受講者は昆虫の多様性や進化を学び昆虫に対するより深い理解を得ることを目標とする。
以上の2つの柱を興味深く理解してもらうことが目的である。 |
授業計画・授業内容 |
第1回(4/15).ガイダンスおよび害虫化について:私たちの周りに生息している「ただの虫」がどのような条件で「害虫」となっていくのかを具体例を示しながら解説する。
第2回(4/22).イネ、穀物の害虫:イネや穀物の害虫について概説し、どのような防除法をとるのが有効かについても説明する。
第3回(5/13).蔬菜の害虫:いろいろな野菜にはいろいろな害虫が存在するが、ただ農薬を散布するだけでなく様々な防除法が利用されている。これらについて説明する。
第4回(5/20).果樹の害虫:多年性の収穫形態をとる果樹の場合はイネや蔬菜などと異なる害虫の発生状況があり、防除法も異なっている。これらについて説明する。
第5回(5/27).工芸作物の害虫:他の栽培形態と異なる茶、桑などそして花卉などの害虫について説明し、その防除について解説する。
第6回(6/3).緑化樹の害虫:街路樹や生垣にも多くの害虫が発生する。これらを解説するとともに特徴的な防除法についても解説する。
第7回(6/10). テスト1:参考書や配付資料やノートの持ち込みは禁止
第8回(6/17). 昆虫の分子生物学的研究(1)種内変異解析:
いろいろな新しい知見が得られている昆虫の種内の変異解析を紹介し、分子系統学的な研究と他分野との関連などにもふれる。
第9回(6/24). 性フェロモン剤の利用と交信かく乱:
鱗翅目等の性フェロモンを合成・利用し、様々な研究が行われている。これらに加え壮大な研究紹介や大々的な交信かく乱防除法なども紹介する。
第10回(7/1). 総合的害虫管理(IPM):
Integrated Pest Managementとは何か?様々な取り組みを紹介するとともにこれからの害虫防除はどうなっていくのかを一緒に考えたい。
第11回(7/8). IPMによる害虫管理:
今回は実際にIPMの考え方を使った害虫管理体制を詳しく説明していく、すなわち化学的、生物的、物理的防除の中でIPMが活かされているものについて紹介する。
第12回(7/15). 天敵による害虫防除と3者系:
天敵昆虫を用いた防除を行う際にきわめて重要な関係である害虫、作物、天敵の3者系を利用した防除の最新知見なども紹介する
第13回(7/22). 昆虫の分子生物学的研究(2)分子系統と生態学:
DNA分析などの研究手法は昆虫学にも広く使われるようになっており、多くの有用な知見が得られている。これらを概説する。
第14回(7/29). 環境と昆虫:環境指標と保全生物学:
地球温暖化と昆虫の分布の関係や指標生物としての昆虫、さらにビオトープや、里山を保護・再生するなど保全生物学的取り組みを概説する。
第15回(7/31). テスト2:参考書や配付資料やノートの持ち込みは禁止 |
キーワード |
害虫管理,天敵、昆虫,IPM,作物保護,DNA 分子系統学 |
教科書・参考書 |
教科書ではなく参考書 ガイダンスで詳しく紹介する
植物防疫講座−害虫・有害動物編−/編集委員会編、日本植物防疫協会、1998
総合的害虫管理学/中筋房夫、著、養賢堂、1997
環境昆虫学/日高敏隆・松本義明、監修、東京大学出版会、1999
日本農業害虫大辞典/梅谷献二・岡田利承編、全国農村教育協会、2003
「ただの虫」を無視しない農業・生物多様性管理/桐谷圭治、築地書館、2004 |
評価方法・基準 |
テスト、講義への積極的関与等により総合的に評価する。
配点は、テストが90%、その他が10% |
関連科目 |
応用昆虫学、応用動物学、応用昆虫学実験、生物生産基礎科学実験B |
履修要件 |
応用昆虫学(前年度、後期開講)の履修者が望ましい |
備考 |
関連資格等:公務員試験(農学)受験科目の中には作物保護に関する問題が必ず含まれます。また、アセスメント関係の職種でも昆虫種の同定能力が求められています。これらへの対応も本講義の視野に入っています。 |