学科(専攻)・科目の種別等

|
共通専門基礎科目(物理学)
・・・・・・・・・・・・・・・
|
授業コード |
G17322103 |
科目コード |
G173221 |
授業の方法 |
講義 |
単位数 |
2 |
期別 |
前期 |
曜日・時限 |
水2 |
授業科目 |
物理学BI 力学入門1
|
Physics BI : Introduction to Mechanics 1 |
担当教員 |
中本 剛 |
履修年次/セメスター |
1年次/前期 |
時間数 |
32時間(16週) |
受入人数 |
80名 |
受講対象 |
1T電 |
教室等 |
工 17号棟 113教室 |
概要 |
自然科学の基礎となる運動の記述方法、ニュートンの運動法則、エネルギー保存法則、運動量と角運動量の保存法則、万有引力と惑星の運動など、ニュートン力学の基礎的事項を、教員が体系的に説明する。これらの項目の理解を助けるために、必要に応じて教員が受講者(学生)に課題を与えることもある。 |
目的・目標 |
一般目標
(1)質点の運動は、運動方程式を解くことによって数学的に記述できることを学生が理解する。
(2)力学は、公式を覚える学問ではないことを知る。
到達目標
(1)運動の法則を説明できる。
(2)質点の運動について、簡単な運動方程式を構築し、解くことができる。
(3)力のポテンシャルとエネルギーの保存を理解して説明できる。
(4)ケプラーの第1、第2、第3法則がニュートンの運動法則と万有引力の法則から導かれることを理解する。
(5)角運動量の時間的変化の割合は力のモーメントに等しいことを理解する。 |
授業計画・授業内容 |
1. 自然科学のなかでの、力学の位置付けと重要性について概説する。座標系、位置ベクトル、速度、加速度などのベクトル表現を理解する。
2. 物体の運動の変化と運動の第1、第2、第3法則の関係および慣性座標系について理解する。運動方程式において、力が作用しない場合と力が一定の場合について、運動方程式を積分することによって物体の位置と速度を求めることを説明する。
3. 1次元の運動に関して、力が位置の関数で与えられる場合に関して述べる。具体的には、調和振動の問題に関して、運動方程式を解く過程を説明する。
4. 一般に力が位置の関数として与えられた場合に、運動方程式を積分する、いわゆるエネルギー積分について説明する。エネルギー積分の結果からエネルギー保存の法則を導く。重力,単振動を例に、エネルギー保存則、相平面の説明を行う。
5. 2次元の運動に関して説明する。速度に比例する抵抗のある放物体に関して運動方程式を解く説明を行う。
6. 円運動の説明を行う。2次元、3次元の運動について,仕事を説明する。この場合の運動エネルギーに関して、エネルギー積分を行って式を誘導する。
7. 極座標表示した場合の運動エネルギーの表示式を導出する。2次元に関するポテンシャル、エネルギー保存の法則について説明する。仕事の計算のため、線積分の方法について説明を行う。
8. ケプラーの法則を示す。楕円の表示式について説明した後、中心力の定義を述べる。一つの中心力のみを受けて運動する質点の軌道は、力の中心を含む平面内にあることを示す。中心力が作用するときの運動方程式を導く。
9. 中心力が作用するときの運動方程式を利用してケプラーの第2法則を証明する。面積の定理、運動エネルギー、中心力の位置エネルギーを説明する。
10.楕円軌道を描く質点は距離の2乗に反比例する引力を受けることを示す。万有引力の法則について説明を行う。ケプラーの第3法則から万有引力の法則を導く。
11. 万有引力が作用するときには楕円軌道となることとエネルギー積分について説明する。惑星の位置の時間変化を説明する。保存力が多数、存在するときは、ポテンシャルを加え合わせればよいことを示す。球殻の物体による万有引力はその全質量が中心に集まったときの万有引力に等しいことを計算で示す。
12. 一様な密度の球、および密度が半径のみの関数である球による万有引力はその全質量が中心に集まったときの万有引力に等しいことを計算で示す。球殻内の万有引力について説明する。クーロン力による散乱を説明する。
13. 平面内の運動に関して、運動方程式から角運動量と力のモーメントの関係を導く。角運動量と力のモーメントの意味するところを示す。
14. 角運動量と面積速度について説明する。平面内の運動の結果を利用して、3次元空間の運動について角運動量ベクトルを説明する。ベクトル積の定義と性質について説明を行う。
15.スカラー3重積、ベクトル3重積について、その定義と性質について説明を行う。
16. 期末試験
授業は、板書とパワーポイントファイルのスライドを併用して行う。
必要に応じて、自宅で学習ができるように課題を与える。この課題は、成績評価の対象とはしない。受講生(学生)の理解をすすめるために、必要な場合は、授業中に課題の解答の説明を行う。 |
キーワード |
質点、ニュートンの運動法則、エネルギー保存法則 |
教科書・参考書 |
戸田盛和著「物理学入門コース1、力学」、岩波書店 |
評価方法・基準 |
成績評価は期末試験で評価する。単位を取得するためには、評点が60点以上であることを必要とする。試験を受験するためには、授業の欠席回数が3回以下でなければならない。 |
関連科目 |
力学B1演習、微積分学、線形代数学 |
履修要件 |
並行して開講されている、力学B1演習を履修すること。 |
備考 |
この授業では、授業開始直後にのみ、出席確認を行う。したがって、遅刻は欠席扱いとなる。病気や交通機関の遅れ、家庭の事情による欠席は、考慮するので、教員に知らせること。
2008度は、レポート課題、中間試験も行い、すべて採点・添削のうえで返却した。これには多大な労力を要した。しかし、この方式に対する誹謗,中傷が多く、非常に不評であった。さらに、教科書に記述してある事項は板書するなという意見が寄せられた。
このため、2009年度は、板書とパワーポイントファイルによるスライドを併用して授業を行った。期末試験でのみ成績評価を行った。それに加えて、受講生の理解をすすめるために、成績評価に加えない自由課題も与えて授業中に、詳細に解答を行った。しかし、この方式にも誹謗中傷が多く寄せられた。このように、教員がどのような方策を施しても、学生からの心ない罵声は絶えない。
本年度は、学生からの誹謗、中傷、罵声は許さないのは言うまでもなく、この授業の方針にしたがうことができない学生の受講は認めないことを申し伝えておく。 |