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専門基礎科目 必修科目
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授業コード N11300101 科目コード N113001
授業の方法   単位数 2
期別 前期 曜日・時限 木3
授業科目

形態機能学I(人体構造学)

副題 人体構造学
担当教員 山田 重行
履修年次/セメスター 1年次/1セメスター 時間数 30 受入人数 80人
受講対象 1年次生
教室等 第一講義室
概要 形態形成により人体が造られ、器官の形態は機能を生み出し、機能は形態に規定される。人体機能や病態の理解には人体構造学の習得が必須との見地から、人体の形態を「栄養ー生殖」の過程と「感覚ー運動」の過程に関わる器官に大別し、生の営みの視点から解説する。
目的・目標 目的:人間の身体的側面を理解するために、人体のさまざまな器官系の基本的形態(形と場を含めたその組み立て)および医療の共通言語である解剖学的名称を学ぶ。
目標:個々の器官系を相互に関連づけ、人体のなりたちを生の営みの視点から総合的に理解する。
授業計画・授業内容 ◇1〜7回
T 総論
  1 生命の形態学
  2 生のかたちの根源
  3 植物性(「栄養ー生殖」の過程)器官と動物性(「感覚ー運動」の過程)器官
  4 内外二重円筒の動物体制
U 人体における植物性器官
  1 吸収系(消化・呼吸系)
   A 消化・呼吸系の歴史−胃と肺ができるまで
   B 人の消化器
     1) 口(くち)− 上顎骨と下顎骨、歯、舌、唾液腺(口腔腺)
     2) のど(咽頭)
     3) 食道と胃− 消化管の三層構造、胃の消化
     4) 肝臓・膵臓 と十二指腸− 十二指腸、肝臓、肝臓の働き、膵臓
     5) 小腸・大腸・肛門− 小腸、大腸、腸の粘膜、腸の消化・吸収、 
       腸の運動と排便
   C 人の呼吸器
     1) 鼻
     2) 喉頭と気管
     3) 肺− 肺胞膜の構造
     4) 胸郭− 内呼吸と外呼吸、空気の往復、胸式呼吸と腹式呼吸
  2 循環系(血液・脈管系)
    A 循環系の歴史-人間の心臓ができるまで
    B 人の循環系
     1)血液系− 血液の性質、血液細胞の種類、内分泌器
      2)脈管系− 動脈と静脈、血管壁の構造、毛細血管、血液脳関門
        リンパ管、 リンパ節、リンパ毛細管とその透過性、
        大循環、門脈の走行、小循環、循環系各部位における血圧、
        心臓、心臓の栄養血管、刺激伝導系、胎児の循環系、胎盤  
  3 排出系(泌尿・生殖系)
   A 泌尿・生殖系の歴史-両者が離れるまで
   B 泌尿系
      1) 腎臓・尿管・膀胱・尿道− 腎臓の構造、ネフロンの構造、尿の製造・
       排出
   C 生殖系
       1)卵巣
      2)卵管、子宮および膣、陰門、会陰
      3)精巣
      4)精管、精嚢、射精管および陰茎
      5)性周期と月経− 出産および授乳
  課題: 消化系、呼吸系、循環系、泌尿・生殖系
◇8〜15回
V 人体における動物性器官
  1 受容系(感覚系)
    A 感覚系の歴史-五感がそろうまで
    B 人の感覚器
      1)近接受容器-身近の変化に感ずるもの
       a)触覚器(皮膚)− 角質の鱗片剥離まで、皮膚の神経終末
       b)味覚器(舌の粘膜)− 味の分布
      2)遠隔受容器-遠くからの変化に感ずるもの
       a)嗅覚器(鼻の粘膜)
       b)聴覚器(耳)− 伝音部、感音部
       c)視覚器(眼)− 眼の三層、涙の道、眼の筋肉・焦点の調節、外眼筋
と眼球運動の方向
      3)自己受容器-自分の変化に感ずるもの
       a)平衡覚器
       b)内受容器
  2 達系(末梢・中枢神経系)
    A 神経系の歴史-人間の脳ができるまで
    B 人の末梢神経系
      1)脳神経
      2)脊髄神経
       a)動物性脊髄(体性)神経− 脊髄神経の皮膚知覚支配
       b)植物性脊髄(自律)神経
    C 人の中枢神経系−中枢神経の解剖学的区分、脳脊髄腔
      1)大脳−大脳外側面の構造、大脳半球裂側面の構造、大脳皮質の機能局在
主要な連合線維と交連線維、間脳、視床下部を構成する核群、
大脳基底核、大脳辺縁系
      2)小脳
      3)脳幹−脳幹網様体
      4)脊髄−脊髄の保護組織、脊髄における神経路
    ◎神経のしくみと働きの例示
      −排尿と神経のしくみ
      −排便と神経のしくみ
      −嚥下と神経のしくみ
      −しゃっくり(吃逆)
      −嘔吐反射と神経のしくみ
      −味覚伝達のしくみ
      −嗅覚神経路と嗅覚反射     
      −視神経経路とその損傷による視野障害
      −膝蓋腱反射と筋紡錘、腱紡錘との関係
  3 実施系(筋肉・骨格系)
    A 運動系の歴史-直立まで
    B 人の運動系
      1)筋肉−横紋筋、平滑筋、心筋
      2)骨−骨の成分・構造、骨芽細胞と破骨細胞、骨の連結
      3)体幹の骨格と筋肉
      4)四肢の骨格と筋肉
      5)骨盤
  課題: 感覚系、中枢・末梢神経系、筋肉・骨格系  
◇16回
  試験
キーワード 人体構造学 系統解剖学 局所解剖学 体表解剖学 臨床解剖学 
教科書・参考書 1)解剖学アトラス 第3版 越智淳三 訳 文光堂(1990/9) ¥10000
2)新体系看護学(1)内山安男 養老孟司 編纂 メヂカルフレンド社(2004/12) ¥4800
3)入門人体解剖学 改訂第4版 藤田恒夫 著 南光堂 (2000/11) ¥5000
4)図解 解剖学事典 第2版 山田英智 監訳 医学書院 (1994/4) ¥3200
教科書として当教育研究分野作成の電子テキスト(人体構造学)を各人に無料配布する。
評価方法・基準 基本的な知識を整理し理解することを目的として、15回の講義終了後筆記試験を行う。60点以上を合格とする。
関連科目 一般生物学
履修要件 なし
備考 「学生による授業評価アンケート」を15回目の講義終了時に行う。
電子テキストはPDFファイル形式でCDに入れてあるので、パソコンを使えることが望ましい。