学科(専攻)・科目の種別等

専門科目 地球科学科
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授業コード S15474101 科目コード S154741
授業の方法 実習 単位数 1
期別 前期 曜日・時限 集中
授業科目

雪氷学実験

副題 雪氷観測の基礎
担当教員 竹内 望
履修年次/セメスター 3年/前期 時間数 15時間 受入人数 10
概要 残雪期の日本の山岳地帯において,積雪断面観測,積雪の採取と分析,氷河地形の観察,雪氷生物の観察などの技術を習得し,雪氷圏の変動と気候システムへの役割,雪氷を使った環境解析の基礎を理解する.
目的・目標 この実験の目的は,地球科学に関する幅広い知識を利用して,社会的・学術的な問題点の把握,研究立案,研究の実施と解析などを行い,結果のとりまとめや報告・討論をおこなう統合的な能力を身につけることである.(JABEEの学習目標(E)に相当する).特に,(1)積雪の断面観測,(2)積雪のアルベドと融解過程,(3)氷河地形と氷河変動,(4)極限環境生物と地球環境,などを相互に関連づけて体系的に理解することを目標とする
授業計画・授業内容 富山県立山室堂平周辺(標高約2,400m)で1泊2日(東京発着夜行利用でプラス車中往復2泊)の野外実習をおこなう.地学実験室にて,実習前にガイダンス,実習後にサンプルの分析,結果の整理とその発表を行う.
野外実習では,特に以下の点について学習する.
(1)積雪断面観測:積雪の堆積・変成過程,黄砂層の形成,アイスコア分析への応用方法の理解
(2)積雪表面の観察と反射率の測定:積雪表面の熱収支,アルベドと雪氷融解過程の理解
(3)氷河地形の観察:氷期における氷河の拡大,気候変動と雪氷圏変動の理解
(4)雪氷生物の観察:雪氷藻類による赤雪現象,セッケイカワゲラなどの観察から,極限環境生物と環境との相互作用の理解
実習に先立ち,下記参考書(図書館にあり)をつかって,雪氷現象に関わる用語や観測方法について,各自で予習しておくこと.
キーワード 氷河,氷河地形,雪氷,積雪,黄砂,モンスーン,山岳環境,極限環境生物
教科書・参考書 基礎雪氷学講座(古今書院) 1.雪氷の構造と物性,2.降雪現象と積雪現象,3.雪氷水文現象,5.氷河
ヒマラヤと地球温暖化 消えゆく氷河,昭和堂
評価方法・基準 評価方法は,上記(1)〜(4)の目標の到達度に対して,実習への取り組み(20%),実習結果の発表(30%),レポート(50%)とする。上記(1)〜(4)の割合は,それぞれ25%とする。評価は,野外における各観測,測定,解析の達成度および理解度,実習結果発表の達成度,レポートの完成度を基準とする。
関連科目 地表動態学概論,地表動態学実験,地球生理学,地球科学A
履修要件 地表動態学概論,地表動態学実験,地球生理学を履修済み,もしくは現在履修中であること.履修希望者が受け入れ人数を超過した場合,2年次の地表動態学概論または地表動態学実験が不可だった者は,本実験の履修はできない.
備考 野外実習は,6/17(金夜発)ー6/19(日)の予定.悪天候が予想される場合は,次週以降に延期.
事前講習は6/2,実習結果発表会は7/14に行う.
野外活動での事故防止のため,ガイダンスには必ず出席し,危険事項の確認をすること.
往復の交通費,宿泊費,食費は各自の負担(約2.5万円).また,野外活動に必要な個人装備(長靴,雨具,防寒具,バックパックほか)も,原則として各自で用意する.くわしくはガイダンスで説明する.
卒業研究時に,雪氷・生物学分野への配属を希望する場合,本授業の単位を取得していることが,優先配属の条件となる.ただし,受け入れ人数制限により履修できなかった場合は,その旨考慮する.