学科(専攻)・科目の種別等

情報(M)画像マテリアルコース
・・・・・・・・・・・・・・・
授業コード Y22100401 科目コード Y221004
授業の方法 講義 単位数 2
期別 前期 曜日・時限 火4
授業科目

像物質科学

Material Science for Imaging
副題 工業的な画像形成における光機能材料とその物性および反応
担当教員 高原 茂
履修年次/セメスター   時間数 2 受入人数  
受講対象 自学部他学科(自研究科他専攻)  
他学部(他研究科)
科目等履修生
概要 画像形成の化学的,物理的過程に関する光や熱などのエネルギーと物質との相互作用を解説する。特に,材料設計を念頭において,固体中の会合や組織体に特有な光化学について物質工学的な解析方法や形成手法から論ずる。また演習的な課題を解き,実際の方法について学ぶ。さらにフォトポリマーに関する学会での発表を教材として最新の研究開発動向について調べ,この領域における課題とその解決方法について学ぶ。
目的・目標 高い機能性が要求される工業的な画像形成技術について,やや高度な専門的トピックスを理解する。フォトポリマーに関する学会での発表を教材として専門的な知識を自ら吸収して、互いに議論する学問的態度・スキルを得る。これによって,次代のリソグラフィー材料・情報変換材料の基礎項目について最近の動向も含めて,自主的に考察を深めることができることを目的とする。
[1] 材料開発に含まれる,いくつかの科学的現象である会合や反応中間体の知識や活用を理解する。
[2] この分野の知識のみでなく,学生自身の技術観・科学観を含んだ議論が含まれた上での技術の位置づけができる。
[4] 2−3人のチームにより共同してひとつの発表にする作業により技術者としての協調性を磨く。
[5] 自分が所属する研究分野だけでなく,異なる技術へも関心を広める積極的な態度を養う。
授業計画・授業内容 [第1回] 講義ガイダンス
講義の概要について説明する。フォトポリマーに関する資料を配布する。

[第2回] 分子の会合と光特性1 (講義1)
分子の会合現象について解析し, H会合体やJ会合体がカーシャモデルから説明される例について解説する。第3回の演習1 会合定数の求め方の問題を説明し,次回までの演習分担をあてる。(演習1レポート課題)

[第3回] 分子の会合と光特性2(演習1 会合定数の求め方)
あらかじめ指名された受講者は会合定数の求め方の問題をパワーポイントなどで発表し,討論する。受講者は,問題の会合定数をあらかじめ求めておき,授業中にレポートとして提出することが求められる。(演習1レポート提出)

[第4回] トポロジーと光反応1(講義2)
固体中での光反応を考える上でのユニークな整理のしかたとしてトポロジー的な概念を導入した例を紹介する。光反応で生じる反応中間種のいくつかの過渡吸収について第4回の消光定数の求め方の問題を説明し,次回までの演習分担をあてる。(演習2レポート課題)

[第5回] トポロジーと光反応2(演習2 消光定数の求め方)
あらかじめ指名された受講者は会合定数の求め方の問題をパワーポイントなどで発表し,討論する。受講者は,問題の消光定数をあらかじめ求めておき,授業中にレポートとして提出することが求められる。(演習2レポート提出)

[第6回] 光化学とフォトポリマー1(講義3)
 光反応性材料としての重要な応用技術であるフォトポリマーに関する基本的な光反応について解説する。最新のリソグラフィー技術に関する基本的な概念や方法について課題を分担してあてる。(演習3レポート課題)

[第7回] 光化学とフォトポリマー2(演習3 概念・方法)
あらかじめ指名された受講者は最新のリソグラフィー技術に関する概念・方法に関する課題についてパワーポイントなどにまとめて発表し,受講者全員で討論する。受講者は,リソグラフィー技術に関する概念・方法に関する課題についてあらかじめまとめておき,授業中にレポートとして提出することが求められる。(演習3レポート提出)

[第8回] リソグラフィー技術と分子性材料1(講義4)
 リソグラフィー技術の中に存在する 自己組織化につながる現象や分子レジストとしての発展性について解説する。受講者は第一回目で配布されたフォトポリマーに関する資料の中から,論文をひとつ選択し,自分の課題とする。(演習4レポート課題)

[第9回] リソグラフィー技術と分子性材料2(演習4 論文の紹介)
あらかじめ指名された受講者は自分が選択した論文について,パワーポイントなどにまとめて発表し,受講者全員で討論する。受講者は,自分が選択した論文についてあらかじめまとめておき,授業中にレポートとして提出することが求められる。(演習4レポート提出)。
また,受講者は,2−3名でグループをつくり,共同で第10回-13回の授業において学会を聴講する予定の提出が求められる。(演習5課題)

[第10回-13回] 最近の研究トピックス調査(演習5の準備) 
*けやき会館で開かれるフォトポリマーコンファレンスを聴講し、最近の研究トピックスについて英語と日本語それぞれ一件合計2件の発表について2−3人で共同して,背景や概念,用語・類似の研究発表など参考となる基本的なことがらも含めて用意し,分担して紹介する。

[第14回] 最近の研究トピックス調査 発表と討論 1 (演習5)
受講者は自分たちのグループが選択した論文について,パワーポイントなどにまとめて約20分をめどに発表し,受講者全員で討論することが求められる。受講者は,自分が選択した論文についてあらかじめまとめておき,授業中にレポートとして提出することが求められる。パワーポイント原稿でも可とする。(演習5 課題レポート)

[第15回] 最近の研究トピックス調査 発表と討論 2 (演習5)
 14回に引き続き発表・討論を行い,課題を提出する。
キーワード 会合,光反応,反応解析,フォトポリマー
教科書・参考書 講義・演習資料は授業中に配布するが,Moodle[https://www.consortium.ge.chiba-u.jp/moodle10/]を使用するので登録しておくこと。

V. Ramamurthy, Photochemistry in Organized & Constrained Media, VCH (1991)
評価方法・基準 11/15以上の出席が単位取得に必要である。

演習1〜4レポート(各10% 計40%),演習1〜3でのプレゼンテーション(1−2回 計15%),演習4でのプレゼンテーション(15%),最近の研究トピックス調査発表と討論(演習5,プレゼンテーション25%,討論5% 計30%)の比率で評価される。

授業レポートはA4で1〜2枚程度にまとめることが望ましい。
演習1〜3のプレゼンテーションは,基本的なことからわかりやすくまとめ,20分程度とする。
演習4「論文の紹介」のプレゼンテーションはおおむね10分とする。
演習5「最近の研究トピックス調査」のプレゼンテーションはおおむね20分とする。単に内容のまとめだけでなく学生自身の技術観・科学観を含んだ議論が含まれることが望ましい。協調性をもって2−3人のチームにより共同してひとつの発表にすることすることが望ましい。自分の分野だけでなく異なる技術への知識を広める態度で臨むことを求め,基礎的なことも調べたうえで研究の位置づけができる能力を評価する。また積極的な議論を求める。
備考 初回講義ガイダンスは工学部棟9−205に集合のこと。

フォトポリマーに関する学会での発表を教材として最新の研究開発動向について調べ、この領域における課題とその解決方法について学ぶ。学生にはフォトポリマーに関する国際学会に参加できるよう教員側で手配する。