学科(専攻)・科目の種別等
Department/Division

法経学部
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授業コード
Class Code
A122A0601 科目コード
Course Code
A122A06
授業の方法
Course Type
講義 単位数
Credits
4
期別
Semester Offered
通期 曜日・時限
Day & Period
金4
授業科目
Course Title

社会思想史

History of Social Thoughts
副題
Subtitle
市民社会思想におけるヨーロッパと日本
担当教員
Instructor
安孫子 誠男,シラバス入力担当
履修年次/セメスター
Students' Year/Semester to take the Course
1・2年  通期 時間数
Total Hours
60 受入人数
Maximum Number of Students
300
受講対象
Students for whom Course is Intended
自学部他学科(自研究科他専攻)  
Students of Other Departments
他学部(他研究科)
Students of Other Schools
科目等履修生
Non-degree Students
概要
Brief Description
「市民社会思想におけるヨーロッパと日本」というテーマを史的〈追思考〉という手法で講ずる。社会思想の巨人たちが時代の基本テーマをどう捉え、それにどのような解答を与えようとしたかを、時代の文脈と現代への射程をともに視野におきつつ浮彫りにする。
目的・目標
Objectives and Goals
社会を総体的に捉える〈複眼〉を養うこと、社会を構造的・国際比較的に捉える眼をきたえることを目標とする。ヨーロッパで形成された「市民社会思想」の諸相と、それらが日本においてどのように〈受容〉されたかについて論じながら、講義の総体が何ほどかいわば「日本社会の批判的自己認識ないし相対化」に資するように構成したい。
授業計画・授業内容
Course Plans and Contents
前半では、ヨーロッパ(おもに英仏独)における市民社会思想の形成・展開・変容について論じ、後半では、日本におけるいわゆる「市民社会論」としてのヨーロッパ思想の〈受容と変容〉について論ずる。(毎回配布する資料は必ず読んで講義を受けること。)

 1.序 主題と視角 (1) A 問題史としての思想史
 2.序 主題と視角 (2) B 日本の市民社会論 ― 〈市民的なもの〉と〈ナショナルなもの〉と 
 3.T 市民社会思想の形成 Tー1 マキャべり思想の〈近代性〉
 4.Tー2 イギリス市民社会思想の形成 A T.ホッブズ自然法論の両義性
 5.Tー2 イギリス市民社会思想の形成 B J.ロックの市民政府論
 6.Tー2 イギリス市民社会思想の形成 C A. スミスの市民社会論 (1) スミス『道徳感情論』
7.Tー2 イギリス市民社会思想の形成 C A.スミスの市民社会論 (2) スミス『諸国民の富』
 8.Tー3 フランス啓蒙思想とJ.-J.ルソー A カラス事件のヴォルテール ―『寛容論』について
 9.Tー3 フランス啓蒙思想とJ.-J.ルソー B 啓蒙的思想像の二方向 ― ケネーとルソー
 10.Tー3 フランス啓蒙思想とJ.-J.ルソー C J.-J.ルソーの社会思想 (1) 『人間不平等起源論』のルソー
 11. Tー3 フランス啓蒙思想とJ.-J.ルソー C J.-J.ルソーの社会思想 (2) 『社会契約論』― 「人民の自己統治」論
 12. Tー4 小括 自然権思想における〈ルソーとスミス〉
 13. U 市民社会論の展開と変容 Uー1 市民社会思想のドイツ的受容 ― 〈市民社会と国家〉問題 
 14. Uー2 ヘーゲルの社会思想 A ヘーゲル社会哲学の課題
 15. Uー2 ヘーゲルの社会思想 B ヘーゲル『法の哲学』
 16. Uー3 マルクスの社会思想 A 初期マルクスにおける〈市民社会と国家〉  17. Uー3 マルクスの社会思想 B 『資本論』の世界
 18. Uー3 マルクスの社会思想 C マルクスを超えるマルクス ― 世界史像の転回
 19. Uー4 〈マルクスとヴェーバー〉問題 A M.ヴェーバー社会認識の方法
 20. Uー4 〈マルクスとヴェーバー〉問題 B ヴェーバーの官僚制批判
 21. V 日本の市民社会思想  Vー1 問題史的系譜
 22. Vー2 丸山眞男―「国民主義のデモクラシー」論 A「超国家主義の論理と心理」
 23. Vー2 丸山眞男―「国民主義のデモクラシー」論 B『日本の思想』の思想像
 24. Vー2 丸山眞男―「国民主義のデモクラシー」論 C 〈市民社会と大衆社会〉問題
 25. Vー3 内田義彦 A 市民社会と資本主義 ―『日本資本主義の思想像』
 26. Vー3 内田義彦 B 「自覚的個人」の市民社会 ―『作品としての社会科学』
 27. Vー4 平田清明 A 『市民社会と社会主義』の思想像
 28. Vー4 平田清明 B 「政治社会の市民社会への再吸収」― グラムシ受容の射程
 29. Vー5 市民社会論批判の諸相
 30. 結び 日本の市民社会論の可能性 ― トランスナショナル(民際的)な市民社会へ
キーワード
Keywords
市民社会、大衆社会、デモクラシー、ナショナリズム、公共性
教科書・参考書
Textbooks/Reference Books
内田義彦『社会認識の歩み』『資本論の世界』『読書と社会科学』(岩波新書)
 同  『生きること 学ぶこと』(藤原書店)
丸山眞男『日本の思想』(岩波新書)『福沢諭吉の哲学』(岩波文庫)『忠誠と反逆』(ちくま学芸文庫)
大塚久雄『社会科学の方法』『社会科学における人間』(岩波新書)
山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』(岩波新書)
瞠目卓生『アダム・スミス―「道徳感情論」と「国富論」の世界』(中公新書)
植村邦彦『市民社会とは何か:基本概念の系譜』(平凡社新書)
平田清明『市民社会思想の古典と現代』(有斐閣)
八木紀一郎・山田鋭夫・千賀重義・野沢敏治編『復権する市民社会論』(日本評論社)
評価方法・基準
Evaluation Procedures and Criteria
数回の小レポート、夏季課題、および期末テストにより、総合的に評価する。
 (夏季課題および期末テスト 各40%、小レポート 20%) 
関連科目
Related Courses
政治思想史、経済学説史