学科(専攻)・科目の種別等 Department/Division

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教養展開科目(文化コア関連)
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授業コード Class Code |
G15C08901 |
科目コード Course Code |
G15C089 |
授業の方法 Course Type |
講義 |
単位数 Credits |
2 |
期別 Semester Offered |
後期 |
曜日・時限 Day & Period |
月3 |
授業科目 Course Title |
日本美術史A
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History of Japanese arts A |
副題 Subtitle |
描かれた「人のすがた/かたち」 |
担当教員 Instructor |
池田 忍 |
教室等 Classroom |
G3-11 |
概要 Brief Description |
絵巻や屏風をはじめとする日本絵画の諸形態や技法について学び、それに親しみつつ、描かれた「人のすがた/かたち」に注目することで、それぞれの作品を生み、享受した時代の社会についての考察を試みる。「人のすがた」と言えば、肖像画(ポートレイト)を思い浮かべる人が多いかもしれない。だがこの講義では、併せて物語絵画や風俗画、あるいは近・現代の美術やポスター(広告)といったメディアにも目を向ける。「人のすがた/かたち」を描く絵画作品(視覚イメージ)が、過去の、そして現代の私たちのものの見方や考え方にどのように関わってきたのかを考える。 |
目的・目標 Objectives and Goals
15 Core Competencies for General Education | 日本絵画には、どのような人々の、どのような場における、どのような行為が描かれてきたのか。憧れや理想の対象、あるいは嫌悪や憎しみの対象として描かれてきた「人のすがた」の分析を通じて、絵画を生み出した日本社会(その中の特定の集団)の価値観、自己像や「他者」像の構築過程について考えることが、この講義の目的である。
絵巻や屏風をはじめとする日本絵画の諸形態や技法について学び、それに親しむ。併せて絵画(視覚イメージ)の意味や機能を、それが制作・受容された社会、観賞の場を踏まえて、読み解く力を養う。美術作品を前にする私たちが、その解釈の方法と可能性を学ぶ中で、「他者」の価値観やものの見方に出会い、自らを見つめる機とする。 |
1_知へのいざない Introduction to Knowledge |
知識力 Knowledge | ○ |
探究力 Exploration | ○ |
技術力 Technique | |
情報力 Information | |
批判力 Critical Thinking | ○ |
2_人間のふるまい Human Behavior |
倫理観 Ethics | ○ |
実践力 Practice | |
社会性 Sociability | ○ |
自然観 View of Nature | |
創造性 Creativity | |
3_社会とのかかわり Social Engagement |
国際力 Global Attitude | ○ |
地域力 Community Oriented Attitude | |
生活力 Vitality | |
指導力 Leadership | |
主体性 Independence | ○ |
授業計画・授業内容 Course Plans and Contents |
第1回 イントロダクション
第2回 中国の人はどのように描かれたか(1)平安絵画の「唐絵」を見る
第3回 中国の人はどのように描かれたか (2)「吉備大臣入唐絵巻」見る
第4回 中世前期の肖像画 (1)物語絵画と「似絵」(にせえ)
第5回 中世前期の肖像画 (2)行事絵と「似絵」
第5回 「高僧」の肖像画
第6回 合戦絵の中の「敵」のイメージ (1) 描かれた武士
第7回 合戦絵の中の「敵」のイメージ (2) 描かれた「鬼」
第8回 描かれた異界と人々 地獄、竜宮など
第9回 描かれた異国と人々 南蛮屏風を見る
第10回 描かれた異域と人々 「アイヌ絵」を見る
第11回 描かれた異国と自国の人々 洋風画、長崎絵など
第12回 近代日本の視覚表象に表された「アジア」
第13回 近代日本の自己表象とまなざしの対象としての「日本」(1)
第14回 「他者」のまなざし ―フェミニズムアート、アイヌ・アート、沖縄の現代美術など
*講義では、提示した絵画などの視覚イメージ、資料、講義内容に関して、毎回コメントを書いて提出してもらう。視覚イメージを受身で眺めるのではなく、イメージが私たちに何を訴え、どのように働きかけてきたのかを考えることが求められる。
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キーワード Keywords |
視覚イメージ、肖像画、物語絵画、風俗画、「他者」、ジェンダー、ステレオタイプ |
教科書・参考書 Textbooks/Reference Books |
・千野香織「醜い女はなぜ描かれたか ―中世の絵巻を読み解く『行為体』とジェンダー」『歴史学研究』増刊号、1999年10月号
・『千野香織著作集』ブリュッケ、2010年
・ 鈴木杜幾子/千野香織/馬渕明子 編著『美術とジェンダー ― 非対称の視線』ブリュッケ、1997年
・鈴木杜幾子/馬渕明子/池田忍/金惠信編著『交差する視線──美術とジェンダー2』ブリュッケ、2005年
・池田忍・小林緑編著『視覚表象と音楽 ジェンダー史叢書第4巻』明石書店、2010年
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評価方法・基準 Evaluation Procedures and Criteria |
毎回の出席(コメントカードの提出による)50%
最終試験50% |