学科(専攻)・科目の種別等
Department/Division

教養展開科目(文化コア関連)
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授業コード
Class Code
G15D12101 科目コード
Course Code
G15D121
授業の方法
Course Type
講義 単位数
Credits
2
期別
Semester Offered
前期 曜日・時限
Day & Period
木3
授業科目
Course Title

歴史学C

History C
副題
Subtitle
東ヨーロッパ近現代史からみたリベラリズムとナショナリズム
担当教員
Instructor
姉川 雄大
受講対象
Students for whom Course is Intended
自学部他学科(自研究科他専攻)  
Students of Other Departments
他学部(他研究科)
Students of Other Schools
科目等履修生
Non-degree Students
教室等
Classroom
G5-10
概要
Brief Description
 この授業のテーマは、東欧から見た「ヨーロッパの近代化」です。
 この授業では、近代化と言った場合に、それまでの封建的な規制を越えて新しい産業や市場経済に適応していこうとすること(自由主義)と、人びとが国民という意識を持ってまとまろうとすること(国民主義)を意味します。現在の社会を歴史的に理解したいと思ったときに、ヨーロッパ近代史における「市民社会(自由主義)」と「国民国家(国民主義)」の問題は、重要なテーマとなります。
 東欧は普通にイメージされる西欧と少し「違う」発展の仕方をした、と言われています。近代化を支える「市民」が育たず、そのため「国民」とはどういう人々なのかということについて、西欧と異なる考え方を持っているというのです。だとすると、東欧のことをよく見てみないと近代ヨーロッパの全体像はよく理解できないはずです。
 この授業では、19世紀から20世紀前半にかけての東欧(主にハンガリー)に焦点をあてながら、ヨーロッパの「市民社会」と「国民国家」について考えていきます。また、今、ヨーロッパ近現代史の「市民社会」と「国民国家」について考えるとは、現在の社会や世界をどのように考えることにつながるのか、という歴史認識の問題についても、考えを広げられればと思います。
目的・目標
Objectives and Goals

15 Core Competencies for General Education
 この授業の目的は、ヨーロッパ近現代史における「市民社会」「国民国家」の諸問題を理解することによって、現在の私たち自身の社会を考える(相対化して考え直す)方法を身に着けることです。受講者はこの授業を通じて、「東欧」の「近代化」について、ある程度具体的なイメージをもって説明できるようになることを目標とします。
1_知へのいざない
Introduction to Knowledge
知識力
Knowledge
 
探究力
Exploration
技術力
Technique
 
情報力
Information
 
批判力
Critical Thinking
2_人間のふるまい
Human Behavior
倫理観
Ethics
 
実践力
Practice
 
社会性
Sociability
 
自然観
View of Nature
 
創造性
Creativity
 
3_社会とのかかわり
Social Engagement
国際力
Global Attitude
 
地域力
Community Oriented Attitude
 
生活力
Vitality
 
指導力
Leadership
 
主体性
Independence
 
授業計画・授業内容
Course Plans and Contents
1.オリエンテーション〜近世ヨーロッパの社会と国家
2.16-19世紀(1)東欧と西欧の「近代化」
3.16-19世紀(2)自由主義・国民主義の西欧/東欧モデル
4.19世紀(1)1848年革命とナショナリズムの矛盾
5.19世紀(2)近代化する王朝国家(二重君主国)と諸国民
6.19世紀(3)「国民化」の実例
7.19世紀(4)19世紀東欧の「市民」
8.19世紀ヨーロッパ史論(近代化論・世界システム論、特有の道論)
9.20世紀前半(1)帝国主義・東方問題・第一次世界大戦
10.20世紀前半(2)ヴェルサイユ体制と東欧の「マイノリティ」
11.20世紀前半(3)民主体制の崩壊・人種主義とファシズム
12.20世紀後半(1)第二次世界大戦後の東欧
13.20世紀後半(2)東欧革命・ヨーロッパ統合・新自由主義
14.現在の東欧と20世紀ヨーロッパ史論(全体主義論、歴史認識)
15.まとめ
キーワード
Keywords
ヨーロッパ、自由主義、市民社会、国民国家、東欧
教科書・参考書
Textbooks/Reference Books
この授業にかかわる入門的・基本的な図書には以下のようなものがあります(このほか、詳しくは授業中に参考文献表を配布する)。ただし、これらは教科書ではありませんので、特に購入を課してはいません。
大津留厚他『ハプスブルク史研究入門』(昭和堂)
塩川伸明『民族とネイション』(岩波新書)
オリヴァー・ジマー『ナショナリズム1890-1940』(岩波書店)
シュテファン=ルートヴィヒ・ホフマン『市民結社と民主主義1750-1914』(岩波書店)
柴田三千雄『近代世界と民衆運動』(岩波書店)
ブラックボーン/イリー『現代歴史叙述の神話』(晃洋書房)
評価方法・基準
Evaluation Procedures and Criteria
期末試験60%、授業参加状況40%。
期末試験は論述式で2〜4問程度を予定。授業内容の理解度を、「事実」のレベルと「解釈」のレベルをいったん区別しながら自分の言葉で説明できるかどうかという観点を中心に評価します。
授業参加状況は、毎回授業中に提出する感想・質問から理解度を評価します。