学科(専攻)・科目の種別等
Department/Division

専門科目 園芸学科
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授業コード
Class Code
H11340101 科目コード
Course Code
H113401
授業の方法
Course Type
講義 単位数
Credits
2
期別
Semester Offered
後期 後半 曜日・時限
Day & Period
火3・金3
授業科目
Course Title

植物細胞工学

Plant Cell Technology
担当教員
Instructor
中村 郁郎 | 中村 郁郎
履修年次/セメスター
Students' Year/Semester to take the Course
2〜4
受講対象
Students for whom Course is Intended
自学部他学科(自研究科他専攻)  
Students of Other Departments
他学部(他研究科)
Students of Other Schools
科目等履修生
Non-degree Students
教室等
Classroom
園 合同講義室 | 園 合同講義室
概要
Brief Description
植物細胞工学とは何かについてわかりやすく解説すると共に、その農業とのかかわり、とくに品種改良(育種)への応用に関して、現状と問題点、将来展望などについて解説する。
目的・目標
Objectives and Goals
 植物細胞工学は、生物生産を品種改良(育種)の面から支える学問分野のひとつであり、植物を細胞レベルで様々に処理することによって、有用な植物を作り出していくことを目標としている。植物細胞工学はほぼ植物バイオテクノロジーと同義であり、それに含まれる主な技術である組織培養、細胞融合、遺伝子組換え等に関する基礎的な理解を深め、かつそれらの諸技術が農業とどのように関係があり、また応用されているのかについて、現状および関連する諸問題について学び、将来を展望する力を身につけることが本授業の目標である。単なる知識の習得でなく、バイオテクノロジーという技術を通して、様々な独自の発想を生み出せるような力を身につける努力が望まれる。
授業計画・授業内容
Course Plans and Contents
1.植物バイオテクノロジーの概要、組織培養における脱分化、再分化、分化全能性につい
 て解説し、その技術的諸問題について解説する。
2-3.組織培養の農業への応用場面、とくに苗生産、ウイルス除去、遺伝資源の保存、培養変異の出現とその育種への利用について解説する。
4.細胞や組織培養を利用した倍数体の作出とフローサイトメトリーの育種学的な応用につ
 いて解説する。
5.花粉培養や未受精胚珠培養による雌雄配偶体からの半数体植物作出方法とその意義につ
 いて解説する。
6.受粉・受精の機構と種間雑種作出上の諸問題について解説する。
7.胚培養等を利用した種間雑種の作出とその意義について解説する。
8-9.細胞融合の育種学的な意義と技術的諸問題について解説する。
10.核、染色体、微小細胞(核)、オルガネラの単離とその利用について述べ、単離に関
  する技術的諸問題について解説する。
11-13.遺伝子組換えの原理と技術的諸問題について解説する。
14.遺伝子組換えをめぐる社会的諸問題について解説し、理解を深める。
15.テスト。
なお、講義の大部分は液晶プロジェクターを用いて行うが、必要に応じてプリントの配布も行う。講義内容に対する意見や感想は、直接口頭でまたはメールで受け付けるが、重要と判断した点については授業へ直接反映させるよう努力する。
キーワード
Keywords
組織培養,細胞融合,遺伝子組換え,生殖生理,育種,バイオテクノロジー
教科書・参考書
Textbooks/Reference Books
新版図集植物バイテクの基礎知識/大澤勝次・江面浩著、農文協2005、植物細胞工学入門/駒嶺穆・野村港二編著、学会出版センター1998、植物バイオテクノロジー事典/駒嶺穆ほか編、朝倉書店1990、植物細胞育種入門/平井篤志・内宮浩文・杉浦昌弘編著、1989、植物の組織培養/竹内正幸著、1987、裳華房、植物細胞組織培養:実際・応用・展望/原田宏・駒嶺穆編著、理工学社、1979、夢の植物をつくる/三位正洋著、裳華房、1991(ポピュラーサイエンス)、夢の植物を創る/岡田吉美、東京化学
同人、1994(科学のとびら:22)、植物ゲノム科学辞典/駒嶺穆ほか編、朝倉書店2009、植物育種学辞典/日本育種学会編、培風館2005
評価方法・基準
Evaluation Procedures and Criteria
テストの評点で判定する。テストは講義の内容を理解していれば8割程度はとれる問題であるが、一部応用能力をためす問題も出題する予定である。出席は一応確認するが、成績はあくまでテストの評点で判断し、ボーダーラインにある場合は出席率もある程度考慮する。
関連科目
Related Courses
本講義の主目的は育種の手段としてのバイオテクノロジーの応用であるから、育種学を事前に、または同時に学んでおくことが理解を助けるうえで重要である。さらに技術そのものを理解する基礎として、植物遺伝子工学、遺伝学、植物生理学、植物器官機能学などを学んでおく必要がある。
履修要件
Prerequisite
本講義はあくまでも農業技術の一つとして、その応用面を理解してもらうことが主眼である。従って、当然、技術の応用場面である植物生産に直結した分野、すなわち園芸植物講座の諸科目や病理、昆虫、植物栄養などの科目もあわせて履修することが望ましい。
備考
Remarks
本講義には、組換え作物や組換え食品、遺伝子治療、クローン作物、クローン人間など、マスコミで取り上げられる関連する話題が多い。それらの話題にふれる機会があれば、その都度熟読し、理解を深めるとともに、これらの問題に関する自分なりの考えを養って欲しい。