学科(専攻)・科目の種別等
Department/Division

専門科目(行動(文化人類学))
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授業コード
Class Code
L11981001 科目コード
Course Code
L119810
授業の方法
Course Type
  単位数
Credits
2
期別
Semester Offered
後期 曜日・時限
Day & Period
集中
授業科目
Course Title

経済人類学

担当教員
Instructor
深田 淳太郎
受講対象
Students for whom Course is Intended
自学部他学科(自研究科他専攻)  
Students of Other Departments
他学部(他研究科)
Students of Other Schools
 
科目等履修生
Non-degree Students
 
概要
Brief Description
人間は一人では生きていけない。
今着ている服、今日食べたもの、今この文章を読んでいる冊子やPC、、、すべて自分で作った人などいないだろう。私たちは身の回りのあらゆるものを、どこかから買い、誰かからもらい、また交換して生きている。そして、飲んでいる珈琲の豆がどこで生産されたか、乗っている車のガソリンがどこから来たか考えてみれば分かるように、私たちの生活を成り立たせている交換は、世界中を包み込んで行なわれているものである。ということは、こう言ってしまってもあながち間違いじゃないかもしれない。「私たちの生活は、あるいは私たちが暮らしている世界は、交換によって成り立っている。」
 だが、経済人類学で取り扱う「交換≒経済」は、こういった財布からお金を払って商品を手に入れるという「売買」だけに限定されない。私たちはお金など使わずとも、同僚と挨拶を交わし、友人と酒を酌み交わし、恋人とプレゼントを贈り合っている。これらもまた私たちの生活に欠かせない交換である。
 、、、そう言えばそうなのかもしれないけど、、、本当にそうなの?と思った人は少なくないだろう。最初に見たのが生きていくために必要なモノを手に入れるための、人間の生にとって本質的な交換であったのに対して、後者はある意味では無くたって問題ない、無駄な交換なんじゃないかと。
 しかし、驚くべきことに、これらの挨拶や交歓、贈り物が無い社会は地球上に(おそらくは歴史的にも)存在しない。人間は世界中のすべての社会で、思いつく限りの、そして想像以上の多様なやり方で、ありとあらゆるモノを贈り合いまくっている。本当にそれらが「無駄」で意味がないものであるならば、逆に、なぜ無くならないのだろうか。おそらく「無駄な交換」には、人間にとって欠かすことの出来ないなにかがあるのだ。ちなみに私たちが使うようなお金を持たない社会は決して珍しくはない。
 以上のような広い意味での交換≒経済を切り口として、人間とは何か、あるいは人間と人間のあいだの関係(=社会)とはなにかを考えるのが、経済人類学である。本講義では、経済人類学の代表的な学説や方法論を学び、モノの交換という観点から人間や社会について考え直していくための視点を身につけてもらう。
目的・目標
Objectives and Goals
・世界中に暮らす多様な人々の「経済」について知る。
・われわれ自身の社会も含めて、人間の社会が「モノの交換」という観点からどのように捉えることができるのかについて考えることができる。
・市場主義経済を歴史的観点から捉え直し、「経済合理性」の多様性について考えることができる。
授業計画・授業内容
Course Plans and Contents
2017年2月13日(月)、14日(火)、16日(木)、17日(金)の4日間に集中講義で開講する。

◆1日目:なぜ交換するのか?
@なぜ交換するのか?
Aもう一つの合理性
B「社会」を作り出す交換
C形式経済と実体経済

◆2日目:お金とはなにか?
Dお金の起源
E原始貨幣
Fお金と社会の関係

◆3日目:市場経済と非西洋社会
G経済のグローバリゼーション
H華美化する贈与経済
Iお金で買えない価値はあるか?
J貝殻貨幣とクレジットカード

◆4日目:合理性を作り出す
Kパプアニューギニア、貝殻貨幣と法定通貨の二重経済
L法定通貨と「部分的」合理性
M地域通貨はなぜ使われないか?
N「市場」を作り出す
キーワード
Keywords
交換、贈与、市場、合理性、価値、貨幣、
教科書・参考書
Textbooks/Reference Books
特定の教科書は用いない。
評価方法・基準
Evaluation Procedures and Criteria
平常点および講義内で課す小レポートで総合的に評価する。
(受講者数によっては評価方法は変わる可能性がある)
関連科目
Related Courses
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履修要件
Prerequisite
毎日受講できること。(一日で進む分量が多いので、一日でも休むと授業の理解が困難となるため)