先天代謝異常症「FBPase欠損症」で遺伝子変異が引き起こす分子病態を解明 ~遺伝子変異の種類に応じた新たな治療方法の開発に期待~

2023年08月23日

研究・産学連携

千葉大学大学院医学研究院の佐久間一基特任准教授、大学院医学研究院・災害治療学研究所の田中知明教授、三木隆司教授らは、フルクトース-1,6-ビスフォスファターゼ (FBPase)欠損症の患者において、FBP1遺伝子の変異を同定しました。FBPase欠損症は稀な疾患で、35万人から90万人に1人の割合で発症すると推定されています。同定した遺伝子変異は、タンパクフォールディング異常を引き起こし、その結果FBP1タンパクの発現低下とFBPase活性欠損が生じることを明らかにしました。更に、既知の変異の解析を行い、FBP1タンパクの発現低下をきたす変異ときたさない変異の双方があることを発見しました。この発見は、FBP1遺伝子変異の種類に応じたFBPase欠損症の新たな治療方法の開発につながることが期待されます。本成果は、英国科学誌 Communications Biology に、2023年7月28日に掲載されました。

  • 230823_FBPase_01