在留資格について
外国にルーツがあり、就職を考えているみなさんにとって、自分の持っている「在留資格」について知ることは、とても大切なことです。在留資格の種類には、働くことができるもの、できないもの、仕事の種類が限られてしまうものがあります。アルバイトではなく、フルタイムで働きたい場合は、自分の在留資格を変えなければならないことがあります。
在留カードを見て自分の在留資格を確認してから、フローチャートに進み、自分の在留資格をどのように変えなければならないのか、知りましょう!
①家族滞在以外の資格の方へ
「永住者」・「定住者」・「永住者の配偶者等」・「日本人の配偶者等」という資格を持っていれば、この資格のまま進学することも、働くこともできます。また、どんな仕事も選ぶことができます。
「公用」の在留資格の人は、フローチャートに戻って、次の問題に進むことができます。
②週28時間までアルバイトができます。
「家族滞在」ビザの人は「資格外活動許可」を得ることで働くことができるようになります。しかし、働く時間を1週間で28時間以内に収めなければなりません。そのため、フルタイムで働くためには、高校を卒業して在留資格を変える必要があります。日本に住んで働くことを考えているならば、高校卒業をめざしましょう。
「公用」の在留資格の方は、資格外活動許可をもらうことが難しい場合があります。
③進学を考えている方へ
大学や短大・専門学校に進学するならば、在留資格を「留学」にするのが良いでしょう。大学に奨学金を申し込む時やアパートの連帯保証人を頼む時に、「留学」ビザであることが求められるためです。
また、大学や専門学校を卒業して、働くためにも在留資格を変更する必要があります。仕事の内容によって取得すべき在留資格の種類や条件が変わります。以下に一部の例を載せます。
職業 | 在留資格 | 条件 |
---|---|---|
日本語を使う仕事 (飲食業・宿泊業・製造業やタクシードライバー等) |
特定活動 (46号) |
①日本の4年制大学または大学院を卒業。 ②日本語能力試験N1または、BJTビジネス日本語力テストで480点以上 |
調理師や製菓衛生師 | 特定活動 | (製菓分野の例) ①厚生労働大臣の指定する製菓衛生師養成施設で、1年以上働くために必要な知識や技術を学ぶ。 ②製菓衛生試験に合格し、免許をとる。 ③日本語能力試験N2を取得。 ④就職先を探して、内定を得る。など |
美容師 | 特定活動 | ①美容師養成施設で、働くために必要な知識および技能を学び、優秀な成績を取り、素行をよくする。 ②美容師育成機関から内定を得る。 ③養成施設を卒業。 ④美容師国家試験に合格し、免許を取る。 ⑤日本語能力試験N2を取得。など |
「専門士」の称号と同じ分野の仕事(機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、語学講師等) | 技術・人文知識・国際業務 | ①専修学校の専門課程を修了し、「専門士」または「高度専門士」の称号を取る。 ②学んだ分野と同じ分野の仕事に就職する。 |
※以下は、まだ確認中の情報です。ご注意ください。
※なお、美容師や調理師の「特定活動」資格は、農林水産省(2023)の「日本の食文化海外普及人材育成事業」や、内閣府国家戦略特区(2021)の「外国人美容師育成事業」といった新しい指針によって認められたものです。制度が変わることで、また資格が取得できなくなる可能性があります。また、この2つの指針においては、海外への日本の食文化・美容方式の普及が目的のため、在留期間の更新、延長はできません。自分の取りたい資格に関しては、必ず在留資格についても、くわしく調べるようにしましょう。
④内定+N2で「特定活動」に
日本の高校に途中から入った場合、少し条件が難しくなるものの、在留資格を「特定活動」に変更することができる可能性があります。条件としては、
- 日本の高校を卒業、もしくは卒業見込み(予定)であること。
- 企業からの内定を得ていること。
- 日本語能力試験でN2を取得していること。
- 親による身元保証があること。
の4つがあります。どんな仕事もできて、週28時間を超えて働くことができます。
ただし、18歳になってから日本に来た人は、卒業後すぐに就職できる在留資格に変えるのは難しいです。大学や、専門学校に行くことを考えましょう。(③を参考にしてください。)
⑤内定で「定住者」に
日本の小学校を卒業(途中からの入学でもOK)、中学校を入学・卒業、高校を入学・卒業もしくは卒業見込み(予定)である場合、在留資格を「定住者」に変更することができる可能性があります。他の場合とは違い、身元保証や日本語能力試験は必要なく、
- 企業からの内定を得ていること。
- ⑤のはじめに書いた日本の学校の卒業状況
の2つだけが在留資格変更の条件となります。どんな仕事もできて、週28時間を超えて働くことができます。
⑥内定で「特定活動」に
日本の高校に初めから入学し、卒業もしくは卒業見込み(予定)である場合、在留資格を「特定活動」に変更することができる可能性があります。条件としては、
- 日本の高校に初めから入学し、卒業、もしくは卒業見込み(予定)であること。
- 企業からの内定を得ていること。
- 親による身元保証があること。
の3つがあります。日本語能力試験でN2を取得する必要はありません。どんな仕事もできて、週28時間を超えて働くことができます。
出典
全体の出典
【2021年10月25日UP】 がいこくじんの子どものビザ・フローチャート|かながわ・こみゅにてぃ・ねっとわーく・さいと
外国人の子どもの高校卒業後の「在留資格&進路」フローチャート(PDF)
在留資格と就職|glolab
③の出典
在留資格の変更 | 在留資格 | 千葉大学 インターナショナルサポートデスク
製菓衛生師になるには|全国製菓衛生師養成施設協会
日本の食文化海外普及人材育成事業について|農林水産省
日本の食文化海外普及人材育成事業について(PDF)
外国人美容師育成事業|内閣府国家戦略特区
外国人美容師育成事業に関するQ&A(PDF)