寄稿(1)「22人の輝ける宝石たちへ」/千葉大学と富岡小・中学校との歩み

富岡町教育委員会 庄野 冨士男

この原稿の依頼があった時に何の脈絡もなく、唐突に沢木耕太郎の「敗れざる者たち」が思い出されました。このノンフィクションは6篇の作品から成り“勝負の世界に何かを賭け、喪っていった者たち”(ボクサー、ランナー、バッター、サラブレッド)が描かれています。

話は変わりますが、今年の卒業生へは次のようなメッセージを発しました。

“艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉にす”人は多くの困難なことを経験することによって立派な人物になる。つまり、“困難はあなたを宝石に変えます。”2年間の避難生活を経験した皆さんがこれからの人生において、一人ひとりが輝く宝石になることを祈ります。この趣旨のことは中学生のつどいの閉会時に教育長挨拶として述べました。

さて、10名の学生の皆さんは、磐梯熱海におけるレクリエーション交流時には生徒と一緒になって動き回りたくさんの汗を流してくれました。夜はホテル華の湯にて自由歓談を経て、深夜まで夜回り先生の役を果たしてくれました。相良好美さん、小暮健人さん、佐藤由樹さん、堀井美沙さん、遠藤加奈さん、藤本弘之さん、中村圭吾さん、安里加菜さん、子安奈穂さん、米山聡美さん、ありがとうございました。

そして、冬の再会のつどい、小学生と一緒にプール活動です。大歓声の中、子どもたちを十分に楽しませてくれました。事後の感想をみても、プール体験が楽しかった(205名)やプールへは2日目も入りたかった、など大好評でした。事故なく無事終了できたことは何より皆さんのおかげです。中村圭吾さん、金子真大さん、磯部将大さん、川島優花さん、佐藤由樹さん、堀井美沙さん、津本匡徹さん、遠松佑太さん、斉藤惇さん、佐藤礼奈さん、文本利予さん、菊池瞳さん、ありがとうございました。皆さんの名前を記してみて感じました。この人たちは皆、宝石なのだ。ひときわ輝く宝石なのだ、と。

子どものため、未来のため無私の精神で奉仕してくださった皆さん方に感謝です。私は全員は無理ですが、何人かの皆さんの顔と表情を思い浮かべる事ができます。それは、食事の時の子どもをサポートする時の表情であったり、一人で居る子へのさりげない声かけであったり、寄せ書きの時のアドバイスであったり、次の行動への意欲付けなど、様々な場面で千葉大学の学生の資質のよさを感じました。

最後に冒頭の本に話は戻りますが、6篇の中には“さらば宝石”が入っています。ぜひご一読ください。題名を先に考えてから書き始めたので、私の頭の中では宝石がキーワードでした。

皆さんのこれからの学生生活の充実と実社会へ出てからのご活躍、そして輝ける宝石をさらに磨きあげられますことを心よりお祈り申し上げます。

皆さん、お元気で!!

2013年啓蟄の日記す